第3話 俺の推し「門真町うい」

俺は30分残しでテストを終わらし、速攻で家に帰った。

まあ鈴花には当然止められたが、どうせ満点だから大丈夫だろう。

大事な、だいっじな用事があるのだ。



『あーあーきこえてるー?』


〜聞こえてるぞ!〜

〜聞こえてるよー〜

〜きこうぇてるぅぅぅよ〜


『一人ヤバイリスナーさんが居るけど聞こえてるみたいだね。

どもー、門真町ういです!』


こ、この声だ、この声のために今日頑張って生きてきたのだ!


『おおー今日も「北さん」いる!

いつもありがとねー』


うぉぉぉぉぉぉ、ういちゃんが俺の名前を読んでくれた!

ま、毎日欠かさず配信を見続けた成果だ!


『じゃあ今日も雑談配信するおー』


1週間に一度の待ちに待った配信だ!

この月曜日だけは誰にも邪魔されたくないのだ!









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『じゃあまた、来週ねぇー』


「今週も物凄く良かった!

この俺の力を制御できるのはあの可愛さしか無い!」


しかし、あの声最近どこかで聞いたような…まあ、気のせいか。

それよりも今週も、うい日記を更新せねば!

確か今週で遂に、うい日記➂に入るのか。


うい日記➂


4月6日(木)


今日も先週と同じ様に春コーデで可愛かった。

今日は声が枯れていたのか、水を飲む回数が23回といつもより多く、心配だ!


良し、最高だ!

「ういパワーを補充できたことだし飯に魔力供給といこうか」

今日の飯はニンニク酢飯チャーハンだ!





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フゥできた!

早速頂くとするか。


「ん、うんまーい、やはり俺の料理は絶品だ。

しかも酢とニンニクを入れることにより魔力供給も捗る、おっとコワスのスムージーを飲まなければ!

コレがないと明日、ニンニク臭すぎて俺が死ぬ」

この世界の人間どもはアップルジュースというだっけか。

まあ匂いが消えるなら何だって良いのだ。


や、ヤバイ!

早くテレビを付けなければ!


ま、間に合ったか!

そうそう、コレだトラえもん。

べ、別に俺が見たいわけではなくて、邪神が見たいといい言っているだけだし?

お、面白すぎる、ら、来週はビデオで撮っておこう。

ここここれは邪神のたたためだからな!


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うおっ、もう九時だと!

必殺、爆速ブラッシング!

完璧だ!

後は邪神の封印だけだ!


「おやすみ、ういちゃん」

やはり、天井に ういちゃんを貼るのはあっていたなzzz………




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「ん?もう朝か、ういちゃん おはよう」


さて、日課の魔物退治へと向かうか。

今日は2時間ほどできそうだな。

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着いた!

魔物の宝庫、こ、う、え、ん、だ!

じゃあ手始めに懸垂からだな。

一、二、三……九十八、九十九、百!


次は、ブランコだ!

あいつはプランクをやめようとすると頭を殴ってくる凶悪な魔物だ、まあ勿論倒すがな………………………一、二、三………九十八、九十九、百!

良し終わった!

こいつの下からはナメクジのように這い出れば攻撃されずにすむのだ。


次は滑る快楽に誘惑してくる滑り台だ!

こいつは腹が弱点なため、腹にのってそのまま耐え続ける必要がある。

だが、腹は斜めっているからどうしてもキツイのだ。


それから様々な、ゆ、魔物達を倒して朝の日課を終えた。



_________________

フゥ、やはり日課終わりの風呂は格別だ!

さて、いつもの食ペンを食べて学園に行くか。



_________________



おお、クラス替え表が貼ってあるな。

俺は勿論……やはりSクラスだな、あいつらは…


「一緒だね、北川君!」


「あ、アタシも忘れるな」


お、俺はこいつらの名前を探していたというのか!

そんな訳がない!

少しでも喜んでしまった自分が憎たらしい。

「そ、そんな事がなんだというのだ!」


「『やった!今回も一緒のクラスだ!』だってー」


「で、デタラメだ。

て、訂正しろ!」

こいつ、俺は心のなかで否定のバリアを張ったはず!

こいつどんなに深い感情でも読むことができるのか!


「嫌だよ、あと変な小細工しても無駄だよ」


やはりか、堀塚の能力はどういう原理なんだろうか?


「アタシを忘れるなー」


「よしよし、忘れてないぞー」


「クゥン」


渡辺と堀塚は契約したのだろうか?

やけに堀塚に懐いているが気のせいだろうか?

まあ良い、取り敢えず教室に行こうか。

場所は昨日と同じ教室だから覚えている。



ここだな、やはり教室に入って開口一番は目立つ発言をせねば、仲間は増やせぬ


ガラッ


「おい、お前ら!

俺は邪神の宿る漆黒の左手を持つもの、お前ら如きの平民共が俺に近づこうなんて考えるじゃないぞ!」

決まった!


『何なんだよ、あいつ』

『言われなくてもゴメンっつーの』

『それな?確かアイツって入学式の奴じゃね?』

『そ、それだわ!』


おい、クラス替え初日だぞ!

かんっぜんに失敗した。


「君たち、後悔するよー」


「そうだ、以外と面白い奴何だぞ!」


ああ、やっぱり友達って良い!

これだから友達はやめらんねぇ、気持ちー。

この友達が抗議してくれるこの感じ気持ちー、俺を一番のように感じるこの感じ。

気持ちー


「北川君、キモいよ?」


「おい、早く教室に入れ!

もうチャイムは鳴っているぞ!

テストを途中退出して、満点だったからと言って浮かれている場合ではないぞ」


『えっ?』

『は?』

『ふぇーーーーー?』

『Sクラスの平均が53点のテストが何故あんな中二病野郎に解けるんだ!』


「おい、お前ら勘違いしているぞ、こいつら3人には100点中5点取れたら合格だと言われる校長の出身校である、ヘーベード大学の卒業試験の過去問を受けてもらった」


『ええーーーーーー!』


「だから、30分も時間がかかったのか」


「確かに難しかったよね」


「アタシは北川君に会えると思ったらできたぞ」


やはり、こいつはキモいな


「因みに堀塚と渡辺どちらも85点とこちらも高得点だ。

正直、驚きだ。

毎年、実技試験を突破したものだけを対象に実施してきたが、過去最高点でも3点だからな、教員側でも今後のこいつらへの対応を考えている」

「まあ、この3人の内一人は、放課後に校長室に呼ばれていたのを忘れて帰ったがな」


そ、そうだった。

あのジジイに魔剣の情報を聞き出さないとだな。


「まあ、席に座れ…先ず出席をとる!

呼ばれたものは手を上げろ」


「秋山 こうすけ」


「はい」

こいつは真面目枠か


「相坂 あむ」


「は、はぃ」

こいつは…この前廊下で声かけてきたやつだな


…………………「藁内 桃香」


「はーい」

これで終わりか、何故かモブキャラのような奴らは覚えられない。


「全員いるな、それでは委員会決めを行う。

誰か司会を務めてくれる者はいるか」


「はい、僕がやります」


「じゃあ、秋山、宜しく

制限時間は2時間だ。

時間が余った場合は授業を行う、時間を使うも余らせるもお前らの自由だ」


『えー、私は授業したくないなー』

『マジそれな?』

『ゆっくり司会頼むぞー』


こいつらホントに頭良い奴らなのか?

こいつは俺の友に相応しくない、だがこいつらのような人間がこのクラスの実権を握る。

利用する分には悪くないかもしれんな。


「静かにしてくれ。

先ず生徒会を決めよう、決まったら生徒会委員の生徒が司会をしたほうが納得だろ?」


ということはこいつ自身は生徒会に入るつもりは無いということだな。


「じゃあ誰かやりたい、または推薦はあるか?

生徒会は男女一人ずつをクラスから出す決まりになっている。」


『はい、私は堀塚さんが良いと思う』

『確かに!性格良さそうだし、頭も良いし良いと思う』

…………


「堀塚さん、どうですか?」


「皆が言うなら私が引き受けるよ

その代わり、男子を北川君にすることが条件だけどね!」


『北川か…』

『でも、堀塚さんがいるから大丈夫じゃないかな?』

『それもそうか』


「って事だ、北川君、頼めるか?」


「やはり、俺の助けがないとこのクラスは成り立たないのか、それならば俺がこのクラスを世界で一番のクラスにしてくれる」


俺がこのクラスの長となるならこのクラスを俺の傘下に加えてやる。


「じゃあ私達が司会を務めさせてもらうよ。

次に本の紹介、本の貸出や受け取りを引き受ける図書委員を決めたいと思うんだけど誰かやってくれる人いる?」


大体は陰陽師がやるものだが、どうだろうか


「は、はぃ 私がやります」


「じゃあ相坂さん、よろしくね!

図書委員は一人だから頑張ってね!」


「じゃあ次は、仲間を助け治療する、ヒーラーをやるものはいるか」


「多分、保健委員だとおもうよー」


『俺がやるよ、俺、将来医者を目指してるからこういう仕事を積極的にやりたいんだ』


こいつは…わからん、誰だ?


「じゃあ熊谷くん宜しくね!

他に女子でやってくれる人はいる?」


「はーい、私がやるよー」


こいつは…そう、藁内 桃香だな!


「じゃあお願いね」



それから、一時間前後で委員会は決まった。


「もっと荒れると思ったが、こんなにも早く終わるとはな、じゃあ余った時間は数学の授業を行う、先に言っておくがここは甘ったれた奴は入室は許されないSクラスだということを覚悟して授業に臨むこと」


『『『『『ハイ』』』』』


「それでは生徒会委員、始めの号令を頼む」



_________________

"キーンコーンカーンコーン"


「ふぅ、終わったな」


『北川君、だっけ?数学の授業分かった?』


「俺に分からない問題があると思うのか?」


『ち、違うよ、教えてほしくて来たの!』


「そんな事か、良いだろう。まかせろ」


「これがこうなって、ここは授業で習った公式を使ったら解ける。

あと、応用問題は教科書の15ページにある」


『北川君って何者?

簡潔かつ、分かりやすいし、授業ではそんな応用問題なんて見つける時間は無かったはずだよ?』


「教科書をめくれば分かる話だ、また分からない事があれば俺が享受してやる」

よし、ちゃんと教えられた、これで友ができれば良いが…


『ありがとね。

後、連絡先交換してくれるかな?

私バカだからまた聞くと思うし』


「れれれ、連絡先だと!」

伝説級の単語だぞ、それを俺と交換するというのか!


『あっ言うの忘れてた、私の名前は菊池 飛鳥 宜しくね!』


「あ、あ………」

や、ヤバイな、何故だ?舌がうまく回らない


『連絡先交換しないの?』


「す、すれ」


『はい、これでOKだよ!』

『じゃあまた教えてね!』


「おう」

堀塚や、渡辺とはもう慣れたが他の奴とは喋れぬな


「あー菊池さんに、先越されちゃったか。

北川君、私とも連絡先交換しよ!」


び、ビックリする、堀塚で良かった。

もし他の奴だったら失神していた。

「お、おう」


「アタシともしてくれよ」


渡辺もか、こいつらはと、友達だし普通だよな?


「あ、あの北川君、わ、私とも交換してくれるかな?」


こいつは…そう、陰陽師の…相坂アイだ!

「わかった」

こいつは陰の人間だからスラスラ話せるな。


「あ、ありがとう」


えっと、アイツらのアカウントの名前は…っ………


ば?門真町う、い?

はああああああああああああああ











_________________

今回もお読み頂きありがとうございます。

更新の変更です。

不定期投稿から二、三日に一回の投稿頻度にします。


★やコメント、❤等の評価本当にありがとうございました。

こんなにも評価してもらえると思っていなかったので、イセはもう喜びの舞を踊っております。


長くなりましたね。

これからもよろしくお願いします。







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