第20話


 「勇者くんはさぁ、親が離婚して欲しいって思うのは親の問題だから関係ないと思う??」


「なら、お金を置いておいて行けと思うね」


「・・・やっぱり・・・気が合うな」


「そうなの??なら嬉しいな可奈さんはどう思う??」


「私は、親の問題に子どもが関係ないこと自体矛盾してると思う。だって親は子どもがいて親だから」


「確かに、親は子どもがあって親になる。つまり子どもが関係なら、ただ大人、それは親じゃなくて、ただの旦那と妻だね」


「そう、それなんだよ!!流石話がわかるね!!だから、さぁ日本語の問題だけなのかも知れないけどさぁ、親の問題じゃなくて、夫婦の問題だから関係ないって言われたほうがまだ納得するよ」


「言えてる。」


ーーーーーーー

「でも本当に、関係ないって言う人は本当に辛さを理解してないよ」


「うん、絶対そう、俺も毎日罵倒とか、辛すぎる。それって学校で虐められるのが家でずっとそうと同じだからね。虐待=いじめだよ」


「うんうん!!めちゃくちゃ分かるよ」


 


 そして、また今日も話しつくした。


 可奈にとってこれは密かに今までの人生で一番報われた時間で、一番の理解者を見つけたことを実感した。


 可奈は思った。


 よく、虐待とか親から正しい愛情を受けてない子どもが同じように子どもにしてしまうことがあると聞く。


 だけど、彼は痛みを知っている。もし、私が同じようにしても彼なら止めてくれるかも知れない。


 そう思っていた。

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