第20話 神
◇
「ふぅ、久しぶりの自分部屋な気がする……は?」
何か俺の部屋にある机の椅子に誰か座ってるんですけど、椅子が後ろを向いてる為、後ろ姿しか見えないがスーツを着ているし、身体の骨格的に男性だということが分かる。
「やぁ、やっとお帰りだね…
「っっ!?」
それは俺の前世の名前だ。何故こいつが知っている?そもそもこいつは誰だ?
「お前は誰だ」
「この世界に君を送り込んだ者」
そう言って椅子と共にこちらに振り返る。顔にはモザイクの様なモヤが掛かっており、どんな顔をしているかが分からない…どんな原理だ?服は後ろ姿で分かっていたが、サラリーマンとかが着ている様なスーツを着用している。
にしても俺をこの世界に送り込んだ者、恐らく神様的な存在だろうが、なら何故このタイミングでこいつは俺の目の前に現れた?普通ならこの世界に俺を送り込むタイミングで天界でもどこでも良いが、接触する方が良い筈──全くこいつの意図が読めない。
「うん、大体神みたいな認識で合ってるよ。やはり現代人は理解が早くて助かるよ。意外とこういうのって過去の時代の人とかの方が物分かりが悪いからさ、神を信仰してる癖に僕が神だと信じようとしないなんて、凄い失礼だよね」
サラッと考え事読まれたんですが。
「……何故このタイミングで俺に接触してきた?」
「うーん、単に気になったから?かな。君を送り込んだ日ってのは、特に仕事も無いし暇でさ、適当に数十億人から選んだ人物をゲームの世界に送り込むっていうゲームを他の神と行っていたんだけどさ、そんな数十億人の中からたまたま選ばれたのが君って訳だったのさ。そんでそのまま送り込んで後は知らんぷりなんて、流石に無責任じゃん?だから、少しだけどんなもんかと様子を見に来た訳」
流石に怒って良いよなこれ?何だよ、数十億人の中からたまたま俺が選ばれたって、しかもゲームで?ていうか数十億人の中から俺が選ばれるってどんな確率だよ。
単なる神達の暇潰しの道具にされた訳かよ俺は、じゃあ別に俺にこの世界でして欲しい目的とかも何にもない訳だ───まぁ、だからと言って此処で神に対して殴り掛かったり怒ったりする訳がないんだけどな。だって普通に神に1人の人間が立ち向かうなんて無謀すぎるもん、怒るのは心の中だけにしておこう。
「うん、それが懸命だね。ていうか、人間なんて所詮神の気まぐれで創造されたモノなんだから、自分達の所有物を何に使おうが神の勝手だと思うんだよねぇ。まぁ話が逸れちゃったけどさ!意外と順調そうで安心したよ。これなら特に何か手助けをしなくても良さそうだ」
「ん?手助け?もしここで頼めば何か叶えてくれるのか?」
思わず聞き返してしまう。
「……本来なら手助けが必要なさそうな人には何もしないんだけど、今は凄く機嫌が良いから特別に良いよ。さて、和也君は何を願うのかな?」
その返答に思わず心の中で舞い上がってしまう。ていうか、さっきから一応平然装ってたけど、内心では心臓バクバクだからなぁ…あぁ、ていうか思考読まれるんだから、今考えてる事も全部目の前のコイツに筒抜けなんだった。
「はは、まぁゆっくり考えなよ。今日はもう特に仕事ないし、暇だからさ。少しぐらいは待つよ」
「嫌、その必要はない。俺の願いは〜〜〜だ」
「ふぅん、何だかもっと面白い事言ってくれるのかと思ってたけど、凄いつまらないね……少しがっかり、本当にそれで良いの?」
「あぁ、これで良い」
「分かったよ……あーあ、何だか冷めちゃった。そろそろ帰る事にするよ」
そう言うと男は立ち上がり、指をパチンと鳴らすと徐々にその姿が透けていく……何かどっかの映画で見た事ある光景だな。オマージュか?
「あ、言い忘れてたけど、この世界での主人公は君だ。君を中心にこの世界の物語は進んでいくから、君がまだ攻略していないヒロイン7人もいずれ君に惹かれる事になると思うよ、そう
そんな大事な事をポツリと最後に言い残し、神は完全に姿を消え去った。
うん、やっぱ神ってク◯だわ(確信)
─────────────────────
こういう展開になるとは予想してなかった。だって作者自身もこんな感じにするつもり無かったですもん。
さぁ恭弥ハーレム目指してレッツゴー(適当)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます