第22話 錬金


 寒くなって来て外に出るのが億劫になってきた。ダンジョンの中だとそこまで季節に関係ないからダンジョン巡りをしているが、今日はオークションの日なのでみんなでテレビを観ている。何故か太郎と松崎さんも来て酒盛りをやっている。


 やはりアイテムボックス関連は目玉になるらしくまた大トリになった。

「一千万から」

「一億」

「一億五千」

「二億」

「二億三千」

「二億五千」

 と結構あがり、三億で日本が買い取った。

 そんな三億もするようなもんじゃないだろうに。

 思っていたより上がってしまい、またマスターは失神していたらしい。


 松崎さんにマジックバックを作ってあげて使い心地を聞いてみる。

「すげぇな。これなら清掃作業が捗るぜ」

 とのことだった。太郎は大笑いしていた。


 今回は日本が買ったからこれと言って日本政府がくることは無かったが、どこで取ったのかと公表したので千葉は少しの間有名になった。


 部屋でまったりしていると“コンコン”とアズサが入って来て。

「師匠!中級攻略しました!」

「おー、おめでとう!これで立派な冒険者だな」

「はい!一人で攻略できるなんて思わなかったですよ」

「アズサが頑張ったからだよ」

 早かったな。刀も持てなかったアズサが中級ソロ攻略だからな。

「師匠のおかげです」

 と抱きついて来たので頭を撫でていると、

「あー!何やっちゃってんの!」

「ずっるいぞ、アズサ!」

「ずるくないです!師匠とのコミニケーションです!」

 アズサは剥がされてヒナとミアに説教されてる。鈍感じゃないがこれはあまりにも可哀想だ。

「アズサが中級ソロ攻略したんだから別に良いだろ」

「えー!ソロ!」

「私達ソロで攻略してなくない?」

 アズサはニヤッと笑って、

「あーれー!先輩方は攻略してないんですかー?」

「な、なに?攻略したよ!三人で!」

「さーんにーん?師匠と三人ならさぞ楽でしょうねー」

「な、なによ!いいわよ、その挑戦受けて立つ!」

「そうよ!ソロで攻略してくるわよ」

 ヒートアップしちゃってるな。

「そしたらレクトにイチャイチャしてもらうんだから!」

「私が先よ」

「私は今からです!ねー。師匠」

「あれ?師匠?」

「レクトは逃げたわよ?ざーんねん」

「なっー!師匠ー!」

 付き合ってられないわ。


 と言うわけで俺も中級ダンジョンソロは攻略してないからしようかな。

 と言ってもいつものところじゃなく原宿まで足を伸ばした。

 原宿は前までと違っていまは冒険者の聖地としてダンジョンが、あちらこちらにある。あるいているのも、冒険者ファッションに身を包んだ人達だ。


 中級はここか。

 支柱に手を翳してダンジョンに入る。

『ゴールドスライム収集』

 三匹か。倒してカードを取ると聖魔法が二つにアイテムボックス。聖魔法を合成すると神聖魔法になったので破いておく。

 そしてレアモンスター探しをしながらダンジョンを二十層、三十層と攻略して行く。

 そしてようやく五十層。

 スケルトンライダーと子分のスケルトン達、核を収集焼却で終わった。

 中級ダンジョンソロ攻略。

 外に出ると、まだ、昼頃、せっかく原宿に来たんだから一層のゴールドスライムだけでも倒していくか。初級から上級までのダンジョンで、一層だけ入って出るだけを繰り返す。

 これでカードを集めた。


 集めたカードは火魔法二枚、水魔法二枚、風魔法二枚、土魔法一枚、鑑定一枚、聖魔法一枚、闇魔法二枚、光魔法三枚、影魔法一枚、アイテムボックス 八枚、だ。

 いや、集まったな。ちなみに闇魔法も光魔法も合成出来なかった。

 そして帰りにギルドビルに寄り、ステータス更新をすると、


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

瀬古 礼玖人セコ レクト25歳

 レベル63(232)

 力 B(SS)

 体 A(SS)

 速 B(SS)

 知 B(SS)

 魔 B(SS)

スキル 収集 分別 焼却 アイテムボックス 刀術 剣術(火焔魔法 水氷魔法 風雷魔法 土木魔法 神聖魔法 光魔法 闇魔法 影魔法 精密鑑定 回復魔法 合成 錬金 隠蔽)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 となっていた。本当に隠蔽があって助かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る