第11話

「どうした?怖じ気着いたのか?」

「そんな事はない!」


私は、もう一度刀を構える。


「それなら、これでも喰らえ!」


天狗は、羽団扇をクロスの様に振った。


「そんなの!ガードすれば、大丈夫!」


私は、構えていた刀で、鋭い風を受け止める。


「俺の、攻撃を耐えた奴は、お前が始めてだ、誉めてやってもいい」

「じゃあ、おとなしく封印させて!」


そう言いながら、天狗の羽団扇を警戒する。


「それは、無理な話だ」

「それなら、力付くで封印する!」

「俺に、近づく事すら出来ぬのにか?」


天狗は、そう言う。


「逆に、近づければ、斬ることが出来る!」


私は、地面に落ちている小石を拾い上げて天狗に向かって、投げつける。


「石ころ何ぞ、簡単に避ける事が出来る」


天狗は、その小石を、簡単に避ける。


「はああぁ!」

「何!?」


私は、小石を投げる事により、天狗に隙を作らせて、一気に間合いを詰めた。


「やっ!」


私の、刀は天狗を斬った。


「苦っ!こんな、小娘に…」


天狗は、そう言い残し、何処かに消えてしまった。


「やった」

「やったわね!」


シロネは、私の肩に飛び乗り、そう言う。


「あれ?シロネ何処にいたの?」

「さっきの、風で飛ばされてたのよ」

「そうなんだ、て言うか、猫様何処に行ったの?」

「さぁ?それより、帰りましょ」

「うん!」


私と、シロネは神社を背に、帰路に着く。

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妖怪封印師結愛 桜宮 彩音。・彼方 @aiharenn

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