6 バレたら蜂の巣☆湯上りダブルドキドキかくれんぼ(上)

//SE:重たい金庫のような扉が閉まる音 位置:正面

[位置:正面、距離:極めて近]


「はぁ……はぁ……ふー、もうお風呂入ったばっかりなのに……。けどひとまずは大丈夫。ここ結構防音だしロックもかけたから、簡単には見つからないよ」


「ただここ、本来一人用だから……だいぶ、狭いけど」//若干恥ずかしそうに


「近いよね……アハハーごめんね……。どうしても、身体当たっちゃうけど、我慢してね」//恥じらいを隠すように


「そ、そだね、説明しないとだよね。あの、まぁ結論から言っちゃうとさ……このセーフハウスの場所、敵にバレちゃった」


「クライアント側の連絡員がね、一人ドジって捕まっちゃって、ここの場所すぐゲロったって電話来たの。どうせあなたが無関係者だからって、秘密にする義理もないとか思われたんだよ。しかもその報告も遅かったから、移動も危険だって言われて……」


「すぅーっ……、はぁっ」//気を引き締めるように息を吸って短く吐く。


「でも大丈夫だからね。私が側にいるから」//同時にSE:聞き手の頭の後ろを撫でるような音 位置:真後ろ


//SE:聞き手の頭の後ろから手を離す音 位置:真後ろ


「……えっと、依頼された仕事を完璧にこなしてこそ、プロの殺し屋だからって意味ね」//照れ隠し気味に


「大丈夫、増援呼べたから。私達はそれまでここで隠れてればいいの」


「でも一応他のトコに逃げたような偽装工作はできたし、それに――」


「……特別に教えてあげるけど、ここウチの組織が管理してるマンションだから、他の部屋には誰も住んでないの。家具とかはあんまなくても部屋はいっぱいあるし、避難梯子も下ろして探すトコいっぱい増やしてやったから、結構時間稼げると思うんだ」//右耳のすぐ側でささやき声


「さらにさらにねー……」


//SE:ポケットから何か取り出すような音 位置:正面

//SE:スマホの画面タップする音 〇・四秒ずつ間を開けて三回 位置:正面


//声の距離は変わらず至近距離だがここから若干左の方へ寄る


「このマンション、あちこちに隠しカメラあるから。私ら、敵の様子見放題」


//SE:スマホの画面タップする音 一回 位置:正面


「うぅわ、もう来てんじゃん。駐車場に四台来てる。さーどこだぁ……?」


//SE:スマホの画面タップする音 二回 位置:正面


「あ、梯子かかってる。オートロックスルーして二階から入ってきたか」


//SE:スマホの画面タップする音 一回 位置:正面


「エレベーターに五人。……流石にみんな銃持ってるね。……げ、ねえ見て、こいつなんかウージー持ってるし。……そうそう、サブマシンガン。バーって拳銃の弾連射できる奴」


//SE:スマホの画面タップする音 〇・三秒ずつ間を開け三回 位置:正面


「あ、階段からも来てるんだ。いちにーさん…こっちは四人。計九人か」


「エレベーター組が先陣かな。多分階段の奴らより下っ端。無警戒すぎるし。階段の方は一応警戒しながら進んでるみたいだけど、鉄砲玉の時点で結局こいつらも敵の組織では下の奴らね」


//SE:スマホの画面タップする音 一秒ずつ間を開けて二回 位置:正面


「エレベーター組、この階着いたね」


「……ん」//"あなた"が緊張して不安そうになっていることにミツキが気づく


//SE:服の上から撫でる音(聞き手の腕を撫でる) 位置:正面


「……大丈夫だって。よっぽど大きな音出したりしないなら、ここに人がいるなんてわかんないわかんない。この隠し部屋はウチらの組織しか知らないし、住所や部屋分かろうと、ここは見つからないって」


//SE:スマホの画面タップする音 一回 位置:正面


「……ボルトカッターもしっかり準備万端か。入ってくるよ。えーとこの部屋この部屋……」


//SE:スマホの画面タップする音 〇・三秒ずつ間を開け二回 位置:正面


「棚にワイファイのルーター置いてあったじゃない? アレにカメラ仕込んでるの、ホラ」


「フフフ、見て見て。あけっぱの窓に気づいて何人か出てった。こっから私らが別の部屋に逃げたって思いこんでくれたっぽいね」


//SE:スマホの画面タップする音 一回 位置:正面


「オッケーオッケー、私のプラン通り。他の部屋探そうとして散っていった。待機してる階段組にも伝えてるっぽい」


「……付け焼き刃の偽装工作がプラン通り上手くいくの、逆にいいのかなって気になるよね」//わざとらしく訝しむ感じ


「アハハ、そだね。上手くいってるんだから素直に喜んどこっか」

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