第25話 医者と2人の女神、魔王様との電話

 蓮side

 部屋でれんはイライラした様子で書類をみていると、アイと雪花せつかがノックもせずに入って来た。


「やあやあ、雪花ちゃん、アイちゃん」


 作り笑顔で蓮は声をかける。


「……蓮、怒ってる?」


 蓮の表情を見てアイは話をする。


「別に怒ってはないかな」

「目元がびくびくとひきつってるよ蓮」


 雪花が話しに入る。


「……ああ、怒っているさ」


 蓮は笑顔を崩す。


「蓮も温和そうに見えてすぐ怒るからね」


 雪花は歪んだ笑顔で蓮の目を覗き込む。


「……それで雪花ちゃん、アイちゃん、ノックも無しに入って来て何のようかな?」


 アイ、雪花を見て蓮は話をする。


「影森君について話をしたいんだけど」


 アイが話を切り出す。


「ふむ、影森君についてね」


 蓮はアイを見始める。


「影森君、一瞬ではあるけど感情が見えたんだよね」

「……そうか」


 蓮は冷めた反応をする。


「蓮、反応薄いね」


 蓮の目をアイは見る。


「まあ、実際に見ていないからね」


 蓮はアイの目を見返す。


「じゃあ、蓮も今度一緒にいて欲しいかな」


 アイは笑顔で蓮を見る


「……うん、わかったよ」


 複雑な表情を蓮はする。


「アイちゃん影森君のことで気になることあったんだけど」


 蓮はアイに聞く。


「うん?何かな?」

「影森君の情報は他にあったりするかな?」


 蓮はアイの目を見る。


「資料はそれで全部だよ」

「本当?」


 蓮はアイの目を覗き込む。


「嘘つく意味も隠す意味もないでしょ」


 怒り口調でアイは答えると蓮は携帯を出しどこかに電話をし始める。


『ハロハロー』


 電話から女性の声が聞こえ始める。


「ヤッホー霊歌ちゃん」


 蓮も元気な声で挨拶を返す。


『夜遅くにどうしたのかな?蓮』


「影森君のことで聞きたいんだけど良いかな?霊歌ちゃん」


『あら?アイちゃんに資料渡しているのに何で聞くのかな?蓮』


「いやあ、だってねえ霊歌ちゃんだからね」


『……わたくしだから何かあるのかな?』


『霊歌ちゃんいじわるだからさあ、資料全部渡していない可能性があるか。嘘付いてるかなと思って電話したんだよね』


 電話越しからアイ、雪花の空気が変わった。



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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

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