第17話 最強の殺し屋クロは、ドミニオンに出場する

 {さて皆さんお待ちかねの全学園島のエリート達が集まり共に最強を決めるダブルスの大会ドミニオンがまもなく開始されます! 出場する皆様は開会式の形でお並びください!}


 とうとう始まるドミニオンにレイたちはいた。スタジアム全域に広がるアナウンスの音はとてもはきはきとしゃべり活舌も良く綺麗な女性の声だった。


 「なあリリーお前ドミニオン見に行くの?」

 「あれリキッドちゃんじゃん! 私はね今回はパスするよ!」

 「お前がレイさんの元へ行かないことがあるんだな」

 「私も一人になりたいときぐらいあるわよ!」

 「そうなんか。 あ~あと僕の実験室の人間が足りなくなっているから集めてきて」

 「も~仕方がないな!」


 今頃リリー達は本部に居た。そして魔術テレビの中継でレイ達が出場するドミニオンの観戦をすることにしていた。そしてこのリキッドと言う元気な少年は。確かに元気なのだが裏の顔があり、それは本部の地下収容所のさらに地下に潜るとある研究室で人体実験をしている。


 一方、会場スタジアムでは着実と試合が進んでもうすぐレイとエリスの試合だ。そしてレイの初めての友人ルイス達は初戦で敗れてしまった。相手は神童カルスティア霊峰院だとか。


 「もうすぐだねレイ」

 「そうだな」

 「緊張してる?」

 「そこそこ」


 腕をついて考え事をしていたそんなレイが考えて言葉を話しているわけがない。それをエリスは気が付いてほっぺを膨らました。


 「おまえ本当に変わったな」

 「そ、そんなことないよ」

 「前まではお前男がぶつかっただけでキレていた奴だもんな」

 「う、うるさい!」


 こんなやり取りをしている間に、レイ達の試合が始まる。


 {さて次の試合は学園会議に名が上がったと噂されているダークホースのレイと!そのペアはアルスアカデミア学園のランキング上位者でもある光のエリス!}

 {それに対し相手は、ミルフィーレ女学院のみきるりペア!}


 二人は今までにない量の人間の前に歩いて出た、そして相手を確認した。


 「よろしくお願いしますわダークホース」

 「よろしくね光のエリス」


 二人に挨拶をしたミルフィーレ女学院のミキとルリは戦闘態勢に入った。


 (このガキ達の武器は二人とも魔術だな)

 「エリスお前も気が付いていると思うが相手は魔術を得意とする。深淵化に注意だ」

 「分かったわ」


 ミキはその長い髪をゆらゆらと横に揺らしながら魔術詠唱を始めた。


 「天空の刃よ風穴を開けろ!《ウィンドブレイド》」


 風の猛烈な音を出しながら迫りくるウィンドブレイドはレイの元に向かった。


 (これはどうしようか無効化は簡単にできるけど、さすが公式大会に出るほどの実力だな~。ではわざと食らうか)

 「うわぁ~」


 レイはその場で膝をついた。そこで観戦者の歓声が響き渡る。実況解説の人たちその攻撃に目を奪った。


 {レイ選手に命中! 流石ですミルフィーレ女学院みきるりペアこれはかなりのダメージか!!}


 ここでもう一度大きな歓声が上がる。この歓声の中膝をついたままのレイにエリスが近寄る。


 「レイ大丈夫?」

 「あぁ、でもさっきので全攻撃を見切った」


 そういったレイはウィンドブレイドを放ったミキの所へ行く、そしてエリスも相方のルリの所へ歩く。


 「光の刃よ……的を射ぬけ《ホーリーランス》」


 エリスの周りに突然現れた光の矢はルリの元へ降り注ぐ。


 {ここで光のエリスと言われた女の攻撃魔術! 無数の光がルリを襲う!}

 「私にはそんな攻撃通用しないわ。風のシールドを我の元へ開け!《ウィンドストーム》」


 嵐かと思うほどの風の塊がホーリーランスを全て弾く、だがエリスの攻撃は終わらない。


 「それを待っていたわ! 光よ拳にまとわりつけ!《ライトレイズ》」


 ウィンドストームで視界がよく見えない中、突如風の塊のなかエリスが飛び出しルリの腹にパンチを入れた。その衝撃で胸の紋章も割れた。


 {おーと! ここでエリスの逆転だ!! あの状況から勝利を持ち帰るとはさすが光のエリスだ!}


 その頃レイはミキと見合っていた、先ほどエリスには手を出すなと言っていたためエリスは端っこで観戦している。


 「あれ、電話に出ない……ミシェラさんどこ行ったの?」

 「スミさん、ミシェラさんはいた?」

 「いいえ、反応なしです……」

 「全くどこ行ったのよ」


 スミとフィスラントは急にいなくなったミシェラを探していた。


 「トン・ファー様、例の人物を誘拐いたしました。これであの娘が試合に出ることはないでしょう」

 「ご苦労だがまだ気を緩めるな。もし何かあったらお前は禁区に行くことになるだろう」

 「分かっております」


 そこは天武神アカデミアの学園島にある一区画の廃ビルに居たミシェラの出来事だミシェラは目を覚ましたらロープで動けないように高速を施されていた。


 「みんな私どこに……」


 ミシェラは脱出する方法を考えた。



 

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