第8話 ダンジョンとオフ会2

 必要な装備品をどこに買いに行くべきか?

ちょっと悩んだ後に、素直にネットで調べてみることにした。


 ダンジョン用の武器の御用達はこちら!とか、ダンジョンの武器について調べてみました~云々とか、そういうのを避けて、検索ワードを変えてとやること5分。


 ダンジョン関係の認可が降りている専門店がダンジョン最寄り駅からそこまで遠くないところに建っていることを発見した。


 欲しいものは槍の刃先とグリップ、その他便利そうなものだ。


 店は大きいコンビニのような建物で入店時に資格と身分証の提示こそ求められるものの、中は広く時間帯のせいか人もまばらで色々と見て回れた。


 槍の刃先は比較的直ぐ見つかったものの、割とお高い金額だったので保留。安物を買って直ぐ折れるよりは良いけど、1万円を軽く超えているのは懐事情には少し厳しいな。


 なんせダンジョンでは今のところ稼ぐどころか出費ばかりなので、購入費用は抑えたいところ。


 槍の持ち手に巻くグリップは少し悩んだが3割引の在庫セールのカゴに入っていたピンク色のものを購入した。

 

 それと、投げもの用の釣るしベルトというものがあったのでそれも購入した。


 これに調合用のすりこぎとすり鉢でお財布は薄くなってしまったけれど、買うべきものは最低限買えたので問題無いだろう。


 時間もあったので何か面白いものとか無いかなと店内を巡ると、手裏剣とかクナイとかも売っていた。他にも新品なのにボロい胴着とか、ヌンチャクにトンファーなどなど……ここらへんはネタなのかガチなのかは悩ましいところだった。


 帰宅したら諸々を済ませて、リュックに荷物を詰めておく。当日忘れるなんてだいぶ恥ずかしいからね。


 それと、次元収納からオレンジを出して、爆発しないように処理していく。


 自宅には取っ手付きの小さな鍋しかないので複数一気には処理できないので時間が掛かる。まあ無理にやって爆発でもされたら後片付けが大変なことになるし、ケガするかもしれないからね。


 この処理したオレンジがどのぐらいで傷むかは未知数なので食べるにしろ材料にするにしろ、さっさとやってしまいたい。この手間があるから、オレンジ取ってる人を全然見掛けなかったんだろうな。


 オレンジの処理が半分ほど片付いたので、後輩の親の料理人にオレンジの調理をお願いした件が割と好印象で帰ってきた上に、いつでも持ってきてくれて良いとのことだったので、痛まないうちにという名目で持っていくことにする。


 とはいっても、相手は仕事中なため、家に届けて、後日に調理して貰ったものを受け取る形になる。


 まあ後輩の面識の無い親相手に果物を上手く調理してなんて、良く話が纏まったなあって感じだ。


 一応買ってきた保冷バッグにドライアイスと共に3個ほど入れて、手渡す。


 いやー久々に会う後輩にどう話を切り出していいか、ちょっと考えちゃったけどなんとかなって良かった。


 オレンジ渡す際に爆発とか大丈夫なんですか?って聞かれたけど、処理にコツがあって、正しい手順を踏むと安全になるとかちょっとドヤったりとした。


 自分の発見でも無いことでドヤると、後から恥ずかしい思いをするなと部屋で反省するのだった。


 オフ会までは日も無いし、コミュニティ内での俺はこれを持っていくとか、これが便利とかそういう会話を見つつ、自分でも書き込んでいく。


 それにしても、僕らはお互いの顔も名前も、性別や年齢さえも知らないけれど、上手く合流出来るんだろうか?


 多分同じ考えの人と、気楽に考えている人とか差はあるけど、割と長い付き合いだから何となく大丈夫そうというなんだかちょっと恥ずかしい信頼がある。


 楽しみなようで緊張するような時間はあっという間に過ぎて、当日になった。


 つまりは、オフ会開催日である。

現地に誰も居ないとかそういうのが起きたら人間不信になりそうだ。

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