第7話 この学校にはヤバイ教師しかいない!

それからなんとか誤解を解いて、いつも通りの日常に戻った。

というか、なんか人少なすぎないか?

この前の授業で、停学者が何人か出たとしてもこの少なさは可笑しい。


「じゃあHRを始める、先ずお前らの体育着が届いてるから配るぞ」


『先生、なんでこんなに人が少ないんですか?』


「いや、これでも多いほうだと思うんだがな」


は?

どうゆうことだ?

考えられるのは何かの規定に引っかかったからとか。

それか、教師が判断した奴以外は他のクラスに落とされたかだ。

「鈴花、どうゆうことだ?」


「なに、簡単な事だ。

お前らは昨日の放課後、何か良い事をしなかったか?」


そういう事か!

俺は昨日 あむ を助けた。

あむ は動画を出して人々を癒した。

良は俺の世話をした。

堀塚や他の奴らは分からんが何か良いことをしたのだろう。


『たしかに、俺は昨日ヒョロヒョロの猫にエサやったな』

「私は公園のゴミ拾いをしたよ!」


菊池、俺に数学を聞いてきた女じゃねぇか、まさかあいつまでいるのは驚きだ。


「まあ、そういう事だ。

お前らのプライベートは家の中以外は保証されない。

照先生が言っていただろうがこの学園はいらない人間を排除して進学率が高くなっている、1日1偽善もできないやつが社会に出たら、この学園に泥を塗られてしまうからな」


なるほどな、人間性も育てるということか。


「まあ、話はこのくらいにして体育着を配るぞ。

次の授業は体育だから今着替えろ」



『先生、女子更衣室ってどこですか?』


「ああ、今準備する」


鈴花が持っていたボタンを押すと黒い壁が綺麗に男子と女子の間に現れた。

これは石魔法、ウォールか?


〜この壁は特別な素材でできており、音すら通さない、勿論並大抵の力じゃ壊せないし、相手が見えることはない。

私は5分ほどしたら戻ってくる、女子が着替え終わってない場合はこの壁を片付けないが男子は別に良いだろう〜


鈴花の声がそれぞれの空間にあるスピーカーから聞こえる。

ん?今なんて?『男子は別に良いだろう』ってあいつ…ていうかそんな事よりもあいつ、なんかキャラ変わったか?

あいつなら仕切りなしで着替えろとか言いそうだが…まあ良いか。


それから5分以内に男子は着替え終わり、鈴花が来たときには全員着替え終わっていた。

あいつなら着替えてる時に「うっかり」とか言って仕切りを無くしそうだが、やはりあいつなんか可笑しくないか?


グラウンドへ出ると一人真ん中にボロボロの服装で佇むイケオジがいた。

まあ俺には及ばんがな。

「何してるんだ?オッサン」


「オッサン!?私もそんな年に見えるようになったか、春休みの間ここで私に手を差し伸べてくれる女の子を待っていたのだが…来ない!」


「そりゃそうだ、先ず服装どうにかしたらどうだ?

それに臭いぞ」

なるで、生ゴミだ。


「君、ナンセンスだね、この臭さでも助けてくれる人こそ人として出来てるってもんなんだよ。

君に関しては話しかけてくれたから停学は無しににてあげるよ」


えっ!

こいつ教師だったのかよ!


「北川君、こんなゴミグスほおっておいて早く体育の先生来るの待と!」


「おい堀塚、多分だがこいつが体育教師だ!」

心が読めて一番感情には敏感なはずだが、なかなかに失礼な発言するなぁ。

それにこいつはヒョロく見えるが、骨格からして筋肉質な骨格で極限まで筋肉を鍛えたものにしか分からん顔をしている。

俺も昔なったことがあるから分かる、この後は衰退していく一方であり維持するのに地獄のようなトレーニングをしなければならない。


「その通り!私が体育教師、内田 守だ!

他の教師と違う事は筋肉と女を一番に思うところだ!」


キッモ!

こいつまでこっち側の人間だったのかよ!

この学校にマシな教師は照しかいないのか?


「「「「「キッモ!」」」」」


まあ、当然だな。


「良し、じゃあ授業始めるぞー」


こいつメンタル鋼かよ。


「一学期やる競技は筋トレだ!」


「は?それもう競技じゃねぇよ」


「君、ナンセンス。

筋トレこそ正義!

筋トレが出来ないやつはだいたいろくな奴じゃない」


「先生、偏見強いですよ?」


「じゃあ先ず腕立て!

私が良いと言うまでだからまあ取り敢えず授業終わる位までだ。

途中で辞めたやつは停学ね?

まあ私もやるから私に回数勝ったものが一人でもいたら停学の件は無しだ。」

「それではよーい、始め!」


ふっ、腕立てか。

得意だが、腕を怪我してるからなぁ。

そうだ!人差し指ですれば良いじゃないか!





_________________

"キーンコーンカーンコーン"

「残ってるやつは…君だけか、北川。

まあ、私にはなしかけたのは君だけだから君が残ると思っていたけどね。

さっきまで、鈴花君が飛ばしてた撮影用ドローンがあるから確認して後日、

私に勝ったか連絡するよ」


そんな感じでおかしな変態教師No.2との授業を終えた。

しかし、人差し指だけとはなかなかいい運動になったな。

次は確か…過去を知らぬ学問、現代文なはず…今度こそ真面目な教師、頼むぞ!


「私にあいさつが無いなんて…ウゥ」


「じゃあな変態No.2」


「なんかそれ良いな」


こいつ、ドMかよ。

「堀塚の言ったことは確かだったのかもしれんな、ゴミクズ以外何に例えられるだろうか?」

もしや、魔剣の瘴気がもう破裂寸前まで出てきているというのか!


「でしょ?

それと、まだ魔剣なんか追ってるの?」


「だが、一つ可笑しいのは俺の魔眼が反応していない事だ」


「無視するなんて佐久君酷いよぉ

うえーんうえーん」


こういう時の堀塚はうっとおしい事極まりない、手を打ったほうが良さそうだな。

「おっ良、一緒に帰ろうじゃないか」


「おう!」


これで、堀塚のからかいから逃れられる。

我ながら天才だ!


「ご、ごめんよ、私が悪かったから本気で無視しないで」


「……………………」

こいつはこれくらい無視しないと反省しなそうだからな、これも教育のうちだ。

我慢、我慢………


「ちょ、ちょっと!」


「おっと、休み時間が15分だとしても女子は着替えるのに時間かかるだろ?

走れるか?」


「大丈夫、それに佐久君に心配されたらもう………」


ああ、こいつも性格に難ありだったな。

「取り敢えず教室までダッシュだ!」


「えっまた、お姫様抱っこなんて…もう恋人だ、よね?」


何でも良いから取り敢えずここから離れたい!


シュン


「良し、着いた一番のりだから取り敢えず皆が来るのを待とうか。

そうじゃないとウォールを発動した時に取り残されてしまう奴がいるからな」


「なんで、くるみ を無視するのさ?」


「あいつはあれぐらいしないと反省しない、というかアイツは狂ってる。

人の心が読めるっていうのは一見便利な能力だが、嫌悪感とか様々な黒い感情も見えるということだ。

そんな感情に敏感な筈の人間が人を傷付けたり、苛つかせるような行動をすると思うか?」


「確かに………………」


俺も初めは何も疑問は抱かなかったが、話すにつれあいつの闇が見えてくる。

俺は政府の犬をしていた頃からのクセで相手の目の瞳孔や、手足の動きなんかを見る事がある。

特に気にしていなかったが、さっきので分かった、あいつの話し方はまるで人をバカにし慣れている奴の喋り方だ。

「取り敢えず、アイツと話す時はいつもと同じ様に楽しく、いつも通り接するんだ」


「わかった、それじゃあ私も何かできることがあれば手伝いたいから今日の帰り一緒に帰らないか?」


また、色々手伝って貰いたいしな、

「そういう事なら分かった」


「そういう事ならって何だ?」


「だってお前、変態だろ?」


「まあ、否定はしないけど…約束だからちゃんと一緒に帰れよ!」


自覚があるなら辞めてほしいのだがな。



それから皆が揃うと同時に脱力しきったような顔の鈴花が来てウォールを設置していった。


『お前、スゲーな北川!』


「確かお前は…猫にエサやりをして生き延びた奴だったな。

それで、何が凄いんだ?」


「『猫にエサやりをして生き延びた奴』じゃなくて小川 ゆきと だ

ってそんな事よりも、お前自覚してねぇのかよ、1時間も腕立てなんて。

しかも、人指し指だけでなんてもう人外だろ?

その上、汗一つかいてない。

それに比べて内田先生はしっかり両手なのに滝のような汗を流してどっちが先生だって感じだったよ」


俺も自覚症状の無い奴の一人だと!

い、嫌だ!

良と一緒にされたくねぇ。

「まあ、邪神を宿した俺にかかれば準備運動にもならんからな。

それはそうとして、悪いが着替えを手伝ってくれないか?

邪神の力を使っても良いのだが力が強すぎて発動した時点でこの学校を破壊しかねんのだ」


「わかったよ」


若干不安そうな顔色だな。

「安心しろ、俺は鈴花の弱みを握っているからもし、着替え終わってなくても脅してウォールを解かせん」


「よかった、もし着替え終わらなかったら醜態を晒すとこだっただったからね」



まあ、そんな心配は杞憂に終わった。


_________________

"キーンコーンカーンコーン"


「それじゃ授業をぱぴめるうぉ、ヒック」


完全に酔っ払いじゃねぇか、この学校の教師採用試験はヤバイ奴しか合格させないのか?

「ほ、」

いや、駄目だ。

今堀塚と話したらあいつの闇を引き出せん。


「ひょうは、ヲレの じこひょうかい をひて、じぇぎぇうををうぇる予定だヒック」

「プロジェクターオン」


そういうと、プロジェクターが天井から下りてきた。

「こ、これは物体操作の一つか!」


「いや、文明の利器でしょ!」


「おお、菊池か。

また分からない事があったのか?」

あいつと話した時に「また教えてね」的な事を言われたからな、俺に話しかけるということは質問ということになるはずだ。


「もう、私が話しかけたら絶対質問って思わないでよ!

私だってこれでもSクラスの一人なんだから」


そう言うものなんだろうか?

俺は利用される以外の関係しか分からんからな。

「それはすまなかった」


「いや、全然大丈夫だよ。

初めに話しかけた時は質問だったし」


「というか、気にしてなかったが俺の隣の席がお前だとはな」

俺は一番左角の席だ。

だからあまり話しかけられることはない。


「えっ、きづいてなかったの!」


「すまないな

それより、あいつの言ってること分かるか?」

堀塚のように何か能力を持っている可能性があるからな。

しかし、良の料理は美味かったな。

良の能力が料理の美味さと考えるとこのクラスには能力持ちの人間ばかりが揃っているという事になる。


「まあ、なんとなくなら分かるかな?

私は1回聞いた言語はなんとなく理解できるんだ、まあ喋れたりはしないんだけどね。

皆とは比べ物にならないくらい劣ってるよ」


俺は全ヶ国語喋れるが、こういう曖昧な酔っ払いの言葉なんかは分からんのだ。

今も現在進行形で酔っ払い語?を喋ってるが何を言ってるか全ったく分からん。

「で、今はなんと言っているか分かるか?」


「うん、『俺の名前は近藤 さとし だ。

俺はどんなものより酒が好きだ。

お前達の成績等どうでもいい、金さえ貰えれば何でも良いんだ。』」


「こいつ、良く教師になれたな。

人間性を重んじている筈なのだがな」


「そうなんだ、私そんなの知らない」


「おうぃ、そこ、さべるな!」


クソが、注意はするのかよ。

酔ってるなら感覚も鈍ってるはずなのに、何故だ?

「取り敢えず俺と友達になってくれ!」


「え!

私は友達だと思ってたよ?」


「そうなのか?

それなら良い。

お前はこれから俺に必要な存在になる。

何かあった時は協力してくれるか?」


「勿論!その代わりまた数学教えてね!

あと、できれば飛鳥って呼んでくれる?」


「ああ、分かった。

これから宜しく、飛鳥」

良し、これでまた良い駒を手に入れた。

いつか、俺が魔剣を手に入れたその日にはこいつら俺の駒を使って俺の村を襲った『ゼルダム』を壊滅させてみせる!







_________________

今回もお読みいただきありがとうございました。


いやー最後のオチが見つからず少し無理矢理感が出てしまいました。

すいません。


最後に!

毎度申し訳ないのですが、★、❤、コメント、フォローお願いいたします!



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