プロローグ3 俺の学園ラブコメは、間違い続ける。  ~熱帯雨林かける、エルフゴーレム~ 赤の章


「なに、やることは簡単だ。

 依頼者の話を聞いて、解決するだけだ」


「生徒会に寄せられた、対応するのも面倒な、話を。

 生徒会が、解決しているように見せろと?」


「話が早くて助かるよ。

 本当に、クラス替えで、上に行かないかね? 霧斗君」


「望んでません、心から」


「君も、埼高の生徒として、サイコーと、やじってみたらどうかね」


「教師の発言とは思えませんね、マジで」


 愛理教諭は、腕時計を見て。


「さて、そろそろ、新生生補部への相談者が、来る頃だ」


「そこまで、段取り完ぺきなのに、なんで結婚できないですか?」


(…あっ。霧須磨の目線が逃げた)


「君は、私の地雷を避けたいのか、踏みたいのか、分からん奴だな。

 卒業したら、君が責任をもって、私を養いたまえ」


「先生。半分本気だって、俺には分かるんで、やめてください。見てくださいよ」


 霧斗は、学生服をまくり上げ。

 ぶつぶつの肌を、愛理に見せつける。


「そうか、そうか。

 そんなに、私のことが好きか。一生、説教してやるからな、霧斗」


「もう、呼び捨て? 何も始まってませんよ?」


「なに、プロローグだよ」


「先生! 退学、したいです」


 ガラガラと、開かれた扉の向こうに。


 首をかしげる、金髪ブルーアイの美少女が。


「そうか…。海外留学生も、範疇なんですね」


 校内では絶対に見ない、長く立派なツインテール。


 整い、日本人離れした、人形じみた美しさ。


 身長が、ようやく170を超えた霧斗でも、意識的に見下げる、必要がない。


 それでも、視線を下げてしまうのは。

 胸部の自己主張が、ハッキリしているからだろう。


 霧須磨が、清楚な日本美人を行くなら。


 この金髪生徒は、アメリカンビューティー路線を、突き進んでいる。


 霧須磨は、金髪生徒に声をかける。


「×××××」


 いくつか愛理と、霧須磨と話を終えると。

 金髪美少女は、霧須磨に言われたようで、椅子に腰掛けた。


「え? 何語だ?」


「こんな言葉も、理解できないの? 橒戸君は。英語よ?」


(この、アマ…)


「絶対、嘘だろ。ドイツ語でも、イタリア語でもないことぐらい、分かるぞ、俺には」


「先生、彼は、本当にF組なんですか?」


「だから、言っただろう。

 F組のくせに、F組らしからない教養を見せるんだ、彼は。

 B組でも、おかしくないと、言っただろう?」


「控えめに言って、ですか?」


「たまたま、俺の両親が3カ国語を話せるだけだって」


「それで、君が習得しているのは、別の話だろう?」


「はぁ…。自分で、自分の首絞めて、どうすんだオレ…」


 霧須磨は、金髪生徒と、ツラツラと、話を始め。


「ああ、そうだ、霧斗君」


「そろそろ、俺の呼び方を、固定しても、良いころですよ?」


「レポート提出は、スマホから、アプリでやってもらう。

 このバーコードを、読み込みたまえ」


 差し出されたスマホ画面には、QRコード。


「オレ…」


「君が、私の授業中に、だ。

 いじくり、まわしているコトを、知らないとでも?」


「見逃してくれてたんですね、先生は、優しいなぁ~」


「言葉にもっと、感情を、こめたらどうかね」


 霧斗は、ポケットからスマホを取り出し。

 素直に、QRコードを読み取る。

 

 すぐに、アプリのダウンロード画面が表示され。


 愛理先生は、顎で、さっさとしろと、促されていた。


 嫌々、画面をタップしていけば。

 インストールまで、すぐに終わり。


 寂しい、スマホホーム画面に表示される、アプリアイコン。


「生補アプリ・ファンタジー。スマホゲームでも、やらせる気ですか?」


「君は好きだろ。ガチャとか、ゲームとか。

 なに、単純なアプリだ。


 イジれば、わかると思うが。

 分からなければ、霧須磨君に、聞きたまえ。

 ではな、私は、こう見えても忙しいんだ、仕事に戻るよ」


「ニコチンが、切れただけですよね?」


「なら、私が今、どれだけ、イライラしているかも、分かるだろ?」


「迫害されてますもんねぇ」


「喫煙スポットが、つぶされていないだけ、マシだよ」


「戦わない先生、素敵です」


「では、よろしくやりたまえ」

 愛理先生は、扉を閉め、走っていく。

 三十代半ばの喫煙衝動は、なかなかのモノのようだ。


「この、置き去り感よ」


 金髪生徒との話し合いは、終わったようで。


 お互いに、スマホを、いじりだしている。


「この、突然、始まるスマホタイムよ…」


 愛理の後ろを、ついて走っていくのも。

 一つの方法だったのでは、ないのか。


 考えていれば。

 霧斗のスマホは、小さく震え。


 画面を見れば。

 生補アプリ・ファンタジーが、通知を知らせていた。


(うぁ…。本当に通知、来てるよ…)


 霧須磨に、にらまれ。


 近くの椅子を、彼女たちから、だいぶ離れたところに置き。

 腰掛けて、アプリを開けば。


 表示された日本語に、霧斗は、固まった。




 依頼者 エリス=エイス=レイト


 依頼内容 妹が、奴隷商に売られるのを、阻止してほしい。



 俺の学園ラブコメは、間違い続ける。

 ~熱帯雨林かける、エルフゴーレム~ 赤の章


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