第38話 収集


 クランハウスが出来てからそっちに移った俺たちだったが、俺は定期的にクランビルのほうに行っていた。

「大丈夫ですか?」

「はい!問題ありません」


 太郎の下の人間が見回りに来ているがどー見てもヤクザなんだよなぁ。


「レクトさん、うちらがいるんで大丈夫ですよ」

「そうはいきませんよ、任せてるのもなんだか悪いですし」

「ハハッ、でもこれがウチらの仕事っすから」

 秋葉クラブは武闘派だから大事になるのが怖いんだよな。一応ホープクランのビルだし。


「Helloここがホープクランかしら?」

 昼過ぎに女の人がやってきた、外人さんだけど日本語が上手いな。

「そうだったらなんだ?いまは誰もいねぇぞ?」

「そう。どうやったらミスターセコに会えるのかしら?」

「レクトさんは誰にも会わねぇよ」

「それだと困るわ。この中にいないのかしら?」

「いねえって言って「俺がセコレクトだが何のようだ?」兄貴いいのか?」

「いいよ、ちゃんと正面から入ってきたしな」

 ある程度海外のやつらが何をしてくるのかこれでわかるだろ。

「レクトと呼んでいいかしら?」

「どうぞ」

 二人でソファーに座ると。秋葉クラブの連中の一人がコーヒーを持ってきてくれた。

「ありがとう」

「で?何のようだ?」

「率直に言うわね。私達のクランに移籍してちょうだい」

「嫌だね」

「移籍金は二十億でどうかしら?」

「金じゃ動かないよ」

「ふー。一人だと何も出来ないわよ?」

「あいにく一人じゃないんでな」

「それでもよ?一人で軍隊には勝てないでしょ?」

 こいつの言ってることは分かるが、何故そこまで俺を求めるかだが?

「俺を求める理由は?」

「あなたの持ってるユニークスキルに興味があるわね」

「は?それなら収集だ」

「は?そんなばかな?」

「本当だ。収集は便利なんだよ」

「本当……らしいわね」

「収集持ちを探すんだな」

「これは貴重な情報を話してくれたお礼よ」

 アタッシュケースを置いて立ち去る女。

「いいんですか?ユニークスキルなんて教えて」

「いいんだよ。俺以外に使いこなせる奴が出てきたらそれはそれでいいことだろ?」

 分別がないと死にスキルだけどな。


 瞬く間にユニークスキル収集の名が知れ渡った。これまで見向きもされなかった人間達は色んなクランに在籍していった。


 覚醒したやつもいただろうし、それをどんな使い方をしているのかも知らない。


 でもこれでホープクランは大事を免れることができた。


 まぁ俺はまったり攻略が出来ればそれでいいんだ。ヒナ達と、マスターやケント、ダイスケ、それに松崎さん。


 別に隠すことで俺の価値が下がるわけじゃないしな。

 あとはお互い切磋琢磨していくだけだな。


「ただいま」

「「「おかえり」」」

「どうだったの?」

「ん?まぁ、なんとかなるだろ?」

「えー。ちゃんとおしえてよー」

「あはは」


 これで一旦はおしまいかな?

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ゴミ拾いから始まる最強ー収集が覚醒したら分別?ー あに @sanzo

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