第11話 衛兵の日常


~~~アレスの衛兵


 さわやかな朝に、今日も今日とて、衛兵業。

通る人々を眺めつつ、人の悩みを解決する!


少し怪しげな人物だったが、傭兵ギルドの会員証を持っている。

うーむこれは


「通ってよし!」


 うららかなお昼時に、何だと言うのだ困った市民よ

私はあなたの味方だが、法はあなたの味方かな?


衛兵業務中の私にケンカを売ってしまったおバカな青年を懲罰房に放り込みながら


「お前は都市アレスの法を破った!」


 しずかな晩に、何者、余所者、不埒もの

道の通りを占拠して、老若男女を困らせる。


 この都市に寄生するつもりだったのだろう

他の都市から集まってきた成らず者共に槍を向けながら


「お前には裁判を受ける権利がある!私から生き残ればな!」


 とある日、街道低空を這い回る、鋭い動きはドラゴンか?

人が宙を這いまわり、私の前に着地した。


 総合商会の顔になりつつあるがどうにも頭の軽そうな少女にむけて。

法令、云々は判りづらかろうから原因と結果をレクチャーしておく。


「私の前で10メトル以上の高さで飛ぶなよ?高空飛行は龍を呼ぶから、撃ち落とすことになるぞ!」 「ええっ!?、怖い」


 ある週末、北の街道から見えてきた、旅慣れたものだ戦士団

小柄な子供を連れてきて、入市検査を願い出た。


非常に有用なスキルをもった有望な少年を未来の仲間にするため勧誘しておく。


「坊主、危険スキルもちか!大変だろうが!戦士になれ!それが一番安全だ!」


月に1度ほど、ぞろぞろと記憶に覚えのある盗賊が!

物の道理を知らぬのか!凶賊、殺人鬼に味方殺し!どこかで見た顔ばかり!

恐れ知らずに門の前!知らんとばかりに舌回す!


手配書の出回っている、盗賊達が潜り込もうとしたので当然に槍を向ける。

驚いてるが、手配書の効果は記憶の続くまで…だ!残念だったな!


「お前は王国の法を破った!」



~~~マリィ


 血に濡れた長槍を掲げて衛兵たちが行く。

その槍先には、指名手配されていたらしい盗賊たちの首が掲げられている。

それをマリィはマリアに手で目隠しされながらその隙間から様子を見る。


悪人成敗!市民はみんな、喜んでいる!


「衛兵ってやっぱりカッコいいよね、どうしたらなれるの?」


 衛兵の倍近くの賊を打倒したようで、両手に槍を持って歩いている。

ちょっとめんどくさそう。

マリアに聞くと、機嫌良さそうに返される。


「アレスの衛兵隊は全員、レベル8の大長以上よ!大戦士以上もいる!あたしが思うにこの大陸最強の戦士団なんだから!衛兵になるには、アレスでは強さが必須ね!」




意外な答えが返ってくる。

大戦士は開拓に行くんじゃなかったの?


議員と兼業でやってるのかな?

議員衛兵隊???すごく強そうだ!

権力の有る兵隊?サムライ・ゴケニン・ダイミョーみたいな?


「大戦士は開拓に行って議員になるって聞いたよ?」


 領地はどした?と思って

思ったことをそのまま聞いてみればすぐに返事が返ってくる。


「開拓したい人ばかりじゃないのよ!その力で身近な人を守りたい人もいるのね!」


あ~、共感できる話に納得だ。

強くなったら、知らない人より知ってる人を守りたいよね。

開拓は強制じゃないんだ戦士、自由だぜぇ!



ちょっとよさげなことも思いついたし

きっと何もすることがなくなったら衛兵になって、自衛していよう!

なになにの抑止力~みたいな名目で上げ膳に下げ膳を目指そう!

いるだけで!そこにいるだけで安全みたいな!

それには、力が必要だ。

今以上の力が!

う~ん、自らを守るために、自らを危険にさらす。

必要最低限の文化的な暮らしはコストが重いな!


「いいねぇ~わかるよ~いつかは衛兵になりたいね~!」


前回の試練でレベル8になったので結構身近な話題だった。


そういえばレベル8の敬称?は大長という、軍だと大隊長級!?だそうだ


だいたいちょうね うん しってるよ ひゃくにんくらい だね たぶん


小隊が5人 中隊が小隊を5つ? 大隊が中隊を5つくらいで+補助兵科だよね


指揮するんだよね? ボタン一つじゃダメ?

強さだけ100人分じゃ



そんな知識も経験もないよ!


単身で敵に突っ込むだけだよ!小隊さえもあやしい。


レベルだけエリートなんて絶対にまずいでしょ…

勇者武器の件で招待されているアテナでどうにか勉強できないものか…

陽気な?晒し首衛兵隊を見る…エリートなんだなぁ…

一軍の司令部が肉弾戦してるようなもんか前線が会議室だ!みたいな。

それだけ、即応しないと、色々危険なのかな?


~~~


しゃらんしゃらんと衛兵業

今日も街の人気者、明日も街を守るのだ!


少女たちの会話を耳に入れながら、この街は美しく暮らしやすい街だな!と考えた。


警報が、響く。

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