第19話 受け継がれる技2


「いいか。キア、氷の魔法は他の魔法とは違い一つ特別な特徴がある。わかるか?」


 魔法にはそれぞれの属性の特徴がある事はわかるが、アイスがないを言いたいかはわからない。


「わかりません。」


「そうか、それはな氷属性の最大の強みである形を作れるという事だ。

 炎や雷、水は決まった形で止まる事がない、基本の属性の中で唯一

 自由に造型を作れるのが氷属性なんだ。だからお前の発想次第で

 氷属性は無限の可能性を秘めている。」


「自由で無限の可能性。」


「そうだ、きっとお前を守ってくれる鎧になってくれるだろ。」

アイスはそう言うと、右腕に氷の鎧を纏った。その鎧はとても美しい彫刻品のようだった。


「キア、お前の剣でこの鎧を砕いてみろ。全力でこい。」


 アイスの腕を切ってしまうかも知れない。しかし手を抜いたらバレる・・・

 本気で行こう。


「はい。」

 俺は全力でアイスの右手を切った。


 バキン。


 剣が折れた。嘘だろ。


「いいか、キア。熟練された氷魔法は鋼よりも硬くなるんだ。」


「凄い。」

 アイスの魔法は昔から凄かったが、ここまでの完成度だとは知らなかった。そうか、正直俺の方が魔力などは多いが、アイスは氷以外使わない。つまり一つの魔法を極めた方が凄いんだ。俺は色んな魔法を使えるが器用貧乏になっていたんだ。


「防御だけではなく、攻撃にも使える。」


 アイスが、左腕に氷で弓を作り、右手に矢を作った。次の瞬間冷気とともに鋭い矢が屋敷の壁に穴を開けた。

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