2 耳かきしたげるから、頭のせて

//SE:時計の音 位置:正面、距離:遠 ゆっくりフェードイン


[位置;正面]


「……ねぇ、さっきから二十分くらいそこで姿勢良く座ってるけどさ、疲れない? ソファなのに背もたれも使わないで」


「そこの本棚に漫画とかあるけど読む? ピースメインとか呪術戦線とか色々入ってるけど。……いい? そっか」


//SE:時計の音 ここから音量がフェードで少しずつ大きくなる


「うーん……」//何かを悩むような声


「んー……」//何かを悩むような声


「……よし」 //SE:時計の音 音量増加終わり。ここから時計のSE音量がフェードで下がっていく


//SE:靴下でフローリングを歩く音 位置:正面、距離:中から遠

//SE:ペン立てから耳かき棒を取り出す音 位置:正面、距離:遠

//SE:靴下でフローリングを歩く音 位置:正面から徐々に右、距離:遠から近

//SE:ソファに座る音 位置:右、距離:近

//この一連の効果音のいずれかにかき消されてるうちに時計のSEループは完全に消え


[位置:右、距離;近]


「ねえ、最近耳かきしたのいつ?」


「耳かき、最後にしたのいつ?」


「んもー”何で”じゃない、日本語分かるでしょ。ナイフ向けて訊いた方がいい? それとも銃にしとく? 銃口から薬室の弾頭覗いてみる?」

//「銃にしとく?」辺りで

//SE:ホルスターから銃を抜く音 位置:右、距離:中


「ん、じゃちょうどよかった。はい」

//同時に

//SE:銃をしまうような音 位置:右、距離:中 音量小さめ


//SE;太ももを軽く叩く音 位置:右、距離:中

//ぽんぽんと二回。


「耳かきしたげるから、頭のせて」


「んーもーうだうだ言ってねーで説明が欲しければ私の太ももに頭を預けなさい」

//セリフ後半から

//SE:太ももを叩く音 位置:右、距離:中

//五、六回ほど連続で


//SE:髪のこすれる音 位置:真後ろ、距離:近


[位置:正面、距離:近]


「……ん。うん、いい子。ふふん、どうよ? 女子高生の膝枕は」//わずかに恥じらいを隠すように得意げな感じ


「あ、照れてる? んふふ」


「前に"友達"にさ、落ち着かない時とか眠れなかった時とかによくしてもらってたの。だからあなたも耳かきしてあげたら落ち着けるんじゃないかなって。ね?」


「そこまででもって言うけど、ずっとだと私まで気まずいんだもん」//わずかに溜まっていた鬱憤をぶっちゃけるように


「普通と違う状況でさ、色々慣れないんだろけど、体ぐらいゆっくりしていいんだから。なんかあっても私いるし」//サッパリとしつつ優しさのある感じ


「これでも結構けっこ強いんだからね。エレベーターで男三人相手にして勝ったことだってあるんだから」//わずかに有頂天を隠しきれない感じ


「そうそう、あの映画のシーンみたいな感じ。まぁ私ん時は誰も銃持ってなかったし、私もナイフだったし、なんなら内二人は後ろから奇襲してほぼ気づかれる前にってたから……あれやっぱ一対一かも」//得意げな声音で "なんなら~"からだんだん声のトーンが下がって冷静になってく


「まぁいいや、墓で眠ってる奴らより生きてる私が勝者だから。なんかそういう歌あったじゃない? ……あるけど違う? そっか」


「まーとにかく。今はちゃんと銃もあるし、あなたが無理矢理逃げようしないなら、私の銃やナイフがあなたに向くことはないから」//「私の~」から少しかっこつけたように、かつ少し近づく


「あー…さっきはナイフ向けたけど、まぁまぁままホラ、そうした方が話聞いてくれそうじゃん?……"説得力"はあったでしょ?」//誤魔化すような言い方


「アハハごめんごめん。で、耳かき、する? 苦手だったらやめとくけど、遠慮はしないでいいからね、私もするの好きだし、気分転換になるから」

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