第6話 良は料理の腕前100の達人です。

ふぅ結局入れられちまったな、途中でアソコが隆起しないか心配だったが、

筋肉に力を入れて、血を少量しか通さなかったから大丈夫だった。

「で、お前はいつまでここにいるんだ?」


「えっ?

今日はもう帰らないんだけど。

着替えも持ってきてるし、学校の準備もしてあるから」


こ、これじゃ完全に同棲じゃないか!

「い、いや弟の世話とか何かあるだろ?」


「今日はおばあちゃんの家にいるから大丈夫だ」


クソっ、なんでだよ!

「わ、わかった。

だけど、お前はベットで寝ろ」


「いや、それは悪いよ、アタシは佐久君の為に来てるんだ。

それなのにアタシが贅沢したら駄目だろ」


「こ、これは譲らん、俺はソファで寝る。

その方が寝やすいんだ」

女の体を雑に扱えば女好きの邪神に乗っ取られそうだからな。


「ん、わかった。

その代わり布団持ってきて佐久君の隣で寝る」


は?それじゃ意味無くね?

女と寝るとか無理だろ

「あーもういいわ、俺は歯磨きしてもう寝るから」


「歯磨き手伝うよ?」


あーそうだった、こういう時に限ってなんで手を怪我してるんだ!


それから馬鹿みたいに気持ちのいい歯磨きをして眠りについた。

横でずっと頭を撫でてくれいたからか、いつも寝る時になると思い出す余計な過去も思い出さずに寝れた。

さっきも思ったが、こういう日があっても良いなぁzzz………………………



_________________

「ううん、もう朝か」

時計を見ると、いつも通り3時を指していた。

「昨日はありがとうな」

昨夜のお礼としては足りないが渡辺の頭を撫でてやった。

昨日はドキドキはしたものの、人間の温かみを思い出せた、ずっとこんな日が続けば良いのだがな…


手が使えないので顔は洗わずに、どうにか着替えていつもの公園へと向かった。


「さあ、今日も魔物共を退治しますか」

先ずは鉄棒だ。

そしてこいつに足をかけてぶら下がる。

こいつの脅威は頭を上げていないと頭に血が登って死にそうになることだ。

1.2.3.4………99.100

良し!

次は砂場だ。

こいつはずっとジャンプしてないと遊びたいという誘惑に負けてしまう。

1.2.3.4…………199.200

やはり、なかなかキツイな。

次はベンチだ

こいつは中々の強者だ。

この疲れた体に座れと言わんばかりの形をして誘惑してくる。

馬鹿みたいな忍耐力が必要だ。

今日はこいつから気を紛らわすためにダンベルを持ってきた。

おっと、腕が使えないんだった。

じゃあ、足の親指でやるか。

1.2.3.4………100!

良し、次は人差し指

……………………………………………

次は登り棒だ。

今日は腕が使えないから足だけで登るとするか。

「くっ、なかなかキツイな」

この登り棒は人間世界で言う食虫植物のような魔物だ。

登ったものは頂上まで行くと無性に飛び降りたくなり、飛び降りたら怪我をして、放置される。

「ふっ、ふっ、ふっ、」

足だから全然登れん。

今日は1回登れたら次にいこうか。


そして、いつもと同じメニューをこなした。

「フゥ終わった」

もう5時か、勉強もしたいし、そろそろ帰るとしようか。


何故だ?いつもより疲労感が強い…

そうか!足だけでトレーニングしたのもあるだろうが、怪我を治すために依代の俺を邪神が治そうとしているのだな!


そんな事を考えながら家に帰ると渡辺が心配そうな顔つきで家の前に立っていた。

「どうしたんだ?そんなところで」


「『どうしたんだ?』じゃない!

どこに居たんだよ、連絡しても帰ってこないし、心配で外を探しに行くとこだったじゃない」


「お前、そんなに俺が心配か?

俺はお前を一発で仕留めたんだぞ?そんなお前に何ができる」

っぬあーーなんで こんな事しか言えんのだ!

心配かけたなっとか何か出なかったのか?

ほら、怒って顔が真っ赤になっちまった。

「す、すまん、言い過ぎた」


「そうだ、許して欲しければアタシを良って呼べ」


名前呼びか、『渡辺』がもう染み付いちまったんだよなぁ…

「すまんかった良」


「うん、じゃあご飯作ってるから、早く食べよ!」


「おう」


「それにしてもどこに行ってたの?」

わた、良が靴を脱ぐ俺に少し遠慮気味に話しかけてきた。


「凶悪な魔物が潜む、公園だ!」


「………………………………」


フッ聞いて驚いてやがる

「どうだ驚いたか!」


「いや、どうやったら凶悪な魔物と魔物が結びつくんだ?」


「それはだな……………………」

それから俺のような天才的な頭脳をもった者にしか理解できないようなことをめちゃくちゃ噛み砕いて説明してやった。


「そうことか!

アタシも毎日したら強くなれるか?」


「勿論だ、だが俺が倒す魔物は心も含まれてる、それに耐えると誓うなら毎日一緒に行ってやる」

女にこんな事をさせるのは気が引けるが、良が望むなら教授してやろう。

「そんな事よりも朝飯は何だ?」


「むふふ、見てからのお楽しみだ!」

そんなに手間をかけたのか?


俺が席につくのと同時に朝ごはんが出てきた。

「は?何だよこの種類の多さは!」

漬物に、サンマの塩焼き、卵焼き、お味噌汁、それに家には無かったはずの白米!


「ちょっと頑張っちゃったな」


ちょっとどころじゃない、俺が呑気に魔物を倒している間に良はこんなに美味そうな飯を作ってくれていたのか!

料理だけで言うなら嫁に欲しいくらいだ。

「なんで俺なんかのためにそんなにしてくれるんだ?」


「そ、それは、アタシはあんまり好かれないタイプだから少しでも好きになってもらえるように先ずは胃袋から堕とさないとだろ?

こんな事、言わせるんじゃねぇーよ」


うん、こいつ好きだ、こいつの性格、好きだ。

ういちゃん が居なかったら、この時点で墜ちてるな。

それに好かれるタイプじゃないとか狂ってるだろ。

顔も究極的に良いし、少しそのヤンキーのような服装を直したら完璧だ。


「もう、これでも食べろ!」


ムグッ

「ッ!!」

旨っ!

「他も頼む」


「ちゃんと噛んでから飲み込めよ」

「ん」


モグモグ


白米は俺好みのふっくらとした食感、それにサンマの塩が絡み合って和食のハーモニーを奏でている。

しかも、何日前から漬けてたんだって言うほど味が染み込んでる漬物!

お味噌汁は具材たっぷりでコクが深くて美味い。

卵焼きは優しく包みこんでくる甘さが堪らん!

よく見ると五大栄養素が過不足なく取り入れられていて健康にも良い!

「美味すぎる!」


「そ、そうか、デザートもあるから楽しみにしていてくれ」


で、デザートだと!

こいつ、本気で堕としにきている!

「しかし、もう半分も食べてしまった。

こんなにも美味しいとなくなるのが怖くて食べるのを躊躇ってしまうな」

ショボン

和食も洋食もいけるなんて、こいつただ者じゃねぇ。


「おかわりもあるからそんなに落ち込むな」


天使か?

おっと、俺だけたべてるなんてズルいな、この腕はどうにかなんないのか?

筋肉で骨と骨を繋げてっと、おっ?痛くない!

もうこんなギプスいらねぇ


ポイッ


「な、何やってるんだよ」


「俺だけ食べてるなんてズルいだろ、ん」


「お、美味しい。

って、アタシは佐久君の腕が早く治るように生活の手伝いをしに来たのにアタシのために腕が悪化するようなこと…」


「なんだ?食べさせてほしかったんだろ?」

矛盾してるな


「それは、そうだけど…」


「ってもうこんな時間じゃねぇか」

ふいに時計を見ると、丁度5時半を指していた。


「何か用事があるの?」


「勉強だ!

もっと沢山食べたかったが、これは譲れねぇ」

急がねぇと今日のメニューが終わらねぇ。


「じゃあ、アタシが食べさせながら勉強するってのはどうだい?」


「それだ!悪いが頼む!」


それから楽しく勉強をして気づけば8時になっていた。

デザートのプリンは朝に食べるおやつという背徳感もあり格別だった。

「ヤバイッもう行かなきゃじゃねぇかって、なんで着替えてあるんだ?」


「ふ、腹筋綺麗だった…」


り、良か!

今だけはナイスだ!

「じゃ、学校行くぞ!」


「で、でも始業は8時15分だし、走っても30分くらいかかるこのいえからじゃはもう間に合わない…」


こいつは何を言ってるんだ?

まだギリギリ間に合うってのに

「と、取り敢えず俺に乗れ」

女を乗せるのなんて初めてだから緊張するな


「えっ?

そ、それってお姫様抱っこってこと?」


ふざけてるか?

いや、違う!手首を曲げなければならない おんぶ よりも手を伸ばすだけでいいお姫様抱っこのほうが手に負担がかからないということか!

「お前、ホントにいい奴だな!」

「良し、忘れ物はないな、行くぞ!」


シュン


「えっ?ええ?さっきまで佐久君の家だったのに、もう学校!」


「くっ、今日は少し遅かったか」

もっと鍛えなきゃだな。


「いやいや、佐久君が凄いってのは知ってたけど流石にレベチじゃない?」


「は?お前らもこれ位出来るだろ

おっ、着いた」


ガラッ


「皆のもの、おはよう!」


『キャー、渡辺さん北川君にお姫様抱っこされてる!』

『あの いかつそうな渡辺さんがお姫様抱っこされて顔を赤らめてるなんて貴重な瞬間だ!みんな写真撮れ!』

『うおー』


「おい、北川、それは独身の私への当てつけか?」

いや、それはお前が悪いだろ


「おはよう、私に無断で一緒に投稿するなんて良ちゃん分かってるよね?」

「あっ、あと先生は『ああー良い!

癒やされるぅー

今晩のオカズはこれに決定ね!』って思ってるよ!」


「き、キモッ」


「キモいな」

流石 変態教師って感じだな。


「あ、あの、う、腕大丈夫ですか?」


こ、これはSSR級のあ、あむちゃん!

いやー今日もご尊顔を拝めて光栄だな。

「また俺の心配か?」


「いや、でも…」


「ちょ、ちょっと!

なんか二人共私より佐久君と仲良くなってない?」


「は、早く降ろしてよ!」


「す、すまん」

良の事、降ろすの忘れてたな


「ま、待って!

なんで、私だけ苗字呼びなの!」


「いや、色々あってな

まあお前には関係ないことだ、心配するな」

こいつ、また心読みやがって、あの家での事は絶対に隠さなければ!


「佐久君、家でのことってなーに?」


『お、おい、まさかもうヤッたのか!』

『まあ、あの二人揃ってヤバイ性格だもん、しょうがないよ』


「ち、チゲぇよ!

おい、てめーら次同じようなこと言ってみろ、殺すぞ!」


ナイスだ、良!


「はわわわわ、わ、私もま、負けませんから!」


あむ も何を対抗心を燃してるのだか


「ひぃ、ちょっと心を覗くの怖くなったから辞めとく。

あと、私も負けないからね良ちゃん!」


「「だから違うって――――!!!!!!!!!」」











_________________

今回もお読みいただきありがとうございました。

今回は少し『良』とのいい感じの雰囲気を出してみました。


話が変わりますが、僕は家の中ではあまり集中して書くことが出来ないので電車や、散歩の合間なんかに書くことが多いです。

他の作者様方はどんな場所で書いていますか?

もし良かったらコメントで教えてください!


最後に!

いつもいつもすいませんが、★、フォロー、❤、コメントお願いいたします!


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