第14話 フレアー家


 ドス・ゴブリンを倒した俺たちはギルドに戻ってきた。

 「戻りましたよ。マスター、兄上。」


 マスターが返事をしてくれた。

 「おかえり、ゴブリンたちはどうだった?」


 「まあ、普通ですね。ドス・ゴブリンがいましたよ。すぐに倒しましたけど。」


 「そうか、キアなら特に問題は無かったと思うがお疲れ様。ありがとう。」


 「いえ、いえ。久しぶりに皆さんと戦えて楽しかったですよ。」


 ギルドメンバーが言った。

 「一緒に戦えてか、正直嫌になるぜ。少し前まで、近所の子供ぐらいにしかみていなかったのに、数年で俺たちとは桁違いの強さになっちまうんだもんな。」

 「本当、本当。いつまで、気安くキア。って呼べるんだか。そのうちキア様って呼ばなきゃいけなくなりそうだぜ。まあ、今でもキアさんって呼ぶことは有るけど。」

 

 「何言ってるんですか。俺がどうなってもキアって呼んでくださいよ。俺はみんなの事仲間だと思ってますよ。」


 「嬉しい事言ってくれるね。でも現実的に今以上の地位になったら気安く呼ぶのは無理だな、キアが良くても周りが許さないよ。」


 「そういう物ですかね。」


 ん?アイスが難しい顔をしている。いつも難しい顔しているけど今日は深刻そうだな。


 「兄上、何か有ったんですか?」


 「何でもない。気にするな。さて、帰るぞ。」


 「はい。」

 なんだよ。相変わらず何も教えてくれないのか。


「行くぞ。」

 ひらり、ひらり。


「あ、兄上、これ書類落ちてますよ。」


 ん?この書類。「フレアー家・・・」

 

 べし。

「よこせ。中身を見たか?」


 やばい、なんかアイスが本気で怒っている顔をしている。

「いえ、見てないです。」


「そうか、もし何か見ても忘れることだな。」


「本当に見てないです。」


 見た。確実に見えた。「フレアー家」アイスは何かフレアー家とつながりがあるのか?


 ***********


 屋敷に戻ってきた。


「ただいま、戻りました。」


「おかえりなさい!キアちゃん、アイス。大丈夫だった?」


「大丈夫です。」

 ママの挨拶にアイスが不愛想に答えた。ちなみにママ8年たっても若々しいままでめっちゃ美人だ。

 俺は最近は肉体年齢的に少し異性に興味がある年になったが、不思議とママにそういう感情にはならない。

 人間はよくできているな。


「ただいま戻りました!!」


「キアちゃんも大丈夫だった?」


「はい、ドス・ゴブリンを討伐しました。」


「あら、そうなの。さすがね。どんどん強くなるのね。」


「大した敵ではないです。」


「そうね、あなたから見たら大した敵ではないわね、でも普通の10歳は絶対倒せないわよ。凄く誇らしい少し反面不安だわ。」

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