第39話 頭に「ら」のつく映画といえば?

 夏の映画といえば、ティーンズがわーわーきゃーきゃー言いながら殺人鬼に殺されていく映画を見るか、あるいはサメ映画を見るかの二択だと思います(断言)。


 そんな流れで、頭に「ら」のつく、「ティーンズがわーわーきゃーきゃー言いながら殺人鬼に殺されていく映画」……「ラストサマー」を紹介したいと思います。


 原題は「I Know What You Did Last Summer」。“去年の夏、お前がしたことを知っている”といった劇中の脅迫状のセリフからきています。


 1997年のアメリカ映画。監督はジム・ギレスピー、出演はジェニファー・ラブ・ヒューイット、サラ・ミシェル・ゲラー、ライアン・フィリップ、フレディ・プリンゼ・Jrほか。


 ある夏の夜。

 パーティーで騒いでテンションが上がったジュリー、ヘレン、バリー、レイの高校生の男女4人。


 夜の道で車を走らせていて、不注意から路上の男性を車で撥ねてしまいました。

 事件の発覚を恐れて、男性を海に沈めて処分し、「この事を決して誰にも口外しない」と4人は互いに固く誓いあいます。

 3週間後、沖で男性の死体が発見されたことが新聞に載りました……。ジュリーは罪の意識に苦しみます。


 それから1年後。


 大学に進学したジュリーのところに「去年の夏、何をしたか知っているぞ」(I know what you did last summer)と書かれた手紙が届きました!


 それ以来、大学生になった4人の周囲で、漁師用のコートを着た“カギ爪の男”が徘徊し、連続殺人事件が起こるのです……。


 漁師用のコートを着た謎の殺人鬼「フィッシャーマン」が次々と人を殺していく、ホラー作品です。

 当時十代後半のジェニファー・ラブ・ヒューイットが、美少女ヒロインでまあカワイイのなんの!


「フィッシャーマン」の正体について探り、関係者に話を聞いていく中で、ヘレンが「アンジェラ・ランズベリーならそうするわ」と言ったり、「アンジェラ」と偽名を使ったりするのは、アンジェラ・ランズベリーという女優さんがアガサ・クリスティ原作の「ジェシカおばさんの事件簿」で探偵役をやっていて、そこから来ているんですね。


 最後は意外な犯人にビックリさせられます。


 1998年には続編の「ラストサマー2」が製作されました。


 前作での殺人事件から1年が経過し、まだその恐怖を忘れられないジュリーが、ルームメイトの女の子に誘われて気分転換にバハマ旅行へ。

 行先のホテルで「死んだはずのフィッシャーマン」が現れ、関係者が次々と殺される……といった内容。


「1」で生き残っていた“ある人物”も後半で参戦し、意外な奮闘を見せてくれます。(いろいろとツッコミどころは多い生存なのですが……)


 暗闇から突然殺人鬼が出現したり、急にショッキングな音楽を流したり、前触れのない“ビックリ要素”で飛び上がるほど驚かせるパターンを指す「ジャンプスケア」映画です。こういうの好き。


 邦題の「ラストサマー」だけですと「去年の夏」という意味になりますが、「サマー」ではなく「最後(ラスト)」だけ引っ張ってきたのが、2000年のホラーパロディ映画「最終絶叫計画」。(原題は「Scary Movie」)


「スクリーム」は“絶叫”、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の「プロジェクト」は“計画”で、人気ホラー映画の原題のいいとこ取りで邦題をつけたのが「最終絶叫計画」なのですが、まさかこんな珍品に人気が出て、続編が次々と作られ「絶叫計画」シリーズ化に発展するとは、日本のスタッフは考えていなかったのでしょう。


 1作目で「最終絶叫計画」と“最終”と銘打ってしまってはいますが、2作目では「最“新”絶叫計画」と苦肉の策で変更。

 3作目も作られて「最“狂”絶叫計画」となり、4作目・5作目は「最終絶叫計画4」「最終絶叫計画5」と無難な続編タイトルに落ち着きました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る