第2話 朝ごはん

 おはようハンターさん。ご機嫌いかが? よく寝れた?

 そだ、ちょっと顔見せて。

 お口ある? ちゃんとご飯食べられる?


 ▷俺は顎を下ろして、口の中を見せてやる。


 お〜、大きい! なんか犬みたいなお口ね。


 ……ん? マスター? あの人なら今食材買いに行ってるよ。貴方のご飯を作るためにね。

 ええっ!? いらないのぉ!?

 食べてってよぉ〜、マスターの作るサンドイッチ美味しいんだから〜〜。

 ね、マスターが帰ってくるまでお話しましょ!

 こっち座って! ほら!


 ▷穴の空いたソファに座らされる。悪くはないが、良いとも言えない。

 ▷隣に娘も座ってくる。


 ねぇ貴方っていくつ?

 あ、待って当てる。

 ん〜……、こんな辺境でも有名なんだから、もしかして稼業を長く続けてるんじゃない? だったら、三十か四十代ぐらい? どうかな。


 わ、面白い! 顔に数字が浮かんでる。

 ……ひゃ、百七十年? おじいちゃんでしたか〜、びっくり〜。

 ああそっか、サイボーグならそんくらい長く動けるか。脳味噌は種族にもよるけど。


 え、あたし?

 あたしたちクローンガールズは、みんな最初は十六歳。

 あたしは十八。

 どう? 他のあたしと比べて長生き?

 ええと、……会話を、したのは、アンタが、始めて。

 へえ! あたしたちが販売されてから七、八年は経ってるのに? 自分で言うのもなんだけど、あたし案外汎用性あるから結構あちこちにいると思うんだけど。

 カラフさんって、さてはコミュ障〜? あはははっ。


 あ、マスター帰ってきた! さあさあ朝ごはんにしましょ!

 ……え? そもそも味が分かんない? 味覚を……、切り捨てたから!?

 うっそ、じゃあ引き止めた意味ないじゃーん! 早く言ってよー!


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