第30話 最上階


目が覚めると、見覚えのある雰囲気のダンジョンにいた。

「ここって、あの時のダンジョン?何でだ?確かアイツの魔法を喰らったはず。やっぱりアイツの魔法でダンジョンに飛ばされたのかな?」


 ・・・違うぞ・・・


 あ、この声!そうだ。あの時も確かこの声が聞こえたんだ。


「あなたは一体誰なんですか?」

 確か、昔もピンチの時にこの声が聞こえたんだ。無視したらえらい目にあったな


・・・自己紹介は後だ・・・

 ・・・今のあなたなら上まで来れるな・・・

 ・・・最上階で待っている・・・


「え、ちょっと」

 よくわからないけど、以前は無視したからえらい目にあったんだよな。だとすると敵ではないはず。今回は指示通り上を目指そう。


 以前このダンジョに来た時は、ゴブリンに殺されかけたが、時が経ち力をつけた俺にはもはや敵はいなかった。簡単に最上階に辿り着いた。最上階に着くと大きな扉があった。


「なんだ、この扉。ダンジョンとは思えないぐらい綺麗な扉だ。」

 全力で、押したり引いたりしてみたがビクともしない。

「なんで、開かないんだよ。これ、魔力に反応するタイプの扉か?」


「ハァ!」

 少し魔力を込めてみたら、扉が光った。ただ、すぐにその光は消えた。


「あー、これ相当な魔力量が必要なやつだ。全力で行くか。」


「ハァァ!!!!」

持ち合わせてる魔力を全力で注いだ。倒れそうだ。扉は一層輝きをまし開いた。


 扉が開き、目の前が真っ白になった。

 先ほどまでのダンジョとは一転して、お城の中のような内装の空間が広がっていた。


「なんだ、この真っ白な空間は。」


 真っ白な空間の、地面には水が流れている。

 中央に集まるように流れている。その中央に大きなクリスタルがある。


「クリスタル?いや、中に人がいる!?」


 ・・・よく来たな・・・

「え?」

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