第3話 災難の予感

 瞳から能力を奪った日以降、僕もよく災難に遭うようになった。

それに今も、災難に遭いかけている。

何故なら今、瞳が僕に


「今日、私の家に来ない?」


と言ってきたからだ。

現在は放課後、僕は考えた。瞳の家に行ったら間違いなく面倒なことになる

なぜ急に瞳がこんなことを言ってきたのかは知らないがここは丁重にお断りさせていただこう。


「ダメ?」


瞳が上目遣いで僕に聞いてくる。そんな顔をされると僕も断りづらく、渋々了承するのだった。


 「なんで僕を家に呼んだんだ?」


瞳の家に向かう途中、僕は聞いてみることにした。


「私の能力を奪ってくれたことのお礼をちゃんとしてなかったからね。」


「お礼?僕が勝手にやったんだから別にそんなものいらないんだが……」


「私がお礼したいの!それに来てくれると長く一緒にいれるし……」


最後の方はちょっとよく聞き取れなかった。


「着いたよ!ここが私の家!」


瞳が指を指した方向には巨大なビルが建っていた。


「おいおい、ビルじゃないか!すごいな……何階なんだ?」


「何言ってるの?全部の階だよ。」


僕は耳を疑った。


「おいおいおいおい、今全部って言ったのか?冗談はよせよ。」


「冗談じゃないよ。言ってなかったけど私のお父さんは社長なの、しかも世界的な企業の。」


僕は驚愕した。

今まで普通に関わってきたやつが社長の娘だったんだからな。


「さあ、入って入って。」


「本当に僕なんかが入っていいのか?」


「いいのいいの。それに今はお父さんもお母さんもいないし……」


「じゃあ君1人ってこと?」


「いや、私専属のメイドがいるから……」


瞳がそういった瞬間、瞳の隣に如何にもメイドという感じの服を着た女性が現れた。


「なっ!いつの間に……」


「瞳様から話は聞いております。あなたが涼風さんですね?」


「あぁそうだ。僕が涼風杜庵だ。君は?」


「私は笠木舞香と申します。瞳様のメイドを務めさせてもらっています。あと、瞳様、少しお時間よろしいでしょうか?」


舞香はそう言い終わると、

瞳を連れて部屋を出ていった。

取り残された僕は、何もすることがなく、ただ呆然と立ち尽くしていた。


 私は、舞香に連れられ、別の部屋に移動してきたいた。部屋の扉を閉めると、

舞香は私に聞いてきた。


「杜庵さん、いい感じの人じゃないですか。これなら瞳様が好きになるのもわかります。で、まだ告白してないんですか?」


「こっ告白?!無理だよ私には……それに、杜庵は私を恋愛対象に入れてないだろうし……」


「瞳様、ネガティブになってはいけません。それに、今日は少しでも杜庵さんの恋愛対象に入れるように勇気を出して家に誘ったんでしょう?」


舞香は私の事をサポートしてくれている。

今回、家に誘おうという案を出したのは舞香だ。


「そうだけど……」


「私も全力でサポートしますから。それに、早くしないと私が杜庵さんを取っちゃうかもしれませんよ〜」


「それだけは絶対だめ〜!」


「っとそろそろ戻りますか、杜庵さんを待たせるのも悪いですしね。」


「そうだね。戻ろうか。」

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