おまけ

◇秘密主義→目を逸らしてみたものの(異世界にて再会直後)◇


「まさか、また会えると思わなかったから。あのさ、義弟の病院の件、花茎が気にかけてくれていたから、いい先生に診てもらえたよ。その節はありがとな」

「……私は何もしてないわ」

「いや、島田から聞いてるから。ありがとう……」

「……いいのよ。それで、心君の傷痕は?」

「綺麗に治った」

「そう、よかったわ」

「ほんとに花茎のお陰だ。ところで俺の義弟の名前を知ってたんだな?」

「……ええ、まあ」

「ん?(なぜ目を逸らされたんだ?)」



◇秘密主義→色々と内緒にしていることがあったのよね(高校時代を遠い目で振り返る)◇


「羽美さん、どうぞ」

「心君、元気だった?」

「はい。今日はわざわざすみません。柚鈴が無理を言ったみたいで」

「いいのよ、勉強を教えるくらい。それより柏田君は?」

「義兄は図書館に行ってます。夕方までは帰ってきません」

「そう。じゃあ……」

「義兄から借りて、小・中学の卒アルを用意しています。柚鈴の勉強が終わったら、みんなで見ましょう」

「ふふっ、楽しみだわ」


 三人は柏田の預かり知らぬ所で、大の仲良しになっていたのだった……。

 ちなみに出会いはバイト先の喫茶店、柏田が産業ロボット中に仲良くなった。



◇秘密主義→それはもう色々と(高校時代をまた遠い目で振り返る)◇


 野球部女子マネージャー会議。

 会議場所、某喫茶店。

 参加者は


 三年 白樫シラカシ 咲子サキコ

 二年 春日カスガ メグミ

 二年 吉田ヨシダ 寧子ヤスコ

 一年 本庄ホンジョウ 涼香リョウカ

 

 二年 花茎コアラ 羽美 ← ココ


白「最近……野球部全員あの方達……道具の手入れを自分達でしたがるのよね……「柏田君、褒めてくれるかな?」とか思い出し笑いしながら……」


春「はい……。あと、部室の掃除も小まめにしてるんですよ……。三年の先輩まで……率先して「俺達で柏田君の負担を減らさねぇと」とか言いながら……」


吉「あと、夜練の時に動画を撮り合ってましたよ。「早速、柏田君に送るんだー」とか「ちょっ、待てよ!俺が先だし」などきゃっきゃしながら……」


本「そうなんですか……。そういえば最近、試合前の買い出しとか「荷物重いだろうし、俺らが行くから!」って代わってくれるんですよ……」


白・春・吉・本


「「「「はぁ……」」」」


白「ワタクシも……柏田君に「白樫先輩、バットの磨き方が上手くなりましたね」とか褒められたいのにぃぃぃぃぃぃ!!そして、あの時みたいに頭を撫で撫でしてくれてもよろしくてよーーーーーー!!」


春「私も……部室をピカピカのピカピカにして柏田君の負担を減らしたいんだからぁぁぁぁぁぁ!!あと、たまにでいいから……また一緒にお掃除したい……(ゴニョゴニョ)」


吉「あたしもです!!「吉田さんの撮影する動画は編集しやすいな」ってまた歯に噛むように言われたぃぃぃぃぃぃ!!あわよくば、柏田君と一緒に夜の撮影会がしたいです!(部員が邪魔だけど………………)」


本「先輩方は……まだいいですよ……柏田先輩との思い出があって……。私なんか、何もない、思い出がないです……。一度でいいから……柏田先輩と一緒に買い出しに行きたいです……(切実)」


コアラ「色々と……大変そうね……」


 柏田の預かり知らぬ所で、なぜか毎回、野球部女子マネージャー会議に同席させられるコアラさんマスコットだった。

 ちなみに柏田はその頃、パートさん達と一緒にホールの風になっていた。



◇秘密主義→そして今も色々と内緒にしていることがあるのよね(聖女のお仕事を遠い目で振り返る)◇←後日談


「聖女様の仕事って、例えばどんなことをするんだ?」

「(十年間ほど)眠っている間に大規模な結界を大陸中に構築するの」

「(夜、寝ている間に結界を創り出せるとか)君には天職じゃね?」

「そうかもしれないわね(でも……十年間は聖堂から身動きが出来ないのよね。その後、目覚めてから一年間は周辺諸国への訪問が続く為、多忙になり、その後また十年の眠りに入るを過去四回経験したけれど疲れたわ。でも眠っている間は、年も取らないからあなたに……あまり変わらない姿で会えたのだけれど)」

「ん?(なぜ目を逸らし続けるんや?)」





 だけど……今は……。


 柏田君、あなたが側にいる。


 私の手が届く場所に。




 だから、私は腕を伸ばす。




「(大規模結界の維持の為に、今は無理をしているのは確かだけど)冷たい聖堂で眠るより、柏田君……あなたの腕の中で眠る方が、私は幸せだわ……」




 あなたは、私の言葉に耳先を赤くして――困ったように笑う。



 私は……。



 もっと困らせたくて――あなたの耳元で「レーナが眠っている間に」と囁いた。




 


『美人ギャルからの相談に乗っていただけなのにいつの間にかガチ恋されていた件』おまけ→おわり。


 




 ◇◇◇



「おまけ」までお読みいただいた読者様に感謝を申し上げます。

 ありがとうございました。

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

美人ギャルからの相談に乗っていただけなのにいつの間にかガチ恋されていた件。 まかろに @panyorigohan8

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画