第10話 8年後
強くなると決めた2歳のあの日から月日は流れ。俺は10歳になった。ゴブリンに襲われ無力感に襲われたあの時、もっと力が有ればと願ったあの時。その悔しい思いは2歳の俺を異常なまでに成長させた。
魔法、剣術、体術どれを取っても同世代に負ける事は無いぐらい成長した。そこら辺の大人と比べても俺は強かった。
そんな俺を周りの人間は「神童」と読んだ。小さい頃は天才だったのに今度は「神童」になった。
ただ、俺は一つだけ言いたい事が有る。俺は才能に恵まれた「神童」ではなく努力をしまっくった努力家なのだ。なんだか「神童」と言われるたびに、お前は才能に恵まれただけだろ?と言われている気分になる。
周りがドン引きするぐらいの努力をして、この力を獲得したというのに全く。
あの、ダンジョン送りになった日から俺は猛烈に努力した。まずは翌朝に、家に有った、魔法に関する本を読んだ。
なるほど、魔法は自分が持っているパワー=魔力を呪文や、道具を使ってエネルギー変換を利用するも物なんだな。
つまり、魔法に関して必要な事は2つ。
1、自分の魔力量を増やす事。
2、魔力を使うためにツール=呪文を暗記する事だ。
魔力量を増やすには、どうしたらいいんだ?何々、自分が持っている魔力を使いはたす。なるほど、つまり筋トレと同じで自分を追い込む必要があるのか。
使い果たすだけで魔力量を増やす条件なら、この世界の人は無限に魔力量を増やせる事にならないか??
ツールに関しても疑問がる。特殊なアイテムや、武器がないと使えない魔法はあるが、基本的に呪文を覚えて、必要な魔力量を満たしていれば魔法を使う事が可能と本には書いて有った。
つまり誰でもどの属性の魔法を使う事が可能になってしまわないか???
こんな感じで正直、当時の俺は魔法に関しての理解が浅かった。後々、魔法はこの本に書いているような簡単なものではない事がわかった。
ただし真実は本に書いてある事が正しかったんだよな。
剣術と体術は初めは、父上に習った。父上の剣術は貴族が使う伝統的なものもあるが、冒険者だった片鱗を見せるような技もあり斬新だ。
体術は正直一流とは呼べないかもしれないが、例えるなら、めっちゃ喧嘩が強い人の戦い方だった。
この数年間で思った事が有る、「努力をするにも知識は大切だ」という事だ俺は前世で筋トレをしていたから何となく自分が強く方法がわかっていた。
これが前世の記憶がなかったら、自分が持っている魔力を使い果たす。と言われても??となっていただろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます