第21話 朗読劇始めちゃったけど、……上手く伝わるといいわよねぇ。


 「二人ともお疲れ様ーっ! ツカミはバッチリ! オッケーよ♪」



 沙樹がミネラルウォーターを持って満面の笑みで駆け寄って来た。


 蓮はミネラルウォーターを貰うと、どさくさに紛れてそのまま沙樹の手を握り、


 「『アナタの笑顔が見たくて頑張りました!』」


 ……どっから出るんだ、そんな声? 


 ん? 沙樹のヤツ、まんざらでもない顔しやがって!


 「でも、お前のファンの子達、……本当優しいよな! 俺、ちょっとウルっときちゃったよ。 …………蓮、呼んでくれて本当にありがとう!」


 さっきの出来事を思い出し、しんみりとしながら言うと、蓮はキリッとした顔に戻り、


 「何言ってんだよ! 勝負はこれからだぜっ! 準備はいーか?」


 「おう、任せとけ!」



 ※※※



 「それじゃ、行くぞバネ太っ!」

 蓮が俺に向かって腕を伸ばして拳を突き出した。


 「蓮っ、取るぞっ!『双魂』っ!」

 伸ばした拳にグータッチをして、



 「はーい休憩明け、朗読劇入りまーす!」



 幕が上がり、ステージ中央には俺達二人とマイクが二本。

 真っ暗な舞台で俺達だけにスポットライトが照らされた。


 パチパチ パチパチ👏

 パチパチ パチパチ👏


 バックのスクリーンにプロジェクターで文字が映し出された。



 克也(CV 赤羽亮太)

 敦也(CV 東十条 蓮)


 双子の幼馴染み 南


 幼馴染みの三人、小さい頃からいつも一緒に遊んで、ご飯も、そしてお風呂も……♡


 やがて大きくなり、思春期になった三人、お互いに意識しあう様になっていたある日、信号無視のトラックに南が跳ねられそうになった所を敦也が助けたんだ。


 だけど代わりに敦也は跳ねられ天国に……行かずに何故か俺、克也の体に入って来たんだ!


 そこから始まるイビツなトライアングル、俺達、一体どーなるの?



 ザワザワ ザワザワ

 『コレ、……「双魂」ジャナイ?』


 ※


 バ「あ〜っ、もうっ! ……さっきは一体何やったんだ、俺?」


 バ「いきなり南に抱きついて、むっ、胸を揉むなんて……」


 「まるで俺が、……俺じゃないみたいだ」


 ザワザワ ザワザワ

 『ヤッパリ双魂ヨー!……』


 蓮「んーっ、なんか使い勝手悪いなぁ〜、このカラダ」


 バ「あっ、敦也……? お前、……敦也なのか?」


 蓮「おーっ、克也っ! 元気ぃ?」


 蓮「……てか、ココ、オマエのカラダなのかよっ?」


 バ「なっ、なん……っ! 何だ? 何がどーなってるんだ?」


 蓮「そんなのコッチが聞きたいよっ!」

  

 蓮「……どうやら、オマエのカラダに入り込んだらしいな、オレ」


 バ「生きて……るのか?」


 蓮「あーでも、なんか女神みたいなの出て来て『元の世界に戻りなさーい』とか言ってたなぁ……」

  

 蓮「……てことは、これからオマエのカラダはオレのモノって事だよな? コレ」


 バ「フザけんなっ! このカラダは俺んのだろ? 出てけよ、敦也っ!」


 蓮「そんなん無理っしょ?」


 蓮「オレ達どーせ双子だったんだし、二人で仲良く使おうぜ! このカ・ラ・ダっ!」


 バ「じゃあ、……さっき南に抱きついたのはお前かっ?」


 蓮「あぁ! ……柔らかかったよなぁ! てか、思ってたよりあったよなぁ、胸♡」


 バ「フザけんなっ!」

 

 バ「お前のせいで俺、『変態っ!』って叩かれたんだぞっ!」


 バ「ん? ……」

 バ「俺は叩かれた痛みはあるけど、……胸を揉んだ感触は無いぞ?」


 蓮「オレは叩かれた痛みはないし、……柔らかかったぞ、デヘヘっ♪」


 バ「そんなのズルいだろっ!」「勝手な事すんなよっ!」


 蓮「でもオマエのアソコ、めっちゃ反応して……ってか、双子なのに、何でオレよりあんなデカいんだよっ?」


 バ「あーっ、触るな、イジるなっ! ……って感触ないしっ!」

  

 蓮「あっ、……そーゆー事かっ!」


 蓮「多分だけどな? 自分の意思でやった行動は自分に来るって事だ!」


 バ「じゃあ、俺の意思で南の、む、胸を揉んだら……」


 蓮「そーゆー事♡」


 蓮「そしてすぐ意識が切り替わったから、引っ叩かれた痛みはオマエにいったんだ!」


 バ「テメェ、コノヤロ……」


 バ「……って殴ったらこのカラダが傷つくだけかっ、くぅ〜っっ!」


 蓮「なぁ、克也、……このカラダ一日おきに交代って事にしないか?」


 蓮「南にはこのカラダの事はちゃんと伝えてさ……」


 蓮「それでお互い邪魔しないって約束で、どっちが南の事、オトせるか勝負だっ!」


 バ「……わかった」


 バ「それしか……思いつかないな、俺達の頭じゃ」


 蓮「勉強もスポーツも、どっこいどっこいだからなぁ、オレ達っ、ははっ!」


 蓮「お互い、フェアに行こうぜ!」


 バ「よーしっ! 俺だって負けないからなっ!」


 スポットライトが消えステージは真っ暗になり、『双魂』のエンディング曲が流れ出した。


 パチパチ パチパチ👏

 パチパチ パチパチ👏


 パチパチ パチパチ👏

 パチパチ パチパチ👏


 しばらく拍手が鳴り止まなかった。



 ※※※



 再び中央にソファーが置かれ、照明がついて俺達はステージに戻った。


 パチパチ パチパチ👏

 パチパチ パチパチ👏


 蓮「はいっ、今回はサプライズで『双魂』やっちゃいましたぁ〜!」


 蓮「みんなっ、……どうだった?」


 サイコーッ! パチパチ パチパチ👏

 オモシロカッター! パチパチ👏


 蓮「おいバネ太っ、お前結構練習しただろっ、アレ?」


 バ「あぁ、お前と別れてからコンビニで朝まで練習したよ!」


 アハハハハ ハハハハ

 パチパチ パチパチ👏


 

 そしたらいきなり……、



 「ちょっともぉ〜っ、さっきは何なの? いくら幼馴染みって言っても…………順序が、……あるでしょ?」


 「バカっ♡」



 キャー♡ キャー♡

 ワーッ!! パチパチ パチパチ👏


 トモチョー! カワイー♡

 パチパチ パチパチ👏


 何と舞台袖から、『双魂』のヒロイン『南』役の麻倉あさくらともが現れた。


 俺達二人は顔を見合わせて、



 「「聞いてないよーっ!!」」

 


 第22話にゴーゴゴー! ともちょー♡


 ※※



 『双魂』朗読劇、いかがでした?

 ちょっと読みづらいわよね、分かってるけど、今の私にはこれが精一杯なの!


 さて、この『双魂』

 お気づきの方もいるでしょうが、私が父の部屋で見つけた『タッチ』をパク……リスペクトしてオマージュ←横文字使えば何とかなるハズ

 

 流石に『達也』『和也』はヤヴァいので、古田『敦也』と野村『克也』の師弟キャッチャーコンビに変えました←知ってる?


 そしてコレを書いてる途中に読んでいた、ふむふむ様の力作『ツインズソウル』の終盤をまたもやパク……オマージュしてあの朗読劇が生まれました。


 ふむふむ様、この場をお借りして、ありがとうございました!


『ツインズソウル』 ふむふむさま♡

https://kakuyomu.jp/works/16817330651061465621


こちらの作品は私なんかのおふざけモノとは違って、王道の胸熱ファンタジーです!


どこをパクったかは、読んでからのお楽しみ♡←パクってんじゃん!



 ♪読んで頂きありがとうございました♪

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