第30話 頭に「ほ」のつく映画といえば?
小学校の頃、友人宅で何人か集まり「お泊り会」のようなものを開いたことがありました。
家族旅行で宿泊し、ホテルの天井を見上げる感覚とは、また異なる、「ほかの人の家の生活スペースで自分が寝ている」不思議な感覚を覚えています。
そんな懐かしい思い出を彷彿とさせる、「他人の家に泊まる」映画。
頭に「ほ」のつく映画、「ホリデイ」を紹介します。
原題はそのまま「THE HOLIDAY」。
2006年のアメリカ映画。監督はナンシー・マイヤーズ、出演はキャメロン・ディアス、ケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、ジャック・ブラックほか。
ロンドンの新聞社に勤めるコラムリストのアイリスは、周囲に隠れて交際していた同僚・ジャスパーが、なんと他の女性と婚約したことを知りました。
一方、ロサンゼルスに住み、映画の予告編の製作会社を経営するアマンダも、恋人・イーサンの浮気に気付き、別れを決めたばかり。
アマンダは気分転換に休暇を取って旅に出ることにしました。
インターネットでイギリスの女性が「ホーム・エクスチェンジ」のサイトに自分のコテージを出しているのを見つけます。
そのサイトは、休暇中にお互いの「家」や「車」を他人と交換するというものでした。
「おとぎ話に出てくるような牧歌的な家」というコピーに惹かれたアマンダは、すぐに連絡を取ります。
相手は、同じく恋に破れたばかりのアイリスでした。
電話で意気投合した二人は、さっそくお互いの「家」を二週間交換することにします。
ロサンゼルスの都会から、ロンドンの田舎町のコテージに行ったアマンダは、そこでアイリスの兄・グレアムと知り合います。
毎回携帯電話で呼ぶ女性の名前が変わる、プレイボーイと思われたグレアムですが、実は妻と死別し、三人の幼い娘の子育てに苦労する独身男性でした。電話で呼ぶ名前が変わるのは、三人の娘たちの名前を呼んでいたからだったのです。
アマンダは彼に惹かれていきます。
ロンドンから、ロサンゼルスの豪邸に行ったアイリスは、イーサンの友人で映画音楽の作曲をしているマイルズや、近所に住む元・脚本家のアーサーと知り合い、映画に興味を示します。
マイルズが、恋人にフラれたのを励ますうちに、自分と彼を重ね、アイリスはマイルズに惹かれ始めます。
恋に破れた二人は、それをきっかけに新天地へ出かけ、新しい恋に出会うのでした、というハッピーなロマンチック・コメディ。
アイリスと共にレンタルショップに行ったマイルズが、映画作品を手に取りながら映画音楽について語るシーンがあるのですが、ここで映画「卒業」について熱く語っている時、脇にいる男性客がちらりとこちらを見て「なんだ、顔バレしたかと思った」と呟きます。
この男性、なんと映画「卒業」に出ていた当人、ダスティン・ホフマンその人。
カメオ出演です。(セリフはその一言のみ)
特にオファーしたわけでもなく、たまたま、撮影現場となったレンタルショップで人払いしようとしたら通りがかったので監督に声を掛けられ、そのまま出演したという経緯だといいますから、映画って面白いですね。
ちなみに、このレンタルショップのシーンでマイルズが「映画音楽の中でもハンス・ジマーの曲は素晴らしい」と作曲家を褒めるセリフがありますが、ハンス・ジマー氏はこの映画の音楽も担当してます。手前味噌かいっ。
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