第23話

今日は文化祭本番


沢山の生徒でいつもより騒がしい廊下。


「ねえ、2組のトリックアート展見に行こうよ。すごいらしいよ!」

「トリックアート展?どんなのがあるの?」

「壁におっきい穴が空いたみたいなのが一番に見えるんだって。しかもめっちゃクオリティー高い奴!」

「へぇ、面白そう。いこいこ!」




僕たちのクラスのトリックアート展も大盛況だった。


「そら、トリックアート展めっちゃ繁盛してるじゃん!そらのおかげだよ!この前はほんとにごめんね…」



そうやって僕に話しかけるのはしょうくん。

いつの間にか呼び捨てで呼ばれている僕の名前に、僕は動揺することなく答えることができる。


「いいよ。何なら前よりもっといいのができたし。」


「ほんとにありがとう。」


「いやいやこちらこそ。最後まで諦めないで一生懸命してくれてありがとう。」



「とりあえず大成功ってことで!」


ハイタッチする僕たちの顔はきっと誰よりも輝いていたと思う。

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