たんぽぽのわたげ 🏫

上月くるを

たんぽぽのわたげ 🏫





野原一面に咲いた黄色い花から

真っ白なわたげが飛び立ちます


風に乗って ふうわり ふわり

丘を越え 川を越え 坂を越え


町の小学校まで 舞って行って

音楽室の窓から飛びこみました



      🎼



モーツァルトの肖像画のそばを

クラリネットのケースのうえを

わたげはふわり飛んで行きます



      🐥



そこへ男の子がやって来ました

ぽろん ぽろん ぽろろろろん


片手でピアノを鳴らしています

あらら ほっぺにひかるものが


わたげはふうわり舞って行って

少年のうすい肩にとまりました



      🦜



春の日がやわらかに差しこんで

校庭にはずんだ声が聞こえてる

ねむたくなるようなお昼やすみ




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

たんぽぽのわたげ 🏫 上月くるを @kurutan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ