紫蝶の夢 詩篇、そして解説。

ここまでお読みくださって、本当にありがとうございました!

 楽しんでいただけたでしょうか?


 ここからは小説の裏話のようなものを、のんびり書いていきます。

ご興味ございましたら、ぜひどうぞ。

 

 この小説は、他の小説とは書き方が違っていて、最初に詩から入っています。詩を書いて、「この詩を小説にできないか」という試みですね。

 せっかくなので、詩も載せておこうと思います。今回は三つ載せます。本当は全部メロディーもついていたりするのですが、(笑)曲にするだけの技能(やる気)は、私にはなかった……(笑)




―青い薔薇の魔女―


何処どこ、何処どこと求める 心に咲く青い花

いつ貴女に魅惑され 蝶の舞うようになったでしょう


心を映うつす青い瞳が 鏡のように私を見つめ

見えない記憶の鍵を開けて 夢の世界へご招待


秘密は秘密 誰も知らない だから微笑み続けられるの

貴女の心にあるクリスタル 光を灯して眺めたい


不可能なんて存在しない 青い薔薇が咲くから

不可能なんて存在しない 青い薔薇が咲く世界には



 これをモデルにしたのが、冒頭からちょくちょく出てくる女の人です。この人は独特な世界観を持っていて、それが一人で完結しているタイプなんですよね。自分のこととか、他のことにしても、説明しようという意志を感じない(笑)

 私はこの人のことは、理解を示しつつも一定の距離で見ている感じですかね。話したら理解できそうだけど、あんまり近づきすぎると、そっちの世界へ引きずり込まれそうな気がして……さささー(距離をとる音)。

 青い薔薇、だと、技術開発をした著作権(?)あるかなと思ったのと、限定的すぎると感性的に判断して、小説内では「青い花」としています。

 語っても意味ないんですが曲の説明をすると、3拍子で、最後のサビで転調しています。パイプオルガンが似合いそう。





―dropping tear―


こぼれたキオク ただ愛を伝えよう

人生は一人で生きるものじゃないから

命紡ぐ 奇跡の物語 さあ往こう 安らぎの世界へ……



心を隠して生きてきた私達 残酷の刃やいばは傷痕をえぐる

だけど信じたかったの 信じられる世界があるって

心さらけ出して 受け入れられるエデンを——


こぼれたキオク ただ夢を伝えよう

希望が生きる勇気を生むから

命 それは奇跡の物語 さあ往こう 永遠の世界へ……



孤独を隠して生きてきた私達 「あなたを理解したい」それさえ思えずに

誤解だらけの日常 暗い心は悲劇を生む

それさえ知っていたはずなのに——


降りしきるシズク 悲しみを越えて

幸せの世界を映して見せてよ

雨が虹を 作りだすから 諦めないで……



こぼれたキオク ただ愛を伝えよう

人生は一人で生きるものじゃないから

命紡ぐ 奇跡の物語 さあ往こう 安らぎの世界へ……


こぼれたキオク ただ夢を伝えよう

希望が生きる勇気を生むから

命 それは奇跡の物語 さあ往こう 永遠の世界へ……




 青薔薇と、この詩が、今回のバタフライドールの世界観を作る際の基調となっています。私の現在の人生観が、若干入っていますね。小説書くような感性の強い人には、往々にしてあることかもしれませんが、小中学生の頃から「忘却」について、思いを巡らせていました。

 人は不死世を求める。しかし死ぬ存在である。だから歴史とか、目に見える形で自分の存在というものを残そうとする(こともある)。……。この論議は長くなるので、別の機会に譲ります。

 ともかく、全てのものは移り変わっていくものだし、忘れ去られていくものだし、自分だって忘れていっちゃうけれども、その中で温かいもの、光、輝きを伝えていきたいな、残していきたいなと思っています。それが私にとっての命を紡ぐことなのかなって。

 夢と現実をつなぐものが「希望」であってほしい、これは願いなのかもしれませんが、そういう願いを持って生きていますね。

 せっかくなので曲について(笑) これは4拍子です。アニメのOPにありそう? 構成としては、現代ミュージックの流れを踏んでいます。

サビ(イントロ)、間奏、Aメロ、Bメロ、サビ、間奏、Aメロ、Bメロ、サビ、サビ(転調)

 超ざっくり、こんな感じです。女性ボーカルと、軽快なドラムの音が私の耳には鳴り響いているのですが、……いえすいません、独り言です。







紫蝶


ひらひら舞う  ひらひら舞う  紫の蝶 青い空に

ふわふわ浮かぶ ふわふわ飛んだ 虹の光 シャボン玉

あなたのために 私のために?  物語はつむがれる

誰かのために  世界のために 一輪の笑顔が咲きます


こぼれ落ちた音をたてて 積み上げてきたものが

それでもまた もう一度でも やってみてもいいんでしょ?

私はあなたの光になりたい 太陽からもらった光を受け渡すよ


月明かりがゆくてを照らす 暗い道も灯りがあれば 何にも何にもこわくない


ひらひら舞う  ひらひら舞う  紫の蝶 夜の空に

キラキラ光る  キラキラ散った 金のりんぷん お星様

空が白く    夜が明けてく  太陽はまた昇ってく

誰かのために  世界のために  一輪の笑顔がまた咲きます


雨にうたれ風に吹かれ 寒さを耐えたタネが

春の息吹でのびやかに 新しい緑作るよ

過去も未来も手のひらの上 宝石を取り出せば

鮮やかな色 満ちあふれていく 胸の内から光り出すよ


ひらひら舞う  ひらひら舞う  紫の蝶 青い空に

ふわふわ浮かぶ ふわふわ飛んだ 虹の光 シャボン玉

あなたのために 私のために?  物語はつむがれる

誰かのために  世界のために 一輪の笑顔が咲きます




 これは小説の大枠を書き終えた後に書いてみました。可愛らしいけれども、励ましの詩でもあるように思います。どんなに辛くても、惨めに思えていても、あなたに生きる意味はある、生きるってそういうことなのかなって。みんな、全てのお生き物がその人なりに頑張って生きている。生きていること自体が一つの輝きだし、一つの奇跡なのかなと思います。どんな考え方をして生きるかは、人それぞれだとは思いますけどね。

 





続いて、あとがきという名の、好きなようにおしゃべりする会。


 せっかくなので、小説の世界観について、自分で考察していきたいと思います。ストーリーの考察ではなく、あくまでも世界観です。


 まず、フェイシーの名前の由来ですが、ケルト神話から来ています。「フェイ=魔女」「シー=妖精」を表すので、まあ、魔女の世界と妖精の世界をくっつけたような、と言ったらそのまんまですが。

 インド神話、北欧神話など、神話も物語研究と称して読んでみたりするのですが、個人的にはケルト神話が一番親近感ありますね。不思議。

数年来のんびり書いている、とある小説の舞台設定も、漠然と西洋というイメージはあるんですけれども、中世ヨーロッパの、国王がいて、法皇がいてのガチガチのキリスト教世界かと言われるとそうでもなくて、どちらかというと、……もうちょっと民間伝承よりでしょうかね。私自身が、多神教的世界観を持つ日本人だからという側面もあるかもしれませんが。

 魔女の捉え方などは、やっぱりケルト神話に雰囲気近いかなと思います。現代日本に書かれる魔法は「炎がバーン」とか、「雷ドーン」とか、「水ビューン」とか、エフェクトだらけで、それはそれで文化論として「現代日本人はそう捉え、受け入れられている」んだなーということで、面白いですが。(誰視点で言ってるんだ)

 話を戻すと、ケルトの伝承では、死者の魂は蝶や蛾の姿を取って、死体のそばを舞う蝶は人の魂だと言われているそうです。日本でもそういう話はありますよね。これは次回のネタに使いたいところ。


 バタフライ・ドールというのは、ありそうでなかった造語でした。調べてみると、パピヨンドールという、美味しそうなお菓子はありました。いつか食べてみたい……!

 割合、自分のフィーリングに合っていたのか書きやすかったので、ストーリー練習として第二弾も書きます。


 では、最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 次回もお楽しみに!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

バタフライ・ドール1 -Am I in a purple dream? - 武内ゆり @yuritakeuchi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ