第16話 秋葉クラブ


 日本には二大クランがある。一つは東京の秋葉クラブ。もうひとつは関西の梅田クラン

、そうして二つのクランより下の下話の方にあるのがホープクランっでわけだ。ただ、総資産で言うとホープクランも上位に入って来る。


「と言う事でホープクランも秋葉クラブに合併しませんか?」

「いや。私達はそんなことはしませんよ」

「いい話じゃないですか!」

「そちらは資産狙いなのがわかってるのに誰がハイと言うんですか?」

「それは秋葉クラブを敵に回してもですか?」

「そうですね!うちのレクトに勝てるならですけど」

「えっ?俺?」

「分かりました、これ以上は無駄という事ですね。後悔しますよ?」

「後悔しませーん!」

 秋葉クラブの人は帰っていった。

「あんなに挑発しなくても」

「なめられたらダメ!」

「そうですよ、師匠がいるんですから!」

「アズサ、もう師匠じゃないでしょ?」

「れ、レクトさん、…いや師匠で」

「いいにくいならいいけどね」


 最近は1人でダンジョンに潜ることがなくなっていたのでたまには潜ることにした。

 上級ダンジョン屍にする。

 ゴールドスライムを倒してカードを手に入れる。ダブりばかりだ。

 そして百層までノンストップで倒していく。

「ふぅ、屍ダンジョンはやっぱり相性抜群だな」

 百層までひとりでクリアしたのでまた鳥居に刻まれるのが増えた。

 ダンジョン攻略して帰るとうちのビルにトラックが突っ込んでいた。

「はぁ?トラック収集」

 トラックをこっちに退かす。

「誰も怪我はないか?」

「今ポーションをつかったから大丈夫!」

 アズサが倒れていた。

 俺がトラックにいくとトラックの運転手はおらず、紙が貼られていた。

 宣戦布告とだけ書いた紙だ。

「秋葉クラブの奴らね」

「そうだろうな」

「どうするの?」

「俺の弟子がやられたんだから俺がいく」

「私も」

「いや、俺だけで十分だ」

 車に乗り込むとヒナとミアが乗り込んでくる。

「道知らないでしょ?」

「私達も怒ってるのよ」


 二人を乗せて秋葉クラブの事務所へ向かう。

 そのまま突っ込むなんてことはしない。

 駐車場に停めてから入っていく。

「お、早かったでぶはっ」

 とりあえずぶん殴っておいた。

「おい、上を出せ!」

「そんなことするかよ!俺たちでやってやる」

 死屍累々になった事務所ビル。

「早く連れてこい!」

「は、はひ」

「なーんだよ!なんだよ、これ?」

 上から銀髪の若い男性が降りてくる。

「お前がうちに喧嘩売った馬鹿か?」

「はー?俺はそんな指示は出してないぞ?」

「は?トラックつっ込ませて宣戦布告して来ただろうが」

「はぁ、おい、誰だ勝手やったやつ?」

「天童さんです」

「おい天童?ここを任せてたのはお前が出来るやつだからだ?こんな事にしてどう責任取るつもりだ?」

「こいつらがホープクランですよ?」

「なに?アイテムボックスのか?」

「なら話は変わってくる。俺たちの傘下に入れ」

「嫌だと断ったが?」

「なら拳で語ろうか!」

「いいだろう」

「おらぁぁ!」

“ガシッ”と殴りつけるための拳を掴むと力を込める“バキ”

「ウガァァ」

「ポーションを早く!」

「グゥ!はぁ、はぁ、なんて馬鹿力だよ!」

「レベル差もわからないのか?」

 黒髪のロン毛が現れて銀髪のやつに何か言っている。

「うるせーな。四郎」

「だまれ太郎!こっちのことだろ?」

「そこの兄ちゃん、こっちが頭下げるから今回は手打ちにしてもらえないか?」

「ホープクランを諦めるのかよ?」

「レベル差もわかんないやつが何言ってる?こいつは100は超えてるぞ?」

「そんな馬鹿な?日本の最高レベルは80じゃ無いのか?」

「国の情報なんて当てにしてんじゃねぇ、目の前のことを自分で確かめろ!」

「でもこいつのレベルは63で…隠蔽か」

「そりゃ、隠すだろ?百越えのルーキー」

 あっちで喋ってるがこっちの方はどうなってんだよ!

「あのさ、かかってこないなら謝るのが筋じゃ無いのか?」

「分かってる。こいつに謝らせるからちょっとまて」

 ロン毛の四郎というやつがどうやら太郎って銀髪を説得しているみたいだ。

「で?さっさと謝って帰ってもらえよ?」

「お前に何がわかるんだ!ホープクランは下層くらんだぞ!」

「そのクランに負けたなんて事にならなければいいけど?」

「わ。分かったよ。今回はこれで手打ちにして貰う。すまなかった」

「そうか。次来たら殺すぞ」

「………太郎。余計な敵をつくったな」

「うるせえ!」


 車に戻り発進する。

「かーっこ良かったよ!!」

「殺すぞ!ってね」

「五月蝿いなぁ」

「あの秋葉クラブに勝ったんだからお祝いだね」

「しないよ、なんで祝いだよ?それより事務所の掃除からでしょ」

「あ、マスターやってくれて無いかな?」

「マスターに全部任せない!」

「ミアは手伝うんだよ?」

「ミアもヒナも手伝うの!」

 この情報は流れてしまい、秋葉クラブにホープクランが討ち入りしたことがバレてしまった。誰かが漏らしたんだろうが、秋葉クラブはその事で株を下げてしまった。


「どこのだれだよ!漏らしたのは!」

「どうも、辞めた天童らしいです。いま指名手配をしていますので時期捕まると思いますが」

「あいつの口をしゃべれないようにしてやるよ」 

 銀髪の太郎がパソコンを投げつける。

「太郎?何代目だと思ってるんだ?パソコンはもう与えないぞ?」

 黒青い髪の同じ顔の男が太郎に向かって言う。

「二郎、うるせぇよ、俺がここのトップだ」

「ヒスってんじゃないよ!ここのトップは四人だろ」

 同じ顔の金髪ツンツン頭が言う。

「そうそう、お前だけでやれてる秋葉クラブじゃないんだよ」

 二郎達に言われて黙る太郎。

「とりあえず天童を見つけてこい」

「は、はい!」

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