パシャリ、とシャッター音が響く。


長編の散りばめられた伏線も楽しいですが、こういうショートショートも、雰囲気があっていいですね。
詩のように綴られる、しっとりとした文体。しかし間違いなく、小説。


遺影を撮影している、という斬新さと、その理由。それが上手く交わって、ひとつの作品になっているのがわかります。
眼の前の被写体の少女に対しての比喩表現も、素晴らしいと思います。


でも、僕は撮りたい。
君が死ぬ1秒前まで。


という彼の本音が、大人っぽくて、すごく深いなぁと。
私個人の中で響いた一文でした。

年齢関係なく、たくさんの方に読んで欲しい作品。
オススメです!