第18話 ボスを狙う
ボスを狙う
~~~マリィ
特別教室
秋空に飛び立つ木の葉が見える特別教室で私が待っているとバレット達がやってきた。
やる気満々だ!
「レベリングの教導よろしく頼むぜ!マリィ!」
「ニクス2型の副腕バックユニットを導入したと聞いてます!後で見せて!」
すっかりレベリングのプロ?として認知されたようで何よりだ。
もしかしてこれは商売になるかもしれない。
エリスは通常運転だ。
「開拓役のあたしたちまでレベリングに参加していいのかい?邪魔じゃない?」
「戦闘は苦手だ…」
開拓に必須の技能者にレベル不足で死なれるのは困る上に二人は今回の主役だ!
説得する。
「狙う相手の関係で狩場が遠い上に地形造成力が欲しいんだ。力を貸してほしい。」
早速、今回狙う相手を説明する。
最高の相手がいたんだ!好きな地形を用意してハメ殺しだ!
「今回狙うのはドラゴンパピー!ドラゴンの幼体!その中で南の川に結構いるらしい。魚型のウォータードラゴンパピーだ!」
私もドラゴンと聞いて、最初は気が向かなかったけど、調べていくうちに発火器君はだいぶ特殊な部類だと本人の話?からも分かったのでドラゴンも獲物だ!
しかし反撃しないドラゴンなんて、私もこの目が無かったら血眼で狙うだろう。
確認様様だ。
半魚型のウォータードラゴンパピーはウォータードラゴンの幼体、うなぎのような生態で稚魚が川をのぼりデカくなりすぎると海に帰っていくのだ!
手頃なやつだけ川にいるんだ!うまい!
水中だと川の王様だが陸地では…
今回は人為的に反撃しないドラゴンにする!
「ドラゴンパピーは有名だけどウォータードラゴンパピー?水中にいる奴じゃないか?倒せる…のか?」
バレット君が半信半疑だ、ここは信じてもらうほかない。
「私を信じたまえよ~レベリング教導官ですぞ!私は!」
バレットの最初の言葉を引用して偉ぶる!
もうアリスたちで実績があるから、実際にやってみて?後悔はさせんよ!
「興味が沸いた。俺は行く」
ホルスさんが乗ってくる。
地形造成力が欲しいといったのが気になっているようだ。
「私も行きます。面白そうなので!」
「確かに川まで行くなら足がいるよね~バレットはビビっちゃったんだ?」
バレットが挑発と出遅れたことに青い眼を見開く。
「ビビってねえし!俺も行くし!」
そういうことになった。
~~~マリィ
アテナ南の川付近
カルラの運転するショベルカー運搬車で作戦の説明をする。
まず今回の狩りはアテナのシールド氏の著書で見つけて、快くご本人に監修してもらったものだ。
「シールド氏監修かぁ!なんだか凄そうだぜ!!」
小並感と付きそうなことを言うバレット、そうだね凄そうだね!実際スゴイ。
毎回ゲーム知識じゃ足元をすくわれたときに弱いからね!
毎回、助けてもらうのは申し訳ないというものだし!神様も、祖霊さんも忙しかろう
(?)
「今回の作戦は、ウォータードラゴンパピーを逃げづらい陸地に打ち落として遠距離攻撃で釣る瓶打ちぃ!だ!」
皆の表情が凍る。
…
待ってほしい。
今回のパーティに合わせてくれたマジですごい作戦だから。
単純な方が良い作戦って昔から言うよね?
勢いだけの作戦じゃないから!
あのシールド氏が一緒に考えてくれたから!
シールド氏監修だから!
裏も取ってあるから!
…
神妙な顔で伝える。
「私も不安に思って資料室で確認したんだけどウォータードラゴンパピーってすごく…おバカで時々鳥につられて陸に飛び跳ねた上で、川に戻り損ねて川辺の干しドラゴンになっているみたいで…」
(生きてるぞ)
「そこで俺の出番か。」
このパーティだと、川に逃げられない地形を作ったら本当に撃ち放題して倒せてしまうのだ。
「私が鋭角に飛べるからできる作戦で、真似はしにくいらしいけど!よろしく!」
ニクスの飛行だとやってほしくないと言っていた。
学園生思いのいい先生なのだ。
~~~マリィ
アテナ南の川、崖っぷち
今、私は現在の最強装備に身を包み崖の上にいる。
腕には霊石の大剣、鋭く研磨された巨大な緑色の結晶剣
複腕には機械槍、白銀のシンプルな槍を機械の腕が掴む
身にまとうのは青みがかった黒色のニクス2型魔導鎧だ。
勇者系装備のほうがレアリティが高くて強力だろうが、私にとっては慣れ親しんだ大剣と機械槍が最強装備だ。(いいね)
鎧は趣味に合う上に限定品!これのお陰で最強装備が出来てる縁の下の力持ちだ。
今回の目的は自分を餌に飛び上がったパピーをホルスの作った大穴に叩き落とす。
私様の大剣のパワーを見せてやる!
シールド氏監修のトンデモ作戦だ。
昔同じ事でもしたんだろうか。
妙に感傷的な顔をしていたのが気にかかるが。
法令を守って、周囲にドラゴンが飛んでいないか確認する。
シールド氏の話だとドラゴンに対する法で高空飛行は禁止だがこの狩りの為だけに特措法?があるらしく、許可されるそう。
戦士たちが議会運営してるからね!
自分達の狩りの邪魔は減らすよね!
…
まぁいいか、作戦開始だ!ニクスの通信機能で伝えて、飛び立つ。
=チームBリーダー ですいず M 作戦開始、おーばー
=M this is B reader! 作戦開始 roger!
便利だが無線用語は難しいぜ、せっかく勉強したけど、普通に話しちゃダメ?
次々と、ギザギザの牙の並んだ口を向けて飛び出してくる。
10メトル近くある手足のないワニなウォータードラゴンパピー…長いから龍魚をさばいていく。
「魚が空を飛ぶな!」
1回のダイブで5匹くらい飛んでくるな!?
最後尾のヤツに対して結晶剣を袈裟に振り、そのまま逆袈裟にする。
軽い軽い!剣が軽いぞ!
「重ね撃ち」
[ダブルクレセント] で ウォータードラゴンパピーを撃墜!
光る斬撃が二本飛び魚を切り飛ばす。
飛ぶ魚をどうにか、思い通りの場所に撃墜した!!
倒すつもりで殴ったけど
空中だからか、肉厚すぎて致命傷にならない!
目的は達成したので、みんなで囲むか…。
おかわりを警戒しながら、飛び去る。
また来るよ!サラバだ!
少しすると私が撃墜した龍魚がお椀状の地形の底でビチビチしてる!
ここでお前を料理してやろう!
そこではホルスの作ったすりばち状の地形へ、これまたホルスの作った上陸阻止用?土嚢群から連続の砲撃が加えられている。
皆でアームキャノン連打DA!
私も加わって、
私も経験値欲しいの連打DA!
反撃無しでボス狩りは絶対にうまいだろ…!これ…!
ゲームだと船の上で待ってたり時間切れで船ぶっ壊れたりそれで水中戦だったり。
これと似た行動だと釣り竿で船に釣ったり!?
なんか一捻りあって手間だったんだよ、お魚ドラゴン系。
地形作りしてまでやる気にはならないけど良い狩りだなぁ~!
あ、消えた。(美しい!)
みんなレベルアップでレベル6だ。
皆でわいわいドラゴンすり鉢を降りていく。
階段有る…文明の利器だ、便利だ。
下の方の階段はちょっとつぶれてるけどホルスがスコップでサっと修繕している。
ドロップアイテムはなんだ?
…ぐちゃぐちゃな地形の中に手のひら位の鱗がある。
はずれの鱗だ。
まぁ、パピーのドロップも普通にドラゴンの鱗が出るので山分けにしても、アームキャノンの弾薬費に足が出ないのだ。
すげえよシールド氏監修…
戦士たちも特措法を作るよ。
絶対にいい思い出でしょ!
ガヤガヤあれは美味しい、あれは危ないやってる議会を想像して、少し親近感を覚える。
今度、できればクラス以外の子も頼むって言われたけど、当然な話だよこれ…
これは…おいしい話過ぎる。
私のレベル上げにもなるし!
まぁ狩りの釣り役が危険でひっぱりダコなのは当然だよな?
帰ったら、またお説教されそうだがまた行って来よう。
シュワっと飛び上がる。ピカピカ
ニクス型の飛行で補助されると、滑らかなのだ。
そこから、ガンガン釣ってきた。
全然バレない!釣り放題!ゲームか?
前に1回、殴って回避したやつも飛んでくる始末
魚だったら何度も引っかからんだろ…龍魚…幼体で強すぎるからか?
強者たちが子孫にメイン装備を残さない訳の理解を補強してしまった。
こんなの倒してレベリングしてたら残さないな。
子孫をおいしい餌にはしたくないよね。
=チームBリーダー ですいず M 作戦開始、おーばー
=M this is B reader! 作戦開始 roger!
…
繰り返す。
=チームBリーダー ですいず M 作戦開始、おーばー
=M this is B reader! 作戦開始… roger!
……
みんながレベル7になって喜び合った!
まだやるぞ!まだまだやるぞ!周回DA!
=チームBリーダー ですいず M 作戦開始、おーばー
=M this is B reader! 作戦…開始 roger!
………
何度も繰り返す。
=チームBリーダー ですいず M 作戦開始、おーばー
=M this is B reader! 作戦開始 wait!
うぇういと?マテか?ん?異常があったか?
=チームBリーダー ですいず M どうした? おーばー
=M this is B reader! M 作戦終了 帰還せよ out!
ニクス型のバイザーを上げると
いつの間にか空が赤くなり夕方になっていた。
楽しすぎて時間を忘れた!?
バイザーには調光機能も付いていてわからなかった。
発火器君が光りまくっている。
…
さて、帰るとするか!
戻ると、皆がニクス型魔導鎧を外して待っていた。
魔導鎧のインナー姿だ。
さすがのエリスも外している。でかいな!?
常に魔導鎧装備か厚着なエリスの意外な一面も見ながら親指を立てて皆を労わる。
「みんな、お疲れ様だ!楽しいレベリングだったぜ!」
「さんきゅーえぶりわん!」
と無線用語を使う。
「その…エセ無線用語はちょっと控えてくれ…魚が降ってくる気がしてビビるぜ」
ビビり気味なのを認めたバレットに止められる。
無線を聞いている皆も頷いている!?
「でもみんなでレベル8だよ!あたしらなんて開拓役なのにね!ホルス!」
「…うむ、驚きだな」
開拓役の皆は喜んでいる。
「エセというほどでは有りませんが…ニクスの無線通信はかなり感度が良くて繋がりやすい部類なのですが、あのしゃべり方だとsay againされ易いかもしれません、特徴的過ぎます。」
エリスからは擁護とアドバイスをいただいた。
あったけぇ…
治せる気がしないけど…
その後は、ショベルカー運搬車に乗せてもらいつつ、帰還だ。
道中、ドロップしたドラゴン肉を前よりも焼くのが得意になった発火器君に焼いてもらい塩振ってみんなで食べたが。
「うまい!」
ここでは食べられない、スーパーの高級肉みたいな味で激うまだった。
マジでぜいたく品だからね!あれって…
皆で大喜びして食べていたら、大きなお肉が消えていた。
お土産は…まぁいいだろ…うまい肉の話は喧嘩になりそうだから、黙っておくことを約束した。
ドラゴン狩りの秘密だ!
豚鬼のドロップ、マンガ肉も悪くはないんだけど。
にくぅ!って感じで…飢えていない今はそこまでだったりする。
ドラゴン肉が時々食べられる生活か…
開拓するなら~大きな川の近くがいいかもな~
いい生活にはいい食い物だよね!
[確認]ドラゴン肉_ドラゴン製_可食_[強化]
ドラゴンの鱗_ドラゴン製_用途多彩_[強化]
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