幕間三.憶(コミカライズ)

 さて昔話は終わりません。これから話すのは憶話綴が中学二年生頃の話。どうぞ、楽しんでください。


 * * *


 憶話綴、試行錯誤する。

「異世界の一日が二十四時間とは限らないって事、絶対誰か気づくよな。だから例えば登場人物が『夜の八時に……』とか言ったら『こっちの時間の何時の事だ?』って思う人がいるかもしれないな。登場人物に『この世界はパラレルワールドの地球です』なんて言わせられないよな。設定的にも絵面的にもさすがにね。あ、お話とお話の間にある裏話に書くとかなら……いや、ちょっとダサい。作者が急に『この世界は——』ってのはね。でも書くならお話とお話の間だな……あ、じゃあ語らせるか。僕でも登場人物でもない誰かに任せよう。そうだ、僕とは違うこのお話を書いた人って設定にしよう。僕はその人に、伝えてほしい事を伝えてもらう。ただそのままだとつまらないから読者って設定の人もつくろう。作者と読者は友達で、読者が作者に質問して、それに答えるって形で裏設定を伝える。これならただ説明を読むより楽しいだろうしきっと面白くなる!」

 お分かりいただけただろうか。

 つまり本編の間に幕間ストーリーを書き、そこで裏設定などを語るということだ。そして幕間は異世界ではなく現実世界にする。本編のキャラはでない。

 お分かりいただけないかもしれない。

 めちゃくちゃ面倒な事を思いついた、そう思ってしまってもいいかもしれない。


 憶話綴、並行する。

 幕間ストーリーに出てくる登場人物を考えた。

 まず作者として高校生の男子。大人に知識で勝てる訳ないので大人ではなく高校生にした。男子と女子の言動の差を理解していなかったので、男子にした。次に読者として小五男子。いいリアクションをしてくれそうだからだ。

 テンプレートはこうだ。

 読者が作者に質問をする。それに作者が答える。

 ここまで考えた僕はなぜか作者と読者の過去を考えた。二人が出会った頃の話だ。なぜ考えたかはあまり覚えてないが、高校生と小五が友達だということに違和感を覚えたのかもしれない。

 過去を考えたかと思ったら今度は作者の同級生について考えた。僕は何をしたいのだろう。

 そんなこんなしているうちに、幕間ストーリーは一つのお話として独立した。なんか独立してしまった。

 そして僕は二作並行して案を考え始めた。

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短譚と 憶話綴 @okuwatsuzuru

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