第8話 妻、由里との出会い
俺は、
妻の目が見えなくなったのだ。
妻からは、離婚して欲しいと言われたが、俺は拒否したし、娘も嫌だと言った。システムエンジニアとして働いていたが、自宅で仕事が出来る様に会社を変え、妻を一生支える覚悟は決まった。
それから、妻が自宅に戻って数年経ち、一匹の野良猫が家に迷い込んできた。その猫は妻に懐いていた。妻も、その猫と居ると、穏やかな表情を見せた。その猫を
まぁ、時より、ふらっと
妻は、そんな
それは暑い夏の日だった。
庭を見ると、傷だらけで身体が細くなった子猫が蹲っていた。一目見て、もう無理だろうと思ったが、妻から「助けて欲しい」と言われ、動物病院に連れて行った。何とか、命を取り留め、家で飼う事になった。
妻は二匹の猫が来るのを、楽しみにしていた。
朝、起きると、妻に言われ、庭を見た。
こいつらは懲りないな。
猫用の傷薬があり、ペット用のウェットシートで身体を拭いてから、薬を塗る。その準備をする前に、猫用の餌を出す必要があるなと思い、取りに行った。その準備をしている間、
「餌あった?」
「大丈夫、まだあるよ。・・・
「うん、大丈夫。」
餌の入った皿を庭に置くと、二匹はがっついた。
「今日は、二匹で来たんだね。」
「ああ。今日は、仲良く傷だらけだな。」
「またぁ、怪我ばっかり。」
「薬、用意してくるから。」
そう言って、薬の準備を始める。
ふと、座っている
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