後日談7『クリスマス大作戦7』






 カーテンの隙間から差し込む陽の光で、目が覚めた。




 ……寒っ。


 その原因は、間違いなく俺の格・好・。


 毛布と布団をかけ直そうとしたところで、俺は自分の隣で寝息を立てている一人の少女に気付いた。




 その長い睫毛は今は閉じられていて、すぅすぅと規則的な寝息たてている。


 俺も七海も、その体には何も身に付けていなかった。




「……」




 昨夜、俺らは激しく互いを求め合い、そして―――――そのまま寝てしまったんだ。




「……七海」




 未だ夢の中にいるであろう、彼女の名を呟く。


 汗ばんだ唇。


 繋いだ手と手。


 そして。




 ―――――思いきり抱きしめ合った、あの瞬間。




 心も体もつながった。


 ずっと抱き合っていたかった。




 理由も何もいらないほどに、愛しいと思えた。






「……」






 ただ無性に七海に触れたくなって。


 俺は彼女の柔らかいほっぺたを、指で軽くなぞった。






「……ん……?」




「あっ……ごめん、起こした?」




 七海は、目をこすり、そしてゆっくりとその場に起き上がる。




「……(うりうり)」




「ちょ……何、どした?」




 裸の俺の胸に、七海はその頭を擦りつけてくる。




「甘えてるだけー」




「……!!」




 何だこの可愛い生き物は……。


 ヤバい。ものすごく可愛い。


 あと、可愛い。




「……お返し」




「……むふ」




 どうにもたまらなくなり、俺は裸の七海を思いっきり抱きしめた。


 腕にすっぽりと収まる小さな体。


 温かい……そして、とても柔らかい。




 幸せそうに笑みを浮かべる俺の彼女。






 幸せになって、いいんだ。






 俺。






「佐々木君」






「……うん?」






「愛・し・て・る・よ・」






 ―――――!!






「……(ぎゅっ)」








「むぎゃあっ」 










 俺は返事をするかわりに、七海のことを思いっきり抱きしめた―――――。


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俺のキッツイLINEを元カノに晒されたので、元カノも笑った連中も丸ごとボコボコにする話。 柊 雅巳 @suminosora

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