第13話 人格


 「でた、やっぱり居やがったなドス・ゴブリン。村が全壊しているのにあいつは元気そうだな。どうします?キアさん。」


 「あいつは、俺が相手しますよ。みんなは周りの散らばっているゴブリンの討伐をお願いします。」


 「おう、一人で大丈夫か。・・・って心配なんていらないよな。神童だもんな。」


  さて、あの醜いゴブリンの親玉を狩るとしますか。とりあえず水魔法で村の炎を消すか。

「ウォターシャワー」

 村周囲に強めの雨が降り、炎が消えた。


「さて、さて。ドス・ゴブリン覚悟はいいですか。」


「ぐぉぉぉぉ!!」


 ドス・ゴブリンはかなりお怒りの様子だ、まあ当たり前だよな。だって一族を皆殺しにされて村も焼かれている訳だからな。でも、俺は悪いとは思わないよ、だってお前たちゴブリンは2歳の俺を殺そうとしたよな。そんな奴に同情の余地はない。もしこれがかわいいエルフだったら話は全く変わるが。


「そうだな、魔法で簡単に倒しても面白くないよな。体術と剣術だけで戦うか。」


「キアさん、いくら何でもそれは危ないぞ。」


「大丈夫です。」


 おっと、いきなり襲ってくるか。まだ剣も抜いてないっての。

 右側から、お得意のこん棒の攻撃か。


 よ、こん棒を足で止めて。腕を切る。


「ぐぎゃぁぁ。」


「うるさいな。」

 てか、やっぱりゴブリンは気持ち悪いとしか思えない。何だろう、この異常に気持ち悪い感じ。前世だとゴキブリを見る感じに似ているかな。


「お、片腕しかないのに殴ってくるのね。」


 じゃあ、遠慮なく。左腕も切らせてもらおうか。

「ぐぎゃぁぁぁぁ。」


 両腕を失ったドス・ゴブリンが後ろを向き、逃げようとする。


「おい、まだ戦いは思ってないぞ。」


 両足のアキレス腱を切った。


「もう、動けないだろう。」


「ぐあぁ。ぐあぁ。ぐぁぁ。」


 コイツなに言っているか分かんないな。というか気持ち悪いな。

 

「もういいよ。」


 ドス・ゴブリンの首が地面に落ちた。ああ、死んだか。


  俺はモンスターを倒すときに、基本的に少しかわいそうだな。と感じる。特に動物の姿をしたモンスターは特にそうだ。

 でも不思議とゴブリンには何の感情もわかない。むしろ害虫を駆除して気持ちよいぐらいの気持ちだ。


 いつかアイスに言われたことがある。

 「キア、お前ゴブリンにだけ異常に嫌悪感を持っているな。」


 その通りである、自分でもゴブリン系のモンスターを倒すときだけ冷酷になっている自覚がある。


「キア?」


「ん?ああ、終わりましたよ。」


「良かった。一瞬別人かと思いましたよ。」

 

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