前のエピソード――第２６話　頭に「は」のつく映画といえば？

　ジョディ・フォスターがFBI捜査官クラリスを演じ、アンソニー・ホプキンスがサイコな殺人鬼・ハンニバルを演じた、1991年のアメリカ映画「羊たちの沈黙」。この映画から、「プロファイリング」という言葉が一般でも知られるようになりました。

　そんなわけで、頭に「ひ」のつく映画、「羊たちの沈黙」……のパロディ映画、「羊たちの沈没」を紹介します。沈黙じゃなくて沈没ね。

　原題は「The Silence of the Hams」。

　1994年のイタリア・アメリカ合作映画。製作・監督・脚本・主演はエッジオ・グレッジオ、出演はエッジオ・グレッジオ、ドム・デルイーズ、ビリー・ゼイン、ジョアンナ・パクラほか。

　ＦＢＩの新人捜査官、ジョー・ディー・フォスター（男性。この設定がもうふざけてる）。

　着ているトレーナーに、所属とフルネームを堂々と記しているジョーは、連続殺人鬼の手掛かりを掴むために、精神病院のアニマル・ピザ博士に面会してくるように、ボスに命じられます。

　一方、ジョーの婚約者・ジェーンは、結婚資金欲しさから、会社の金を持ち逃げしてしまいました。

　逃げ込んだ不気味な「霊園モーテル」で彼女は殺害されてしまい、彼女の行方を追っていた探偵バルサムも殺されてしまうのです。

　アニマル・ピザ博士のアドバイスで、モーテルを調べることになったジョーは、ジェーンの妹のリリーと夫婦を装って「霊園モーテル」へ宿泊客として潜り込むのですが……。

　冒頭がシャワーシーンで「サイコ」のパロディで、なぜか服を着たままシャワーを浴びている（なぜなのか、説明は特にありません）など、映画「羊たちの沈黙」や「サイコ」を題材に、FBI捜査官が猟奇殺人鬼を追うという筋書きになってはいるものの、全編を通して様々な映画のパロディを寄せ集めた内容に仕上げています。

　テイストがドリフターズ寄りかな。ベタなギャグの連続。

　ホントーに、しょーもなくて、くだらない（誉め言葉）。こういうの好き。

　冒頭からして「２０世紀フォックス」ではなく「３０世紀ウルフ」だったり。

　ほんのチョイ役で、映画監督として有名なメル・ブルックス、ジョン・カーペンター、ジョン・ランディス、ジョー・ダンテらがカメオ出演している贅沢な作品でもあります。