第5話 ごはん

「おはよー」

「おはよー」

「今日の朝ごはんはなにー?」

「目玉焼きとー」

「ベーコンでしょー」

「あとオロオロ虫の丸焼き!」

「ムチ実のはちみつ漬けもあるよ!」

「わー!」「わー!」

「おいどん、朝からお酒を飲むでごわす」

「「「よせ馬鹿!!!」」」



「……いつもこんなにうるさいのか?」

「あれだ、『女三人寄れば姦しい』、って言葉がある」

「三人じゃないだろ。十二人だろ」

「私含めて十三人だな。さ、君も食卓に着き給え」

「……俺には味覚がない」

「一応君の分の食事は用意しているが」

「……部屋で食う」

「そうかい」



「やれやれ、あの賞金稼ぎくんにも困ったものだなあ。どうもこちらとコミュニケーションを取ろうとしない。せっかく声帯を取り付けてやったのに」


「おんなじ顔がいっぱい並んでるからかなー?」

「よく不気味って言われまーす。きゃはははー」

「ちったぁ差別化でも図ってみる? 頭にリボンつけるとか」

「あたしフリフリのドレス着たーい」

「あたし男装したい!」


「こーら諸君。そんなアイデンティティ作り上げる前に筋肉と知識付けなさい」


「横暴じゃ横暴じゃ~」

「変異体だからって調子乗りやがって~」


「もう。その変異体を目指すんだろ? 頑張り給えよ」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る