第9話 天音輝夜
◇
「まぁ機嫌直して「先輩!」」
ん?教室に甘ったるい声が響き渡り、周りの子達がその声がした方へ視線を向ける。俺も釣られた様にそちらに視線を向けると、そこには9人中のヒロインの内の1人である天音輝夜がいた。
「修平先輩!!」
「あ、あぁ、何かな?」
「少し話したいので、着いてきてくれませんか?」
「わ、分かった!じゃあ、行こうか!」
そう言って修平は輝夜と一緒に教室を出て行った。にしても天音輝夜…… 綺麗な黒い髪を肩ら辺で切り揃え、アイドル顔負けの可愛さと幼なげな〜的な感じでゲームの説明文には書いてた気がする。
まぁ、その通りなんだろうは思う。実際多分9人中のヒロインの中だったら一番顔良いし、とか言ったら失礼か。
てか何で中学生の輝夜がここにいるんだ?……って、そういやこの高校は中高一貫校だったか。
ゲームの学校とかの細かい説明とかは、面倒くさくてスマホで音楽開きながら流しで見てたっけなぁ。
恭弥は高校から入ったから、顔見知りや友達は特にいなかったと記憶してるけど、まぁ中高一貫校だし周りの奴らは顔見知りが多いんだもんなぁ。
「まぁ良いか…… そういや愛華は今日の放課後とか予定ある?」
「恭弥くんは私の予定を聞いて一体どうしたいのかしら」
顰面で返されてしまう。ありゃ、女の子が怒ってる時などはさり気なくデートへ誘うのが効果的ですって前世のオタク友達から習ったんだけどなぁ、まぁ所詮は童貞の戯言だったって訳か。
「デートへ誘いたいなって思ってさ、もしかして嫌かな?」
「デ!?…… ま、まぁ良いわ。恭弥くんがどうしてもって言うなら行ってあげても良いわよ」
おぉ、デートって単語が出た瞬間何だかめっちゃ乗り気になってくれた。気のせいかもしれんが、さっきより嬉しそうな表情をしている!童貞の戯言とか言ってごめんよ!オー・タク君!
てか輝夜が修平に惹かれた理由って何だっけ…… うーん、思い出せない!!しっかりゲームをプレイしとくんだったかなぁ、てか他のヒロイン達の事もあんま覚えてないんだよなぁ正直。
「恭弥くん?」
「ん、あぁごめんごめん、ちょっと考え事してた。それで、何の話だっけ?」
「はぁ、デートに行くって話だったでしょ…… 勿論恭弥くんがエスコートしてくれるのよね?」
そう言って可愛らしく首を傾げてくる愛華、うーん、これを素でやってるんだから恐ろしい。
「あぁ、勿論。愛華お嬢様の為にしっかりとエスコートさせて頂きます」
最後にウィンクも忘れない、意外と今の俺もあざとさで言えば負けてないのかもしれない…… 前世の俺がやったら女子に悲鳴を上げられるの確定だけど(笑)
本当に恭弥は顔だけで言ったら超イケメンだしなぁ、その癖若干童顔だからショタっぽい要素もあるから、本当に無敵だと思う。
「っっ!? 恭弥くん、その最後のウィンクは正直とてもキツかったわ、これに懲りたら絶対に他の人に見せないでよね」
愛華さん…… 顔真っ赤にして言われても説得力ないですよ。
っと、気づいたら修平も教室に戻ってきてるな、また俺へ対しての睨みを発動させてやがる… 次の授業もそろそろ始まるし無視してさぁ頑張ろうーっと!
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