第18話 最強の殺し屋クロは、白銀の少女と救出を試みる

 目が覚めるとなぜか廃ビルの柱に括り付けられていた。でも何も覚えていない。ここは不気味でロボットが数十体いる。本当に不思議だ。


 「ここはどこ?」

 「お、起きたのか」


 ミシェラが目を覚ますとそこには赤髪のモヒカンのガラの悪い男がそこに立っていた。ミシェラは何かを察した。


 (この人……何かやばいよ……明らかに学園の人間ではないよ~)

 「あなたはどなたですか?」


 ミシェラは恐る恐る赤髪モヒカンの人間に質問したが男はなぜかぶつぶつとつぶやいているだけだ。


 「あなたは誰ですか!」


 もう一度聞いてみる。


 「うるせぇーぞ!」

 「へぇ!」


 突如大声を出す赤髪モヒカンはミシェラをにらみつけた。そのあと自分の後方に指を指すとそこにはロボットの大群がいた。


 「嬢ちゃんや、これはな~クロを殺すために作られた人形なんだよ。嬢ちゃんたちが敬愛している六色光をつぶすためにな」


 その言葉を聞いてそのロボットの強さをはかったミシェラは一旦その場でとどまることにした。


 「トン・ファー様あいつで良かったのでしょうか?」

 「別になぁ~俺は六色光を敬愛しているわけではない。ただ俺は六色光を潰し新たな六色光を作ることを目的としている」

 「あ! そうなんですね!」

 「そうだもちろんこの作戦で潰せればいいが……」

 「何をですか?」

 「そうだな、まぁ~クロだな」

 「ク、クロ!?!? またそんな大物がなぜ……」

 「まあ見ておけ、のちに分かる」


 一方ルクス達の方でももう決着がつきそうになっていた。


 {ここでダークホースレイ選手とミキ選手の一騎打ちだ!!}


 「お姉さまが倒されちゃいましたけど仕方がないですね。舞ふる風よ敵を撃て!!《ウィンドハリケーン》」


 {ここでミキ選手の攻撃魔術!!これはここのスタジアムの結界も破壊するほどの力!!!}


 「レイ大丈夫?」

 「任せておけ」


 そう言うとレイは猛烈なスピードでミキの横にスライドする。それに反応するかのようにカウンターを撃つミキだがそれを完全に無視して腹にパンチを入れる。もう決着はついた……。


 そのころスミとフィスラントはミシェラを探していた。どこにもいない地下にもビルにもなぜかどこにもいない。そんな行き詰まった二人の元へ一人の男が現れた。


 「やあお嬢ちゃんたちや、人探しかな?」

 「は!ハイ!!」

 「名は?」

 「ミシェラ=グルートです!」


 その男は手を顎に乗せた。数分経つとその男が一枚の紙きれを二人に渡した。スミ達はそのもらった紙を見たらそこには廃ビルと書かれた文字があった。


 「廃ビル?? あのすみません」


 スミが確認しようと男を呼んだがもうそこには誰も居なくているのは隣にいるフィスラントたった一人だった。とりあえず近場の廃ビルに向かうことにした二人はその場所に着いた。


 「ここは何かへんです。フィスラントさん気を付けてください。ここは何かおかしいです」

 「分かりました」


 スミは腰に刀をあててどんどんと上に登っていく。


 「ではそろそろクロを呼ぶためにアクションを起こすとするか」


 そう赤髪モヒカンは言うと、拘束しているミシェラに向けてロボットを動かし搭載している武器で攻撃を放つ。だがその弾は決してミシェラに当たることなく銀髪少女が受け流してしまった。


 「お前はだれだ!!」

 「私はアルスアカデミア学園のスミです。ミシェラさんを助けに来ました」

 「スミってランキング一位のか……それは困ったな。では俺の人形と遊んでくれよ」


 赤髪モヒカンは上の天井を突き破り離脱すると奥から20体ほどのロボットがスミ達に向けて歩き始めた。


 「ミシェラさん助けに来たよ!!」

 「スミさん!!!」


 スミの前に立ちはだかるのは六色光を殺すための兵器、学園で強いからって六色光には届かない。だがそれでもスミは足掻く。


 スミの刀はロボットの腹部にヒットして独特な金属音が鳴り響く、一体ずつ確実に壊しているスミの元へ一つの火の玉が襲う。


 「きゃ!!」

 「スミさん!!」

 「大丈夫、私はやられない……《連撃つるまい》」


 四方八方から切り刻んでくるスミと独特な斬撃は周りのロボットを破壊することはなかった。それに驚いたスミの元へさっきの男の声がどこかしらか聞こえた。


 「確かにお前は強い、だがなここに居るロボットはお前らには決して斬ることができない代物なんだ」


 そういうとさらに追加で数十体をどこからか呼んできた。


 「は? ミシェラが誘拐? それとスミが助けに??」


 レイはある一本の連絡に応答してその真実を聞いた。


 「あぁ、ありがとうルイス・ルーミア」

 「おいおいやめてくれませんかね~。レイまたの名は六色光のクロ……」


 俺の一番最初の友人はルイスと言ったが厳密に言うと違う。ルイスは裏社会の伝説と言われた情報屋だ。こいつの情報はとてもすごいそれは六色光も取り扱うことだ。そして俺の正体を知っているのも学園でこいつだけだ。ひとまず家に戻ろう。


 「もしもし、本部か?」

 「お! レイちゃんか。どうした?」

 「少し問題が起きた」

 「あぁ、あのことだな。今回のメインターゲットはレイちゃんだよな」

 「そう、俺があいつをつぶす。レイとしての学園の顔ではなく裏社会のクロとしての顔で……」


 そしてクロは排除しに行くことになった。

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