就労移行支援事業所と利用者の皆
六年間、就労継続B 型事業所で実務経験を積んだ私は、今度は就労移行支援事業所に籍を移した。
就労移行支援事業所は、障害や難病を抱えている人達や、一般の企業に就職することが難しい人達が事業所に通所して、一般就職に向けたサポートやサービスを受けることが出来る事業所の事である。
就労移行支援事業所は、利用者が二年間の間に一般就職をすることを原則としている。つまり二年間しか、利用者は在籍する事が出来ないのだ。
「二年間か。きっと長いようで短いから、しっかり頑張らないと」
そう思った私は毎日電車に乗って、就労移行支援事業所に通った。
就労継続B型事業所に通所している間に、コツコツと電車やバスなどの公共交通機関に乗る練習をしていた成果が出たのだろう。
この頃には私は毎日一人で電車通勤が出来るほど、回復していた。
頓服薬は手放せなかったが、私はそれを『お守り』にして、毎回乗り物に乗るようにしていた。
就労移行支援事業所は就労継続B型事業所よりも、より実践的な就職活動に向けた勉強や、仕事がプログラムに組み込まれていた。
朝の九時から夕方の四時半まできっちりと学び、そして働く。
就労移行支援事業所の皆は、毎日真剣に勉強していて、働いていて、「いつか社会に出て働くのだ」という気迫がとてもすごかった。
皆、「いつか社会に羽ばたいて働き自立したい」という、そんな素敵な夢に向かって、一生懸命にプログラムに参加している方たちばかりだった。
それに刺激を受けて、私も真剣に仕事と勉強に取り組む様になっていった。
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