登場人物の心理を間近に感じられるちいさな小説のよさ

短編小説集です。
とても落ち着いた内容で、全編にわたってなんとなく古い家の、セピア色のにおいを感じます。とくに最後の二話はモチーフとストーリーが密に関連しあっていて好きでした。

幻想的な要素はありますが、突飛さや過激さとは無縁です。ですがそれだけに登場人物への共感があり、ひさしぶりに心地よい読書体験ができました。
純文学作品のよさを感じられる作品です。