第24話 女神様と目に光を灯す人形

「………?」


 目を覗き込んでいるのを影森は不思議そうにアイを見る。


「影森君?」


 影森に近づきアイは目の奥底を覗き込む。


「………?」


 覗き込まれているのを影森は無反応でじっと立ち止まる。


(気のせい?一瞬だけど目の光が見えた気がしたんだけどね)


 アイは影森の目を見続ける。


「………?」


 影森は無反応でアイが覗き込んでいるのを待っていた。


「え?」


 影森君との距離がかなり近くにいることに気付きすぐ離れた。


「………?」


 アイが離れたことが良くわからない様子で影森は見る。


「……まだ、食べる?」


 顔を赤くしながら影森にアイは声を掛ける。


「………」


 影森は無言で首を横にふる。


「明日からは頑張って食べなさいね」


 怒り口調でアイは話をする。


「………」


 影森は無言でうなずく。


「それじゃあ風呂に入ってきなさい」


 アイは影森の手を掴み立ち上がらせて引っ張っていき風呂場に案内する。


「あ、あの」


 アイに声を掛けて無意識に影森は足に力を入れる。


「どうしたのよ?」


アイは影森の目を覗き込む。


「……お風呂は……入りたくない」


 影森は無意識に震えた様子になる。


「うん、それならしょうがないね」


 アイは素直に納得する。


「………」


 影森は元の場所に戻ろうとするとアイの掴んだ手を離そうとしなかった。


「せめて頭だけ洗いたいから私に洗わせてくれないかな?」


 アイは影森の目を真剣な表情で覗き込む。

 

「………」


 影森はアイの真剣な表情を見て無言で素直にうなずく。


「それじゃあ洗面所、行くよ」


 洗面所に影森を連れていき椅子に座らせてお湯をかけて頭をアイは洗った。


「よしよし」


 アイは影森の頭を洗って満足そうに笑みを浮かべる。


「………あ、あり、がとう」


 震えた様子で影森はお礼を言う。


「次は顔も洗っていいかな?」


 アイは影森の目を覗き込む。


「………」


 震えながら無言でうなずく


「大丈夫、怖くないから」


 アイは落ち着いた声で影森に声を掛ける。


「………」


 アイは影森の顔に石鹸をつけてシャワーで流していきゆっくりと洗っていった。


「終わったよ」


 アイは優しい声で影森に声を掛ける。


「あ、ありがとう」


 影森はお礼をする。


「さて、後は歯磨きして寝なさい」


 アイは歯ブラシを渡す。


「………」


 無言でうなずきゆっくりと歯を磨き始める。


「それじゃあ、そこの使ってない部屋で寝てね」


 アイは影森に声を掛け部屋に案内する。


「………」


 影森はうなずく


「それじゃあ、今日はゆっくり休んでね」


 アイは笑顔で話をする。


「………」


 影森はうなずく。


「それじゃあ、お休み」


 笑顔で影森の目を見て挨拶する。


「……おやすみ」


 影森は部屋に無言で入る。




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 どうも作者です。


 もし良かったら新作「感情を失った少年と女神。あなたの時間(人生)をいただきます」も連載していますのでよろしくお願いします。リンク↓です。

https://kakuyomu.jp/works/16817330667321843534

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