第31話 婚約宣言

乙姫セリカは学園の女子生徒を20人も人質に取って、僕を捕まえようとしたぅ~!


20人の冒険者が20人の女子高生の人質を取ってる状態ぅ~! そこで、下手な攻守をすれば、20人の女の子になにされるかわからないぅ~!


グラウンドは騒然~! サイン会に集まっていた生徒たちが校長の指示で避難をしているぅ~!


「乙姫セリカさんの暴走です。みなさん、落ち着いて校舎に避難してください。大丈夫です。乙姫さんはあなたたちを殺したりはしません。冷静に避難してください」


「きゃあーーー。助けて。伊藤くんッ」

「伊藤くんん。私の王子様ぁああ。こわいぃいい」

「伊藤くん。生徒会長である私のことはほっておいて、逃げてくださいっ」

「伊藤くん。こわいよおおお」「伊藤くん好き」


うぅ・・・まずい状況ぅ~!


乙姫セリカはグラウンドにあるサイン会のために作られたテントで、きれいな白魚のような手を組んで、冒険者たちに囲われて、僕らの方を見てるぅ~!


思わず本が出たぅー!


ポンッ


https://kakuyomu.jp/works/16817330657253368253


僕は本をポケットに隠したぅ~!


冷静に状況を判断するために~! 筋トレちくちくやったぅ~!


ハンディグリップッ! ハンディグリップッ! ハンディグリップッ! 伊藤ッ!


ぐりぐり~! ぐりぐり~!


・・・握力訓練は心の安定剤ぅ~! やってると気持ちが冷静に。うおおおおおっ。


女の子たちを助けるぅ~! 絶対っ!!!!



乙姫セリカが笑ってるぅ~!


「うふふ~♥ さあ! 好き♥伊藤くん~♥♪ 女の子たちは人質に取りましたよ。捕まえられて~♪♪♪くださいっ! 私のものになるんです!!! 好き♥伊藤くん」


テントの中で女の子を人質に取ったヤツラは剣を構えて、そこから、剣先を女の子たちに向けてるぅ~!


おおおおおい。校長先生ぅ~! なんか女の子たち殺されちゃいそうだぅ~!


「いやぁああああああ。伊藤くぅーーーーーん」


「ちぃい。つまんねえ仕事だっ」「なぜ、俺らロットンアンゴルモアが人質なぞ」「だが、仕事は仕事だ。やるしかねえよなぁあっ」


なんかみんな嫌そうな顔してるけど、仕事と割り切ってやろうって感じの気配を感じるぅ~!


乙姫セリカってどうやってSランク冒険者を雇ってるぅ~?


謎だぅ~!


今、僕は下手に20人もの人間を人質に取られている状態だぅ~!


グラウンド外からテントの方にやって来て、そこで、テントの中のヤツラと対峙してるぅ~!


戦うことはできない。それに20人のSランク冒険者なんて無謀過ぎるぅ~!


「・・・ちッ。つまらん依頼だが、臨時収入と乙姫の知名度は欲しい。俺たちの組織、ロットン・アンゴルモアの目的のためだな。コゾウ。死ぬか?」


一人だけ代表格そうなひときわ迫力のある赤い短髪の男が、ゆらりと睨んでこっちの方に歩いて来て怖いぅ~!


その男はいきなり不機嫌そうに僕の前、20メートルで、剣を取り出すと、無造作に剣を一線して、僕を風圧だけで殺そうとしたぅ~!


ごおおおおおおおおおおおおおおおお


うわっ。死ぬぅ~!っ。


「・・・甘い・・・隆起は殺させないッ・・・」


ガキン


いつの間にか、玉石さんが入って来ていてぅ~! 僕をかばってくれたぅ~!


玉石さんはラムネシガレットをかじっているぅ~!


剣撃からかわされて、僕は玉石さんに抱かれたぅ~!


今、いきなり抱き留められてぅ~!、かばわれて玉石さんの小さい胸が当たったぅ~!


ふにゃり


「玉石さんぅ~!」


「・・・私は・・・隆起のボディーガード・・・隆起をいつでも助ける・・・」


ガキン!ガキン!ガキン!


赤い短髪の男の攻撃を皮切りに次々にテントたちから男たちが出て来て、攻撃が僕を襲うが、そのたびに玉石さんが、双剣を振ってぅ~! 僕を助けてくれるぅ~!


僕は逃げながら、テントに入り込む余地を狙ってるぅ~!


「おもしれえじゃん。女子高生最強か? 僕がやろうか?」

「いや、俺がやろう。玉石が強いらしいのは聞いたことがあるんでな。ちょっと遊んでみてえな」

「まあ、Bクラス最強がどれほどやるのか、俺もちょっと揉んでやりたいが?」

「まあいいっ。すべてはロットン・アンゴルモアのためにッッ」


「・・・くっ・・・」


20人のSランク冒険者相手に玉石さんは一人で戦ってくれたぅ~!


その隙に僕は人質にされていた女の子たちを解放するぅ~! テントの中に侵入してガトリングソードで切り込んで、一気に女の子たちを解放しようとするぅ~!


テントの中に入ると、乙姫セリカが笑ったぅ~!


「うふふ♥ 伊藤くん好き♥ 私に会いに来てくれたんですね・・・♥」


「おい。そんな場合じゃねえだろっ」「乙姫さん隠れて」


ガガガガガガ


「うおおおおおおぅ~!」


「ちっ、コゾウ」

「やるかっ。こらっ」「おうおう。元気じゃねえかっ」「人質? めんどくせ。コゾウをやれ」「おらっ」


テントの中で攻撃スキルがつかえない戦いぅ~!


多くは外で玉石さんと戦っているぅ~! ただ、5人も冒険者たちが残ってて、全員は手を出せなかったけど、20人近くの女の子たちを助けて、今、ルルナが逃がしてるぅ~!


ガガガガガ


ガキン! ガキン! ガキン!


狭いテント内と、剣の性能でなんとか対抗してるけど、ここはまともにやっても敵わないぅ~! 敵はすごい強いぅ~!


ここは冒険者を散らすために乙姫セリカを利用する!!!!


僕は大声でガトリングソードを構えて言ったぅ~!


「お前らぅ~! 僕は乙姫セリカをやるぅ~! お前ら乙姫守るのが先決だろぅ~! 人質より大切だろぅ~! 守った方がいいんじゃないかぅ~!」


乙姫セリカが笑ったぅ~!


「うふふ♥ まあ・・・♥ 伊藤くん。私のことを考えてくれてるんですね♥ 大好き♥伊藤くん」


乙姫セリカはテントの中央で椅子に座りながら、麦茶をティーカップに入れて飲んでるぅ~! 全然余裕だぅ~!


そこにルルナがテントに入ってきて僕に言ったぅ~!


「隆起っ。女の子たちは私が逃がすっ。隆起はなんとか死なないでっ。がんばってっ! 冒険者たちを引き付けて」


「うんぅ~! わかったぅ~! さあ、冒険者たち、僕は乙姫をやるぞぅ~!」


その声に僕を攻撃しようとしていたSランク冒険者たちが舌打ちしたぅ~!


引っかかったぅ~!


「行くわっ。みんな。こっちに来てっ。ついて来てっ」


「はい」「わかったわ」「ありがとう伊藤くん」「きゃあああ。隆起くんがんばって」「私たち逃げるけど」「ごめんね。隆起くん」「助かったわ。伊藤くん」「ああ。王子様ぁ」


「こら。コゾウ。てめえなに考えてやがるっ」「ちっ」「まずい」「依頼主がやれられてはっ」「ええい。面倒だっ」


次々の5人のSランク冒険者が乙姫を守るために乙姫セリカを囲うぅ~!


人質がみんな逃げ出して、一度戦って外に出ていたすごい長身の赤髪の男がテントに入って来たぅ~!


赤髪の男は僕がひとりでSランク冒険者たちと対峙しているのを見ると、ちょっと笑って乙姫セリカを守るために僕を無視してセリカの方に行ったぅ~!


ほおぅ~! よかったぁ~! この人、一番強そうぅ~!


乙姫セリカは全然余裕そうに麦茶を飲んで、指示を出してるぅ~!


「うふふ♥ みなさん。伊藤くんの活躍は楽しいけど、一人だけは人質を確保しておいてくださいね♥ はあ。伊藤くん♥好き。かっこいー!」


うぅ、生徒会長が人質にされてて、手が出せないぅ~!


「伊藤くん。他の人を逃がしてください。私はいいので」


赤髪の男が言ったぅ~!


「・・・こんな弱そうなコゾウがSランク冒険者を5人も相手にするとはな。まあ、依頼はガードだし、俺は依頼主の乙姫を守るかな。がんばれよ。コゾウ」


玉石さんがグラウンドではがんばってるぅ~! 攻撃の音が聞こえるぅ~!


ガキン!ガキン!ガキン!


「おおおおおっ。獏良天翔っ」「ぬうううう黄土龍豪っ」「・・・隆起は殺させないッ・・・」


ガキン!ガキン!ガキン!


とりあえず僕は生徒会長だけを置いて、女の子たちを連れて、テントの外に飛び出していたぅ~!


グラウンドに3度目に出たとき、Sランク冒険者の一人が殺意をたぎらせて、僕をやろうと剣を振ったぅ~!


「おらああああっ。おめえは余計なことすんじゃねえよっ。ガキがっ」


ガキン!


だが、玉石さんがまた僕をかばってくれたぅ~!


「・・・隆起は絶対にやらせない・・・私が守る・・・」


ゆらりと殺意がその場を包んで、戦場の気配がしたぅ~!


ルルナが小声で僕に言ってきたぅ~!


(・・・隆起。たぶん、無理があるっ。戦うのはやめるべきっ。女の子たちを全部解放してから逃げよう・・・)


(・・・逃げられるぅ~?・・・)


(・・・難しいかも・・・。ただ、乙姫セリカの交渉するの・・・交渉で退かせるのよ・・・。このままじゃ玉石さんが危険・・・)


「・・・くぅ~!・・・」


確かに20人のSランク冒険者とやってる玉石さんはすごくギリギリの感じだぅ~!


ガキンガキンガキン!



言われて、僕は乙姫セリカに言ったぅ~!


「・・・僕らを逃がして欲しいぅ~! ボディーガードの気を静めて欲しいぅ~!」


乙姫セリカが言ったぅ~!


「うふふ~♥ 交渉をする価値があるでしょうか~♪♥? 好きッ♥伊藤くん 私は人質を取っているんですよ~♪♥♥? 好き♥伊藤くん」


「話し合いの余地は誰にだってどんなときだって悪い結果にはならないはず」


「うふふ~♥ わかりました~♪♥ それじゃあ、好き♥伊藤くん 交渉をしましょう~♥」


乙姫セリカが手をすっとあげると、赤髪の長身の男とSランクのヤツラの戦機が収まったぅ~!


(・・・あの人、鬼龍院隼人よ。・・・隆起、絶対に怒らせないで・・・)


(・・・鬼龍院隼人ぅ~!・・・?)


(・・・イギリスでマンチェスターダンジョンで活躍してるSランク冒険者・・・SNSで噂で専門サイトもあるすごい冒険者。赤髪の龍って言われてる人・・・なんで乙姫に従ってるの?・・・)


ルルナがまた小声で言ったぅ~!


どうも20人を取りまとめているSランク冒険者は相当強いらしいぅ~!


僕は気をつけようと思ったぅ~!



グラウンドで僕乙姫セリカと今、交渉してるぅ~!


「うふふ~♥ 愛してるんです~♪ 好き♥伊藤くん~♪♥ あなたを手に入れるため~♥には私はなんだってします♪ そのために、好き♥伊藤くん 今、学園の生徒たちを人質♪♪♪に捕りました~♪ さあ、私のもとに帰って~♪来てください~♥♪♪♪ 好き♥伊藤くん」


「それはできないぅ~! 学園の生徒さんたちを人質に捕るのは最低だと思うぅ~! アイドルとしてそれはやっちゃならないことじゃないのかぅ~!?」


「うふふ~♥ 私は手段を選びません~♪♥ あなたの愛を得ること~♪♪ 好き♥ 伊藤くんが私にとっては重要なことなんです♪ 伊藤くん♪ 好き♥ 手段を選ばない女の覚悟味わってみてください~♪♥ 好き♥伊藤くん」


だから、グラウンドで乙姫セリカと今、交渉してるぅ~!


「あなたの元に帰ると怖いことされるから嫌だぅ~!」


「うふふ~♥ 痛いことはしません~♥♪ 好き♥伊藤くん ただ、本当の愛をあなたに私が教えてあげるだけで~♪♪♪♥ 好き♥伊藤くん」


「絶対イヤだぅ!!! あなた酷いことばかり僕にするぅ~!」


「うふふ~♥ それは私があなた!好き♥伊藤くんを愛してるからです~♪♪♪♥ 好き♥ 本当の自由~♪と幸福な日々を私があなた!好き♥伊藤くんに教えてあげたいんです~♥♪」


ルルナが入って来て小声で僕に言ったぅ~!


(・・・このままじゃ平行線よ。隆起。人質を解放するための条件の交渉をしましょう・・・)


(・・・わかったぅ~!・・・)


僕は乙姫セリカと慎重に交渉したぅ~!



「あなたの元には戻れませんが、なにか僕を解放する以外で条件を提示してくださいぅ~! とりあえず、女の子の命を人質に取るのはアイドルとして外聞が悪いはずだぅ~」


乙姫セリカは笑って拒否したぅ~!


「うふふ~♥ 何度も言いますね~♪♥ 好き♥伊藤くん 今の私にとってアイドル~♪♪としての外聞は気にならないです。あなたを手に入れることができるならばなんでもします~♪♥」


うっ、難しい交渉だぅ~!


僕はちょっと考えながらさらに突っ込んで交渉したぅ~!


「このままだとあなたは僕を自由にできるかも知れないけどぅ~!、僕の心は手に入らないぅ~! あなたが僕を欲しいのなら、女の子たちを解放するぅ~」


乙姫セリカが笑ったぅ~!


「うふふ~♥ あなたを捕えればどんな風にだってあなたを変えることができます♪♪♪ 好き♥伊藤くん あなたを壊して、私しか考えられないように~♪♪することも好き♥ できますよ~♥♪」


「困るぅ~!!! 僕は絶対拒否ぅ~!!! 徹底抗戦ぅ~!!!」


「うふふ~♥ おや? 交渉は決裂ですか~♥? 好き♥伊藤くん それじゃあ、女の子たちのために~♥ 投降してもらえますか~♥?」


乙姫セリカはそういうと、ちらりと鬼龍院隼人の方をみたぅ~!


「・・・殺せと言われれば、一瞬で殺せるが、もう少し話し合ってみてはどうだ? あんたはそのコゾウを心からものにしたいのだろう・・・俺としては、Sランク冒険者として女を人質に取るのは気が進まん。もう少し、話してみるといい」


以外にも鬼龍院隼人がそんなことを言ったぅ~!


「うふふ~♥ まあそうですね~♥ 好き♥伊藤くん そういうのもゲーム~♪♪♪のひとつと思えば楽しそうです~♥ 伊藤くんが私を楽しませて愛~♪を深めてくれるなら~♥ もう少し交渉してもいいかも知れませんね~♥ 好き♥伊藤くん」



以外にもボディーガードの鬼龍院隼人に助けられて、僕はまだ、乙姫セリカと交渉しているぅ~!


(・・・うぅ~! なんとか女の子たちだけを解放したいぅ~!・・・」


僕はとんでもないことになったと、自分の中で完全に困ってしまっていた。そこに助け船を出したのは、他でもない。乙姫セリカだったぅ~!



「うふふ~♥ ねえ~♥ 伊藤くん~♥ 好き♥ 私は女の子たちを解放~♪してもここは退いてもいいと思っているんです~♥。ただ、条件があります~♥」


「・・・なんだぅ~!・・・」


「うふふ~♥ 伊藤くんが~♥テレビで私との婚約発表~♪♪をすることです~♥~!


えええええええええぅ~!


「ちょっと!!! どういうことっ。冗談じゃないわよっ。なんでそんな話になるのっ。意味がわからないんだからね」


「うふふ~♥人質を解放~♪♪したいんですよね~♥? 伊藤くん~♥ 好き♥ 条件を飲んでください~♥」


「うぅ・・・それはぅ~!・・・」


「私は20人の人質~♪がいるんですよ~♥? 好き♥伊藤くん」


「わかったぅ・・・・」


ルルナが叫んだぅ~!


「ダメっ。絶対ダメだったらっ。婚約なんて私が許さないんだからねっ。絶対ダメなんだからね。隆起ぃーーーーー。絶対ダメぇええええええ」



そこで、僕はテレビカメラの前で、乙姫セリカと婚約を発表することになったぅ~!


「僕ぅ~!・・・乙姫セリカさんと婚約しますぅ~・・・」


カメラのフラッシュが炊かれて、その日、僕は思い切り、テレビの芸能記事で有名になってしまったぅ~!


逃亡者伊藤。30億の借金相手乙姫セリカと婚約する。僕はまたバズったぅ~!


僕はそこでさらに有名人になったぅ~!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る