両親と私

 うつ病とパニック障害という精神疾患の病気と、精神障害を抱えた娘を持つ両親は、私自身の事をどう思っているのか。

 直接両親に私は尋ねてみた事はないけれど、比較的私の家族は病気に関して理解がある方だと思う。

 特に両親には本当に私は感謝している。

 両親は私が調子の悪い時には気を配ってくれるし、いつも私のことを静かに優しく温かい目をして、見守ってくれている。

 両親のサポートがなかったら、私はここまで大きく回復しなかっただろう。そして今、生きていたかどうかさえ怪しい。

 きっと両親は、私が心療内科から帰ってきて、病気に罹患した事を打ち明けたあの時。きっとものすごくショックだっただろうなと、私は推測する。

 私の両親は「勉強もスポーツも作法も大切だけれど、何よりも心身ともに健康なことが一番大切!」を子育ての信条に掲げていた人たちである。

 その教えに背いた私は親不孝者の代名詞を背負っている人間であった。

 でもきっと、だからであろう。両親の教えをもう一度守ってみたい。もう一度、元気になって、自身の日常を取り戻してみたい。

 その気持ちに掻き立てられて、私はこの長い長い闘病生活を何とか送ってきた。

 今でも両親は「家族が健康で笑顔で居てくれたら、もう何もいらないよ」と、そう言って笑ってくれる。

 いつか両親に恩返しが出来るくらい、とびきり元気になりたいと、今では私はそう強く強く思っている。いつかこの夢が叶う日が来る様に、その日をただ信じて今日も私はコツコツ、丁寧に自身の生活を送っている訳である。

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