第21話 インセクトダンジョン


 インセクトダンジョン十層から始める。

 虫ばかりだが数が多いのがいい!

 ヒナ達には言っていないが俺は第三覚醒していた。

「クワガタ収集焼却」

『焼却』と言うスキルが追加されたのだ。

 集めた対象を焼却するので逃すことはない。


 レアなのはノコギリクワガタか、角が錬金素材で拡張か。

 俺はここに錬金素材を探しに来ていた。

 せっかくの錬金スキルなので極めたい。

 二十層、三十層と下に降りていくにつれてやはり戦いが厳しくなってくる。

 二足歩行のバッタや火耐性のある虫が出てくる。修行だと思って戦うがそれでも魔法や技スキルを使い過ぎて疲れが溜まる。

 今日は四十層までにした。


 宿に戻り風呂に入る。疲れが溶けていく気がするが、寝て起きるとやはり疲れているのか寝起きが悪い。


 五十層目、デカい弾丸バッタと言うモンスターだ。インセクトモンスターは硬い甲殻を持っているので斬りにくい。代わりに魔法には弱いので魔法で攻める。

「アイスニードル」

 氷の針を刺すように魔法を使うと途端に動きが悪くなるのでそこを斬る。

 巨大な脚と魔石をドロップした。

 宝箱には指輪型のアイテムバックが入っていた。アイテムボックスの下位互換品とでもいうのかな。

 

 六十二層、Gが出て来た。ここはヒナ達は着たくなかっただろうな焼却でなんとかなったが、金色の触覚が錬金素材だった、定着の効果がある。


 今日は七十層まででやめる。

 疲れがピークだ明日は宿でゆっくり休むことにする。錬金も少しやっておきたいしな。


 次の日、秋雨で少し肌寒い。

 昆虫素材を広げてマジックバックを作ってみることにした。買ってあった鞄に拡張性を持たせると定着させる。これで単純に二倍の物を入れれるようになった。これに軽量を定着させる。


 定着が、結構いるな。

 まぁ。またGの所に取りに行くしかないか。


 百層まで、あと三十層、少しペースアップする。八十層のオオカブトには手こずった。やはりら甲殻が硬くダメージが通らない。

 飛んだ時に羽の間から甲殻を剥がして斬り裂くとなんとかなった。

 オオカブトの角と魔石だ。オオカブトの角は少しでも効力倍増がつくので、削って使う。宝箱にはインセクトソードと言う昆虫特攻の剣が入っていたので刀からインセクトソードに切り替える。


 ついに百層に着いたが、まさかのGだった。大群で襲ってくるGは流石に焦ったが収集焼却でなんとかなったのでよかった。

 やはり定着に使う触覚を落とすのでGは多めに倒しておくべきだろう。

 宝箱には時原石と言う時を止める錬金素材が、入っていたのでそれも良かった。

 オーブに触れて攻略完了となる。一層のゴールドスライムを倒して宿に戻る。


 明日からはインセクトダンジョンを再攻略していく。効率的に周回出来るようにしていく。


 あれから一月、季節は冬に変わって来ているがまだそこまで寒くは無い。

 周回も一日で百層まで完了出来るようになった。そろそろ東京に戻ろうと思う。

錬金素材も豊富に集まったおかげで新ポーションなども完成した。


 こっちで買った革ジャンを着込んで車に乗り、東京へと帰る。


 一時間弱で東京の事務所に帰り着くと皆が出迎えてくれた。何故か太郎までいたので聞いてみたらたまたま遊びに来たらいなかったのでそのままマスターと茶を飲んでいたらしい。

「お土産は?」

「そんなもの。あ、ピーナッツバターなら買って来たぞ」

「ぶー」

「落下せんべいのほうがよかったか?」

「ピーナッツバターでいいです」

 近場だと土産に困る。

 

「マスター、またオークションに出しませんか?」

「なになに?何かとってきたの?」

「指輪型のマジックバックです」

「何それ?」

 アイテムボックスの下位互換だがこれも高値で売れるだろう。

 マスターが使ってみると使い心地もいいようだった。まだいくつかあるが一つでいいと思う。

「うん、これならアイテムボックスよりも安いだろうしオークションにだしてもいいと思うよ」

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