第18話 受け継がれる技


 父上との戦いから数日がたち俺はひたすら剣腕を磨いていた。一旦魔法は置いておきとにかく剣に集中することにしたのである。

 そんなある日、急に父上に屋敷の外に呼び出された。


 「え、なんでみんな居るんですか?」

 呼び出された場所に行くと、父上とママ、そしてアイスがいた。

 家族が全員揃うなんて、滅多にある事ではない。


 「キア、今日は俺達からそれぞれの技をお前に伝授しようと思う。」

 父上何を言っているんだ??


 「それぞれの技ですか?」


 「そうだ、俺からは氷魔法を。」

 アイスが技を教えてくれるなんて初めてだ。


 「私からは癒しの回復魔法を。」

 ママが回復魔法を得意としているのは知っていたが、なんでいきなり?


 「俺からは特別な剣のかたを。」


 「だから、なんでいきなりそうなるんですか??」

 みんな変に真面目な雰囲気だ。一体なんだというんだよ。


 「キア、色々聞きたいことは有ると思うが今は訓練に集中するんだ。時間がないんだ。」

 アイスが少し怖い顔をしている。いつもか。


 「まずは俺の剣術を教える。正直俺達から伝えることはすぐにマスターできるとは思っていない。

  完璧に習得できなくても完成系を覚えていつか習得してくれたら嬉しく思う。」


 「いつか習得って大げさですね。習得できるまで教えてくださいよ。」


 「そうできるといいんだがな。さあ、いくぞ。よく見ておけ」


 父上の剣は、通常とは違う型であった。見たことが無い型だった。そして俺は一瞬で心奪われ、目指すものが決まった。

 その剣の方は、さやから一瞬で剣を抜き、一振りをしすぐに鞘に戻す。つまり居合切りで有った。

 前世で知ってはいたがこんなにも美しいものだとは思わなかった。

「凄い!」


「そうか、これは居合切り。と呼ばれる技だ。極めればこの上ない早さを手に入れられる。きっとキアに向いていると思う。」


「はい!」


「やって、見ろ」


 すん、すん、すん。今一スピードが出ない。

「まあ、そんなもんだ。今は時間がない。後々磨いていけ。」


「次は俺の番だ。氷を身にまとい武装する技を伝えよう。」


 なんでみんなそんなに急いでいるんだ??

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