第4話 魔剣は校長の○○○?

相坂アイが、門真町ういちゃんだと!

いやいや、相坂も推していてそれをLINEのアカにしている場合もあるのでは?

き、きっとそうだ、そうなんだろう。

あの前髪で顔を隠すような陰陽師がそんなわけない。


「どうかしたの?北川君?

それに門真町ういちゃんってあの人気Vtuberさんでしょ?

それがどうしたの?」


ま、マズイこいつ心が読めるんだった。


「マズイってなーに?」


「もうそのくらいにしておけよ」


ナイス、渡辺ー


「よしよし、渡辺っちは私の味方だよね~」


「クゥン、そうです」


おいー、何故そうなる?

あの気の強い渡辺が何故あんなに服従させられているんだ?


「渡辺、お前が俺に味方するなら俺がこの先お前を導いてやる、さあこっちにこい」


「ほ、ホントか!」


取り敢えず渡辺を味方に付けて形勢逆転だ!

「ああ」


「ごめんなさい堀塚様。

体が勝手に求めるんだ。

お許しを」


良し、完全に堕ちたな、今アイツは堀塚を裏切って俺に付く背徳感と言う名の薬を吸っている状態だ。

我に返って見ても もう遅い、堀塚に嫌われていると思い俺に付くしかなくなる。

フッ我ながら完璧で天才的な策だ。

佐久の策ってな。


「北川君、そのジョークを人前に出すのは辞めといたほうが良いよ?」


こ、これは決してスベったわけではない。

堀塚が勝手に言っているだけのこと、俺とはなんら関係のない話だ。


"キーンコーンカーンコーン"


おっと、もう次の授業か。


ガラッ


だ、誰だ?全身真っ黒の黒ずくめか?

もしくは、ト○ロに出てくる真っ黒クロスケが転生でもしたのか?


「えー、うん、あー、そう

藍田の代わりに授業に入る照 明だ

藍田はお前らの対応に疲れたらしく職員室でサボっている」


あいつ、もう学年全体に変態教師の件バラしてやろうか。


「えー、うん、あー、そう

俺は2年Sクラス担任だ、言っておくが俺が興味のない奴だと判断したらそいつは1週間停学だから覚悟して臨めー」


『は?そんなん理不尽だろ』

『こいつ、馬鹿なのかよ!』

『教師やめちまえ』


「えー、うん、あー、そう

今喋ったやつは俺の意に背く、停学だ。

今すぐ教室から出てけ、出ていかないなら退学だ」


こいつイカれてやがる、この俺でさえ威圧感を感じさせられる。

くっ俺の左腕が疼く。


『こいつにそんな権限があるわけねぇ』

『そうだな』

『お、俺は帰るぞ』


「えー、うん、あー、そう

退学処分や停学処分の全権は教員にある。

もう一度言うぞ!

今すぐ教室から出てけ!」


結局、あいつらは照 明の威圧に負け、教室から立ち去った。


「えー、うん、あー、そう

この学校は就職率が他の学校と比べてずば抜けて多い。

何故だと思う?

今は発言を許す。」


手を上げたのは俺と堀塚を含めた5人だけだった。


「えー、うん、あー、そう

そこの神田とかいうやつ、次は内藤だからな」


『はい、この学校の教育が素晴らしく、生徒を成長させるのに合っているからだと思います』


「えー、うん、あー、そう

及第点、次」


『はい、生徒を育成するのに優れている教師を雇っているからではないですか?』


こいつは駄目だな


「えー、うん、あー、そう

それは他の私立高や公立校でも言えることだ、間違っている。

よって停学だ。」


『な、なんでよ!』


「えー、うん、あー、そう

お前は社会に出てもそういうつもりか?

開発者は常に人と違うことを考えそれを実行しなければならない、お前が言っていることはパクリだ!」


『わ、わかったわよ』


「えー、うん、あー、そう

次、北川 佐久。」


「下の人間を退学させて理解ある人間だけを集めているからじゃないか?

職員も同じ様な仕組みで動いており、実績を上げられなかったクラスの担任はクビになる。

そうじゃないか?

見た所ここの職員の中で歳のいっている奴らはお前を含めて、何人かしかいない」

完璧だ!

鈴花や他の職員はあまり理解していないようだがな。


「か、完璧だ!

北川、お前の思想は素晴らしい!

良ければ俺の補佐をしてくれんか?」


〜えー、うん、あー、そう〜 が抜けているぞ?

もしかしたら、自分に呪文をかけて生徒を停学にさせる心苦しさを抑えていたのか?

「悪いが嫌だ。

だってお前じゃ魔剣の位置がわからないだろ」

こいつは明らかに社畜という見た目だ。

そんな奴に魔剣の場所など分かる筈がない。


「ま、魔剣?なんだそれは?

残念だが、気が変わったら職員室に来てくれよ」


こいつ実力ある生徒には結構優しいんだな。

「気が変わったらな」


「この話題でもっと時間を取る予定だったのだが…そ、そうだ、この学校が長い俺が案内してやろう。

俺について来い」


これは魔剣の場所がわかるチャンスだ!

ナイスだ、照!





_________________

"キーンコーンカーンコーン"


「丁度全て紹介し終わったことだ、授業は終わりだ、次の授業は普段と変わらず藍田になる」


魔剣のありそうな場所は図書室、第二体育館、家庭科室、後は中が見られなかった校長室だろう。


「凄いね北川君」


「職員の秘密まで暴くとは御主人様は凄いな」


御主人様か、悪くない。

「あんな事、分からないほうが可笑しいのだ。

物語文を解く時と同じ感覚で人の思考を予想する、それだけだ」


「それもうほぼ私の心を読む能力と同じじゃん、北川君はチートだよ

それと、良はいつから北川君の犬になったのかなぁ?

アレ、言っちゃうよ?」


アレってなんだ?


「そ、それだけは…わ、わかりました御主人様!」


「それで良いんだよ、良し良し」


「クゥン」


寝返るの早いな!

まあ、あいつが味方だろうと見方じゃなかろうと関係のない話だがな。


「それと、北川君。

き、今日一緒に帰らない?」


「ああ別に良いぞ」

闘った相手の肩を持って歩く、シチュエーションは違うが、友と帰るのは同じようなものだろう。


「アタシも一緒がいい!」


「別にいいが…」

こいつは帰りも堀塚に飼われるのが落ちだと予想できるが、まあ良いだろう。


「あの…わ、私も御一緒してもよろしいですか?」


こ、これは!門真町ういちゃん

「勿論だ!」


「なんか私達と対応違くない?」


「そ、そんな事はー無いと思うけどなぁ?」

クソっ、反射神経でつい特別扱いしてしまった!


「クソって何かな?」


「な、何を言っている、今のは邪神が勝手に…すまぬ」

女というのはこんなにも怖かっただろうか?


「怖くないよね?」


「お、おう」



"キーンコーンカーンコーン"


「おっと授業始まっちゃうね、また後で、ゆっくり話そっか!」


い、嫌だ!

_________________


6時限目も終わり、俺は校長室の目の前にいた。


よしっ、魔剣の秘密を聞き出してやる

「失礼するぞ!」


「ああ、入りたまえ」




「おい、ジジイ、単刀直入に聞く」


「なんだ?」


「魔剣はどこだ?」

こいつが知らなければどこにも無いのだが。


「ああその事か、良くぞ知っておったな」


「勿論だ。

この俺が魔の瘴気を見逃すとでも思ったのか?」

こいつ、かんっぜんに舐めてやがる。


「フッ君の目は誤魔化せんか、ならば見よこの魔剣を!」


そう言って奴はズボンのチャックを開け、真っ黒のアレを出した。

「はっ?ふざけているのか?」


「ふざけておらぬわ、ワシのチ○コはある業界では魔剣と言われておるほど黒く、そして力強いのじゃ」


この学校の教師は全員こうなのか?

校長が変態なんじゃ、教員の鈴花が変態だということも納得できる。

「早くそのはしたない物をしまえ」


「ほれほれ、もっと見てよいのだぞ?」


「お前、俺の漆黒の左腕で消し去ってやろうか?」

穢らわしい、こんなゴミクズのアレを見たところで吐き気しかせん。


「す、すまぬ」

「では、ワシからも1ついいか?」


こんな変態ジジイの言うことなんてしょうもないことだと思うが、一応俺のメリットになることかもしれんから聞いてやろう。

「何だ?」


「お主の力をかりたいのだ」


こ、これはもしや…ドラゴン退治とかか!


「お主のクラス全員を無事に卒業させて欲しい」


「先ずは理由を聞こうか?」


「お主のクラス、Sクラスはこれから絶対にDクラスに落ちる」


こいつは何を言ってる

「Sクラスに入ってきたのはお前らから見たら頭の良い奴らの筈だろ?」


「それもそうだが、お主のクラスにはお主を含め、全員深い闇を抱えている。

いつか、それが爆発して学級崩壊を招きかねん、そこで頭脳明晰なお主に頼もうと思ってな」


「お前にはバレていたか、まさか俺の漆黒の闇に気づくものがいるとはな。

あの堀塚でも俺の深淵を覗くことはできなかった。

この学園のドンをしてるだけあるな」

こいつ、何者だ!俺のあの過去に気づくなんて!


「だから、頼む!」


「分かった、こちらにもメリットがあるようだしな…」


_________________


校長室を出ると目の前に俺の推し「門真町うい」がいた。


「す、すいません。

堀塚さんと渡辺さんはもう帰ってしまいました。」


「別に良いでは帰ろうか、うい様」

よっし、ナイスだ堀塚、渡辺


「わ、私の名前はあむ ですよ!」


「でも、LINEのアカウントは門真町うい になっていたが?」


「そ、それは…そ、そうです、私が門真町うい です」


よっし、サイコーだ。

しかも、二次元のうい様よりも可愛いとはどうゆう原理だ?

「お、俺はうい様のリスナーなんだ!

べ、別に俺は推しがどんな姿でも推し続けるさ。

そもそも、Vtuberの中の人に理想を求めるほうが間違っているからな、俺の心の支えなんだ、だからこれからも配信続けてくれ!」


「わ、わかりました、私も入学式の日に北川君が私のリスナーの一人じゃないかと思っていたんです。」


「な、何故だ?俺は誰にも話していないはずだが…」


「ふふふっこんなキャラの濃い人なんて私のリスナーにも、お友達にもあなた一人ですから」


俺は普通だと思うのだがな…

「あっすまない、待たせていたのにこんな所で立ち話を。

取り敢えず学園を出よう」


「そ、そうですね」


そうして、俺たちは学園を出て途中まで道が同じとのことで一緒に帰ることにした。


「私のことはうい様ではなくて気安く『あむ』とお呼び下さい」


陰陽師だと思っていたが、以外と積極的な面もあるんだな。

「わかった、じゃあ俺のことは佐久と気軽に呼んでくれ」


「わかりました」


良し、推しから下の名前で呼ぶ約束を取り付けたぞ!


「後、私が門真町うい だということは内緒にしてくれませんか?」


「勿論だ。

逆に誰がこんな事を話したいと思う?

俺以外誰も知らぬ秘密など言ったらデメリットしかないだろう」

逆に言いたいやつとはどんな頭の悪い奴なのか検討もつかん。

そういえば、あの変態ジジイの言っていたことは あむ も対象になるということか。


「佐久君は面白いですね」


「俺は正直な事を言っているだけだがな」

面白いか…

「そんなことより、悩んでることとかないか?」


「特に無いと思います」


「そうか、それなら良いんだ。

確かあの信号を渡ったらバイバイだったよな」

あーまだ一緒にいたかった。


「今日は本当に楽しかったです、ありがとうございました」


「ああ、次は堀塚や渡辺とも一緒に帰ろうか、何せあいつらは俺が大好きだからな!」

俺のほうがありがとうだよ、あむ!


「そ、それは私とじゃ楽しくなかったということですか?

私だけじゃだめでしたか?

何が駄目だったんですか?教えてください、次は修正してきますので」


一瞬にして、雰囲気が変わりやがった。

あのジジイが言ったことが本当だというのは癪だが、確かに闇がありそうだ。

「次の配信も楽しみにしてるぞ」


「次の配信はいつもと違うので楽しみにしててくださいね

もう信号まで来てしまいました。

こうして話していると直ぐに時間は過ぎてしまいますね」


「そうだな」

もう少し話したかった。

「まあ、LINEもあるし家に帰ってからまた話そう」


「それもそうですね」

「じゃあ、また明日ですねッキャ」


隣で一緒に歩いていた あむ が突然転んで点滅してる信号のど真ん中で倒れた。

しかも、下を見てないトラックが突っ込んできてやがる。

その時俺は推しを守らなければという半ば反射神経じみた感覚で飛び出していた。

「と、止まれー!」


バキッ


ちっ、この鈍い音…折れたな。

しかも、両手の手首だ。

「おい、降りてこい」


「だ、大丈夫ですか!も、申し訳ありません」


「謝るのは俺じゃないだろうが!

ちゃんと見とけ!

次やったら…俺のダークマターで消し去ってやる」


「ほ、骨が…ご、ごめんなさい。

きゅ、救急車」


「うるせぇ

お前はお前の心配をしろ!

お前が死んだら俺を含め、多くのリスナーが悲しむんだぞ!」

俺が人生のどん底にいた時にまた生きたいと思わせてくれたのはこいつの、あむ の配信だったんだから!











_________________

すいません、投稿遅くなりました。

いつも、読んでくださってる読者様、今回も読んでくださりありがとうございます。


さて、彼らの闇とはなんでしょうね?

正直、僕すらもボンヤリとしか想像できてませんww

まあ、いずれ考えるとして、佐久君強すぎません?

トラックを両手で止めて手首しか折れないのは異次元ですね。

作者のイセは怪我しまくりですww


長くなりましね。

最後に、

毎回ですが、フォロー、❤、★、コメントお待ちしております。


それでは、また5話で会いましょう。





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