第11話 アイス

あのダンジョンに飛ばされた日から俺は何度か、アイスに事情を聞こうとした。しかしアイスはその話題を出すと「寝ぼけた事を言うな。」みたい事を言って何も教えてくれない。ただ、何となくアイスが秘密を握っている事はわかる。


 秘密にしている理由は、俺を守ろうとしてくれているのか。もしくはフレアー家と裏で繋がりがあり黙っているのかは分からない。


 冷静に考えるとアイスって少しおかしいんだよな。まず俺が生まれた時アイスはまだ4歳なんだよな。普通弟ができたら、めっちゃ喜ぶか、親が取られると思って嫉妬するかだと思うんだよな。というか、俺が中身は大人だから違和感なかったけどアイス歳の割には落ち着きすぎてるよな。普通に大人と話している感じだし。


 俺は自分で、前世の知識とこの世界の本を頼りに努力しまくってここまで強くなって「神童」とか呼ばれているけど、アイス俺より強いんだよな。特に氷属性の魔法では全く歯が立たない。そのうち強さの秘密わかるかな。


 まあ、そんな話は置いて置いて、今日はアイスと二人でギルドの偵察に行く事になっている。なぜギルドの偵察に行くかというと父上が昔ギルドマスターをしていた事が起因して、うちはこの国のギルドを管理する事になっているからだ。


 今日いくギルド結構居心地いいんだよな。ギルドマスターが父上の昔の知り合いらしくて小さい頃から仲良くしてもらっている。魔法を教えてもらったりしたこともあったな。


「マスター!!久ぶりです。」


「おおよく来たな!アイス、キア!二人ともまた少し大きくなったんじゃないか?」


「そうかな?」

マスターはいつも、穏やかで優しい。青がみでイケメンだ。雷魔法が得意。


「小さい頃から、みているからな。」


「マスター、早速で申し訳ないのですがギルドの状況を教えていただけますか?」

 アイスが真面目な話をマスターにした。


「おう、アイスは相変わらず真面目だな。奥で話そうか。」


「ええ。」


 マスターがこちらを見て言った。

「キア、すまないんだが森にゴブリンの群れが現れたらしいんだ。討伐にいかなきゃいけないんだが人手が足りない。今ギルドにいる者たちを連れて倒して来てくれないか?」


「お安いごようです。」


 ギルドメンバー達とは顔見知りでみんな可愛がってくれる。


「お、キアが一緒にきてくれるんか!心強いな!頼んだぞ神童。」


 完全に俺をいじっている。でも悪い気はしない。実際に頼りにされているのは間違いない。

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