第29話 嫁の歪んだ愛と女神様

 アイside

 夏輝の惚けた笑みを見てアイは後ろに退く。


「夏輝さん、蓮からプロポーズ話を聞いたんですが」


 アイは渋い表情をする。


「あら、聞いてたんだ」


 夏輝は顔を赤くして惚けた笑顔にならろ回りの空気が変わる感覚をアイは感じた。


「蓮のプロポーズって夏輝さんからしたんですか?」


 アイは複雑な表情を見せて夏輝の惚けた笑みを覗き込む。


「ええ、そうよ」


 夏輝は惚けた笑みで答える。


「……逆プロポーズしたんですね」


 アイは無表情で夏輝の目を見る。


「ダーリンが奥手だから逆プロポーズしたんだよね」


 笑みを浮かべて夏輝は答える。


「ちなみに逆プロポーズって逆壁ドンして首筋に刃物を当ててしたんですよね?」


 アイは夏輝の目を覗き込む。


「ええ、そうだよ」


 笑顔で夏輝は答える。


「どうして、そこまでしたんですか?」


 アイはどうしてそんなことをしたか気になり夏輝に聞く。


「本音を吐かせるためかな」


 夏輝は真剣な表情でアイに話をする。


「本音?」


 アイは複雑な表情になる。


「……ダーリンは結婚する気も誰とも付き合う気がなかったのよね」


 夏輝は悲しい表情になる。


「え?」


 アイは驚く。


「ダーリン、女性恐怖症だったのよ」


 夏輝は暗い表情で話をする。


「え!?」


 アイは声を出して驚く。


「ダーリン、気配り上手なんだけど、なんだか遠くに距離を感じたのよね」


 夏輝は複雑な表情になる。


「蓮だよね?」


 私の想像する蓮とは違う印象になり複雑な表情にアイはなる。 

 

「ダーリンはいつでも離れられる距離感で人と関わっているのよね」


 夏輝はアイの表情を見る。


「……」


 アイは無言になる。


「だから、自分なりの方法で聞き出したのよ」


 夏輝はアイの目を見る。


「……」


 アイは何も言えないまま夏輝の話を聞く。


「やっとダーリンから本音らしいことを聞けたのよ」


 アイは笑顔になる。


「そこからは、ダーリンに押せ押せ攻撃して結婚した感じだね」


 夏輝は惚けた笑みを浮かべる。


「なるほど」


 アイは無意識に後ろに退いた。


「あ、そうだ、アイちゃん、影森君を起こして来たら」


 夏輝は話を変え始める。


「え?」


 アイも戸惑った表情を見せる。


「なんだったら寝顔を見るチャンスだよ」


 夏輝はアイの背中を押して影森君の寝ている場所に連れて行こうとする。


「ちょ、ちょっと夏輝さん」


 アイは慌てた様子を見せる。


「それじゃあレッツゴー」


 影森がいる部屋のドアを強引に開ける。


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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

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