第28話 黒い笑顔と医者の嫁

アイside

 朝になりアイは早くに目が覚める。


「おはよう。アイちゃん」


 夏輝がアイに声をかける。


「お、おはよう」


 昨日の空気とは全然違い構える様子なく寝ぼけた様子で挨拶する。


「アイちゃん、ごめんね勝手に部屋使って」


 夏輝は頭を下げる。


「……ええ」


 どう反応すれば良いかわからない様子で返事をアイはする。


「部屋は掃除の業者さんを呼んでね」


「え?」


「ダーリンと私の体液とか匂いするからアイちゃん掃除するのは嫌でしょ」


 笑顔でご機嫌そうに夏輝は言う。


「……それはね」


 アイは蓮と夏輝が何をしたのか想像し始める。


「あら、アイちゃんもダーリンと何があったか興味あるの?」


 夏輝はアイの目を覗き込み近づいて来る。


「ふぇ?」


 急に近づかれ変な声をアイは出す。


「まあ、アイちゃんの年齢だとどんなことあったか気になるよね」


 夏輝は笑顔で話をする。


「……気になりませんし、そもそも私の部屋を汚さないでください」


 アイは顔を赤くしながら怒り口調で話をする。


「アイちゃん気になるなら参考程度に教えようか?」


 アイの目を夏輝は覗き込みながら話をする。


「……気にならないし大丈夫です」


 アイは顔を赤くしながら首を横にふる。


「アイちゃん、あなたも影森君とそのうちなるんだから聞いておいたほうが良いよ」


 夏輝はニヤニヤとする。


「絶対に影森君とはそんな関係にはなりません!」


 慌てた様子で否定をアイはする。


「絶対はないからね」


「どうしてそうなると思うのよ」


 怒り口調で夏輝に話をする。


「え?女の勘かな?」


 夏輝はふわっとした柔なか表情になり答える。


「……勘なら当たらないわね」


 夏輝の表情を見てアイは答える。


「ええ、私の勘は当たるよ」


 夏輝は笑顔で自信のある声で答える。


「……参考程度に過去に当たったことって何?」


 夏輝の目を覗き込む。


「ええ、それはね」


 夏輝は少し間をあける。


「……」


 アイも答えが来るのを構え始める。


「ダーリンと結婚したことかな」


 夏輝は惚けた笑顔で答える。




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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

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